司法制度改革の時代を司法書士として生きる!
〜全青司活動現場からのレポート〜




「女神の微笑み!敗訴者負担法案が廃案に」出版 (日弁連敗訴者負担問題対策本部本部長代行 弁護士 辻公雄著)(平成17年4月30日)

1.「女神の微笑み!敗訴者負担法案が廃案に」出版(日弁連敗訴者負担問題対策本部本部長代行 弁護士 辻公雄著)

   平成16年12月3日、敗訴者負担法案は廃案となりました。私のこのレポート(司法制度改革の時代を司法書士として生きる20)にも取り上げておりますが、その運動の足跡を知ることができるまさに現場からのレポートが書籍となりました。全青司会員はもとより全国の司法書士に読んでいただきたいと思っています。この本を読み、改めて、いくつかの感想を持ちました。

(1)一つ目は、なぜこのような法案が司法制度改革の一環として取り上げられたのかという素朴な疑問です。それに対する回答のヒントが本書には赤裸々に記されています。
「強者の論理」、一言で言えばそういうことなのではないでしょうか。
 司法アクセス検討会の委員による「自分の家は川の上流にあるだけなのに、下流の人から川を汚染したなどと言いがかりをつけられた裁判に応訴させられるのは不当だ。そのような裁判防止のために敗訴者負担を導入すべきだ」というコメントが最も象徴的ともいえるでしょう。
 さらに、辻弁護士は、委員について「自分は立派で正しいので裁判で訴えられるべきではない。また自分は賢いので裁判に頼ることはない。裁判は弱者やうるさい人がやるものだから、間違ったら懲罰として敗訴者負担にするのが当然だ」という思考の人々と記しています。
 正直なところ、このコメントを読み、暗澹たる気持ちになりました。
 裁判制度は、法律は誰のためにあるのでしょうか・・・・
なお、敗訴者負担制度については、日本民主法律家協会のHPに掲載されている敗訴者負担制度解説が詳しいので是非ご一読ください。

(2)二つ目は、なぜ司法書士の間でこの運動が盛り上がらなかったのか、という自戒です。
 日弁連弁護士報酬敗訴者負担問題対策本部が主催した「司法アクセスを阻害する弁護士報酬の敗訴者負担に反対する各界懇談会」には、当時の全青司会長である高原勉会員をはじめ、全青司会員である若鍋敬治会員、荻原世志成会員、前川一彦会員らが参加し、当初から、強い反対の表明を行ってきました。しかしながら、司法書士会全体を巻き込むような議論にはなりえていなかったのが、現実ではなかったでしょうか。私を含め、PRが不足していたことは率直に反省しなければならないと思います。
 私は、本年度の全青司活動について、その所信において、@経済的・社会的弱者の側に立つ法律家集団として存在すること。A司法アクセスの拡充に資する法律家集団として存在すること。 を掲げていますが、今回廃案になった法案に反対することは、まさに全青司としての存在意義にも関わる重要なテーマであったと思います。もちろん、さらに広く司法書士制度の存在意義に関わる問題といっても差し支えないともいえるでしょう。

(3)今後の課題についてはまた次の機会に譲りたいと思いますが、冒頭のレポート参照のこと。




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