1.平成16年度司法書士中央新人研修受講者アンケート調査(月報司法書士8月号)
日司連発行の月報司法書士8月号に、とても興味深いアンケート結果が掲載されました。福島大学行政政策学類教授塩谷弘康先生の行ったものであり、その狙いは、近い将来わが国における法律家制度全体の見直し実施されるであろう(司法制度改革審議会意見書)という状況下において、「司法書士になる当事者」に関する基礎的データを把握し、実態に基づいて、今後の司法書士養成・研修のあり方を議論しようとするものであります。
もともと個人的には、法曹一元化について消極であり(詳細な理由については別の機会に譲りたいと思います)、司法書士制度も、今後の実績次第では、十分、独立した存在意義があると一貫して考えていますし、その実績作りを全青司活動においても強く意識しているところであります。
一方、今後の司法書士制度を担っていくのは、間違いなく、私たちよりも若い、これからの合格者でありますので、新しい合格者の皆さまが、どのような意識で司法書士を目指し、どのような司法書士になっていきたいのか、という点については、常に、とても強い興味を抱いているところでありました。というわけで、このアンケートにつきましては、個人的には見逃すことの出来ない貴重なデータであります。
アンケートの対象は、平成16年度司法書士中央新人研修に参加した新人846名であり、回答率は688人(8割強)ということでありますから、この調査結果はとても意味のあるものであろうと思います。
最も興味深かったのが、『目指す司法書士』についてであります。74.9%の方が特定の業務に特化しない「ジェネラリスト」と回答しており、「登記業務スペシャリスト」という回答が10.9%、「裁判業務スペシャリスト」という回答が7.4%、「企業法務」という回答が0.7%、「オールラウンド」という回答が3.1%となっています。
アンケート用紙を見ていませんので間違った認識になってしまうかもしれませんが、「ジェネラリスト」とは広範囲な知識・技術・経験をもつ人という意味であり、「オールラウンド」とは万能という意味でありますから、その差異は、前者は「広く浅く」、後者は「広く深く」というスタイルを想定しているものと考えられます。(間違っていたらどなたかご指摘ください。)
仮にそうであるとしたら、圧倒的多数を占めた「ジェネラリスト」というのは、よく言われる「身近な法律家」というイメージと重なるのではないかと考えています。
私の個人的な意見としては、「登記についての専門性を持つことは大前提であり、それに加え、他の一定の分野(裁判でも会社法でも)における専門性を持つことが肝要。そのうえで、より広範な分野についてもカバーできるオールラウンドを目指すべき」といったところでしょうか。
いずれにせよ、今後の新人研修等のカリキュラムについては、この結果を踏まえて大きく変更していく必要があるのではないでしょうか。
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