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虫の羽音がふいにメランの聴覚に飛び込んできた。 裏庭に面した障子の開いた隙間から月光が差し込んできている。 そして、そこにパイオンの気配があった。 もぞっ…と布団から這い出して、メランは縁側を隙間から覗いた。 パイオンが、そこにいた。 月明かりに照らされた銀灰の銃剣士の姿から、メランは目が離せなくなってしまった。 「いつになく月が輝いていたので眺めていた」 振り返りもせずにパイオンは呟いた。 バレてる…。 メランは障子を開けてパイオンの隣りに腰掛け、今見たものを口に上らせる。 「そんな月の恩恵を受けて君はさらに輝いて見えるような気がする」 ゆっくり振り返ったパイオンの金色の眼は、 メランを真っ直ぐに見つめた。 「ではおまえは、月を映す夜の泉だ」 「パイオン…」 「もう黙れ…」 「あ…」 「……」 「…すまん、メラン…俺は…」 「謝る必要は無い…」 「…いいのか…本当に…」 「…ああ…」 |