司法制度改革の時代を司法書士として生きる!
〜全青司活動現場からのレポート〜




全青司消費者問題実務研修会『保証料問題を中心として学びそして考える』(平成17年11月30日)

 1.全青司消費者問題実務研修会『保証料問題を中心として学びそして考える』

(1)平成17年11月27日(日)、日司連ホールにおいて、標記研修会を実施いたしました。この問題は、個人的にもとにかく早くから取り組む必要が高いと認識しており、本年度の事業計画案にもあげているところであります。
 まずは、消費者問題対策委員会、委員長の稲本信広会員(熊本)の趣旨文を引用いたしますと、「高金利問題の中で比較的焦点にされることのない「保証料問題」。平成15年7月18日最高裁により判断された「保証料はみなし利息」により、「保証料」名目を利用した多くの利息制限法潜脱行為が防げるかと喜んだのも束の間、完全別法人を立てての保証料名目の利息制限法潜脱行為が横行している現状がみられます。今後、平成16年2月20日最高裁判決並びに三洋信販最高裁訴訟等によりみなし弁済が認められなくなったとしても、貸金業者はこの「保証料」を盾に利息制限法を超過する金銭をとるという営業形態にスライドしていく可能性も否定できません。
 高利貸しの要求する保証会社の「保証」が法的保護に値するのか、その際にまで保証人をつけることの法的正当性に焦点をあて法的な対処方法につき研修を行い、合わせて保証制度の見直しを実現するための集会を開催します。」ということであります。

(2)第1部は実務研修会であります。トップバッターは、伊澤正之弁護士に「将来収入を担保にとるのが高金利」というテーマで講演をお願いいたしました。
 今般の研修会は、「保証料」の問題に焦点を絞ったものでしたが、そもそも、「保証」という問題で考えれば、いわゆる保証人被害の問題も大きなテーマであります。
 実際に、日弁連消費者委員会での破産記録の調査、どういう経緯で破産したかの調査によれば、生活苦や低所得が最多であるようですが、4分の1程度が保証人になったことから破産を余儀なくされているようです。また、ドイツの公正証書作成の現場の視察や商工ローン弁護団としての活動の現場からの先生のお話は、たいへん説得力に富むものでありました。フランスにおいては、保証人保護が法律によってなされており、ドイツにおいては、判例法理によって保護されているとのことであります。保証料の問題に関しては、ロプロ最高裁判決の射程についての問題があり、無関係な保証会社である場合、最終的には法改正による解決しかないとの意見をいただきました。

(3)引き続き、「保証料訴訟の理論展開」というテーマで宮田尚典弁護士(宮崎県弁護士会)による講義であります。
冒頭においては、営利目的の保証と個人の無償の保証との区別が大前提である点が確認され、利息制限法は「制限」であり「基準」ではない点が指摘されました。つまり、利息制限法3条等の規定は例示にすぎず、条文に規定のない点は制限する方向で解釈すべしということであります。
 ところで、出資法によりますと、5条7項によって、「金銭の貸付けを行う者がその貸付けに関し受ける金銭は、礼金、割引料、手数料、調査料その他何らの名義をもつてするを問わず、利息とみなして第1項及び第2項の規定を適用する。貸し付けられた金銭について支払を受領し、又は要求する者が、その受領又は要求に関し受ける元本以外の金銭についても、同様に利息とみなして第3項の規定を適用する。」とされております。この「要求する者」には、保証会社も代位弁済による求償権の行使が予定されている者であることから、たとえ別法人であってもこれに該当すると解釈すべきとの主張がなされているところです。
 一方、利息制限法によれば、第3条において、「前2条の規定の適用については、金銭を目的とする消費貸借に関し債権者の受ける元本以外の金銭は、礼金、割引金、手数料、調査料その他何らの名義をもつてするを問わず、利息とみなす。但し、契約の締結及び債務の弁済の費用は、この限りでない。」とされており、「債権者の受けるものとは、債権者が自らに帰属するものとして交付を受けるものであることを意味している」という考え方があるようですが、宮田先生は、これは重大な誤りであると指摘されます。
 すなわち、利息制限法3条但し書きによって、契約の締結費用等のように第三者に帰属するものとして債権者が受け取る費用(印紙代であれば国、公正証書作成費用であれば公証人が受領すべきもの)であっても「みなし利息」に該当するが故に、敢えて例外とする規定を設けたのであると、喝破されました(最高裁昭和57年12月21日小法廷決定参照)。 
 また、保護すべき保証料というのは、@債権者以外の信用保証機関が債務者から収取するものであって、A債務者の信用が補完されて借りやすくなるという利益の対価をなすもの、でなければならない(法学教室NO.282、45頁)という点からも、日掛け業者等の保証会社による保証料は保護すべきでないことは明らかでありましょう。

(4)最後には、「保証料被害の悲惨な実態」というテーマで、熊本日掛け被害をなくす会の吉田洋一相談員による講義をいただきました。相談員として多くの相談を受けている現場からのレポートということで極めて説得力に富むお話でありました。また、参加された金融庁主催の懇談会において、参加者が保証料という言葉すら知らなかったという事実が印象に残りました。

(5)第2部は、コーディネーターを稲本信広委員長がつとめ、パネラーに伊澤正之弁護士、宮田尚典弁護士、吉田洋一相談員、そして榛葉隆雄司法書士(静岡会)を交えてのパネル・ディスカッションであります。以下ランダムに印象に残ったコメントを・・・
@日掛け業者に関する「坂野論文」は、業者が社会的に意義があると主張するが、サンプルの抽出方法自体も誤っている完全な方便である。
A個々の日常業務において、ひとつひとつつぶしていくこと(業者に保証料を認めさせないこと)が重要
B保証会社だから貸金業規制法の直接は適用ないと解されたとしても、代位弁済すれば債権を譲り受けたものとして規制されるべき。監督官庁がないというのが問題。
Cこの問題が解決されても、次は媒介手数料の問題が残る。ドイツではこの手数料もみなし利息として規制している。
D債務者が現実に利用できる金員のみを基準とする、という立法化が理想。
E被害例を救いあげ集積し法改正に繋げることが求められている。

 今後の継続した議論・実践・研究とその成果を期待したい分野であります。


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