司法制度改革の時代を司法書士として生きる!
〜全青司活動現場からのレポート〜




第3回代表者会議「金利問題を市民運動としよう!」 (平成17年10月17日)

1.第3回代表者会議(金利問題を市民運動としよう!)

(1)平成17年10月15日(土)、16日(日)の二日間にわたって、東京において本年度第三回目の代表者会議を開催させていただきました。
 第一回目の代表者会議のテーマは「当番司法書士制度の構築に向けて」、第二回目のテーマは、「体験ADR」でありましたが、今回は、金利引き下げ運動についてであります。
 開催目的としましては、「代表者が一堂に集う場所において、この問題の第一人者を一同に集め、現時点での最先端の議論や問題点を勉強し、金利問題への関心を一層深めてもらう機会とする。 また、時期的にいよいよ具体的な運動が本格的に動き出す頃であるので、先の名古屋集会等のノウハウをマニュアル化して提供し、全国各地で地元議員と一般市民を取り込んだミニ集会の実施を宣言する場としたい(中里功常任理事)。」というものであります。

(2)稲本信広消費者問題対策委員会委員長(熊本会)からの趣旨説明に始まり、日司連の消費者法制検討委員会の委員として日司連の意見書を担当した中里功常任理事(静岡会)による論点整理という順序で本題に入りました。
 その後、村上美和子副会長(東京会)による、高金利引き下げを求める全国連絡会(代表幹事 宇都宮健児弁護士)における活動の現状についての報告がなされ、前川きよしげ参議院議員からは、国会の動きについての報告をいただきました。

(3)次に、日弁連の韓国視察報告と今後の運動論について、木村達也弁護士にお話いただきました。韓国の事情につきましては、先般名古屋で実施した金利引き下げシンポジウムにおいても報告がされているところです。このレポートも是非参考にしてください。
 このような運動について、「長期戦はダメ。なぜなら、議員もマスコミ担当者も変わる。理解のある議員、マスコミのいる間に短期決戦が大事だ。」とのまとめについては、クレサラ問題に長年関わってきた木村弁護士ならではの説得力に満ちたものでありました。
 ところで、全青司においては、先般の衆議院選挙に関して、全候補者について、金利の引下げに関するアンケートを行いその集計を終えています。結果については、全青司のHPもご参照ください。 この結果を見ますとほとんどの候補者が「金利は引き下げるべき」との回答をされています。にもかかわらず、「情勢は厳しい」とするクレサラ対協執行部の意図するところはどのようなことなのでしょうか。
 この点につき質問させていただいたところ、『この問題に関する決定権を持つ地位にいる重要人物は「慎重に検討すべき」としており、この問題に無関係の議員が引下げと回答しているにすぎない。したがって、そのような議員は、議決権行使の場において引下げとの主張を貫くことができるかどうか疑問である。』という趣旨の回答をいただいております。
 そうであれば、ますます「金利問題を市民運動とする」意味の重要性が明らかになるのではないでしょうか。

(4)その後は、金融庁貸金業制度等に関する懇談会での議論についての報告を、新里宏二弁護士にしていただきました。
 そもそも懇談会のメンバーがどれだけ現場を知っているのか疑問であるという意見については、まったく同感であります。
 当該懇談会における業界側の要求は、@グレーゾーン金利がビジネスモデルとして、また、投資の対象として極めて不確定であることを理由とする金利の一元化、Aみなし弁済規定の要件緩和として、IT化法の対象にすること及びリボ払いにおける17条書面のうち「返済期間、返済回数」を記載することの除外、B出資法上限金利を40%に引き上げ、であります。 また、懇談会における論点を整理すると、@多重債務者対策としての金利の引下げの是非、A個人・法人・貸付金額ごとに金利規制を定めることの是非、Bヤミ金融対策としての金利引き上げの是非、C中小貸金業者対策としての金利の引き上げの是非、D銀行並みの優良資金業者を「特定貸金業者」として、金利の規制の緩和の是非、Eみなし弁済規定について、F特例金利(日掛け等)存続の是非、Gその他として、保証人、保証料、公正証書問題となっています。
 一方、当該懇談会においては、クレサラ被害者の会の声も聴いていることもあり、両者の主張は大きく隔たりがあることから、まとめようがなく、両論併記にならざるをえないと思われるとのことであります。
 他方、銀行とノンバンクの融合が進む現在においては、銀行の動きに注目する必要があるとの指摘がなされています。銀行の責任は極めて大きいと思われます。今後、銀行に対してどのような理論によって対抗していく方法が有効なのでしょうか。是非とも、皆さまのお知恵をお借りしたいところであります。
 最後に、新里弁護士は、この運動の意味について、「単に金利引き下げということだけではなく、利息制限法の趣旨を現実化するための運動である。暴利を許さないというこれまでの最高裁の判断の歴史を考えれば、不可侵である消費者の権利の実現であるともいえるのではないか。」と総括しております。まったくの同感であります。
 なお、平成17年11月14日、対シティズ最高裁裁判において口頭弁論期日が指定されており、争点のうち、期限の利益喪失約款の部分で上告受理されているとの報告がありましたこと付言しておきます。

(5)引き続き、熊本クレサラ日掛被害をなくす会の事務局長の吉田洋一氏から、これまで日掛け業者の被害救済にかかわっている立場から、今後の運動論についてのお話をいただきました。吉田さんは、新里弁護士から報告のあった上記懇談会においても、被害者の立場から発言をされています。
 それまで、このような問題について決して近い立場ではなかった吉田さんが、なぜ、現在ここまでこの運動にのめり込んでいるのか・・・・その思いが多くの参加者に伝わり、改めて原点を確認するきっかけになったことだろうと思います。

(6)今後の運動論〜全国各地で議員を巻き込んだミニ集会を開催しよう!!〜各地の取り組みの報告(ミニ集会の進捗状況)については、静岡、長野、石川などの先駆的取り組みについての報告がなされました。
 静岡青司協においては、政治連盟役員の協力を得て政治家へのアプローチし、「タウンミーティング」を行う予定となっています。各政党の反応も悪くなく、概ね目処がついた状況であるとのこと、期待したいと思います。
 長野においては、和田洋子幹事により、地方議会への請願活動についての報告がされました。これは、地方自治法99条に基づくものであります。ポイントは、紹介議員の確保ということであります。現状では、ヤミ金対策法のときよりも議員の理解を求めるのが困難かもしれないが、引き直し計算書を資料として説明することによって、ほとんどの議員は理解を示してくれるとのことであります。
 最後に、石川からは、利息制限法の引下げまで踏み込んだ意見書について、すでに多くの市長議会が採択をしているという現状とその具体的なノウハウが報告されました。
 この石川のノウハウにつきましては、「高金利引下げを実現させる県民集会」というタイトルの冊子にまとめられております。代表者の皆さまには一部づつ配布させていただいておりますので、是非、地元ではこれを参考にしていただきたいと思います。

(7)最後になりましたが、全青司だけでなく、日司連等の今後の予定を告知しておきます。

@平成17年11月19日(土)東京にて日弁連主催のシンポジウム。全青司常任理事の中里功会員もパネラーとして参加します。

A平成18年1月21日(土)大阪にて日司連主催のシンポジウム。これは、全青司常任理事の中里功会員が日司連消費者法制検討委員会の中心となって企画しています。

B平成18年1月28日(土)、29日(日)東北にて全青司主催のシンポジウム。これは、全青司消費者問題対策委員会委員長稲本信広会員が中心に企画しています。

 もちろん私はすべてに参加させていただきますが、皆さまも、是非、いずれかにご参加いただきたいと考えています。    

 


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