| 国民投票法 |
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国民投票法案公開討論会 開かれる(06/02/27 記) 06年02月26日 山西福祉記念会館にて 会場はメディア関係者も多く、150人くらいの参加者で満員でした。 |
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無視はできない国民投票法案、全政党の憲法調査特別委員会理事と委員の参加を得て、大変活発な意見が飛び交いました。ホットな話題をかいつまんで要約して、吉本のメモからお届けします。 ★パネリスト 中山太郎(衆議院憲法調査特別委員会委員長) 船田元(自民党、同理事) 枝野幸男(民主党、同理事) 斉藤鉄夫(公明党、同理事) 辻元清美(社民党、同委員) 笠井亮(共産党、同委員) 小林節(慶応大法学部教授) 折田泰宏(弁護士、住民投票フォーラム共同代表) ★コーディネーター 今井 一 |
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おもしろかった主な論点 論点1.国会法の改正、国民投票法の制定など憲法改正の手続法の制定・整備についてどう考えるか? 枝野氏(民主) ほとんどの国民は、国会議員の3分の2で国会が発議したら決まってしまうと思っている。そうではなくて、国民投票で国民が憲法を変えることにイエスと言わなければ改正できないのだということがまだまだ知られていない。 国民投票法を作ることによって、本来あるべき国民主権=国民が政府をコントロールしていくことができる仕組みなのだという、国民主権の本来の意味を知るきっかけ作りにすることができるんじゃないかと思う。 辻元氏(社民) 過去の歴史を見れば、例えばドイツでは、オーストラリア併合を問う国民投票でナチスが圧倒的な国民の支持を受けた例もある。ポピュリズムの危険性があるということで、ヨーロッパではとても慎重だ。 憲法調査委員会で、ヨーロッパに視察に行くまではたくさん事例があるのかと思っていたが、憲法改正の国民投票はそれほど事例は多くないことがわかった。しかも全面改正ではなく、ごく一部の部分改正がほとんどだ。 枝野氏(民主) 憲法改正の手続法としての国民投票法と別に、諮問的な国民投票法を同時進行で作って見てはどうかと提案している。憲法に順ずる法律などは国民投票にかけてみてはどうか。例えば、皇室典範の方がもっと急ぐ事例だろう。例えばスペインでは同じような課題で国民投票にかけた。王位継承問題は憲法に書いてあるのが望ましいのではないか。 船田氏(自民) 一般的国民投票制度は憲法に認められていないから、そんなものを作るなら、まず憲法を改正しなければならないだろう。民意をどう反映させるのかという意義はあるが、今は憲法改正に限定すべきだろう。 (発言者 不明 会場発言だったかと思います) 国民投票をしようと思えば、憲法を改正しなければならないといいますが、諮問型だったら改正しなくてもできます。憲法上、立法権は国会にあるので、国民投票法を作っても良いし、諮問的国民投票でも良い。 今井氏 フランスとオランダで、EU憲法の是非を問う国民投票が実施されました。法的拘束力がなく諮問的国民投票でしたが、「10ポイント以上の差が出たら、民意に従う」という約束をして実施した。その結果、大差がついたので、議会は、議会の決定とは違う民意に従った決定を行いました。 笠井氏(共産党) 法案提出の狙いというものがある。公正なものができるのかどうか、もし、まともなものができたとしても、今現在、ビラをまいただけで逮捕されるというような状況がある中で、公正な運動ができるのか疑問だ。まず、こうした状況を変えねばならない。 |
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論点2.一括投票か? 個別投票か? 斉藤氏(公明) 公明党は加憲方式なので、個別になる。一括で全てを判断するのは難しいだろう。最初は1つか2つかで、長い時間をかけて議論していくべきだろう。与党案を参考にしながら柔軟に対応していきたい。 船田氏 原則個別発議を考えている。そういうくんじ規定を国会法の中にきちんと書くべきだろう。ただ、改正案の内容が非常に少ない場合は一括、一問だけで済むことがあるかもしれない。設問が10も20もあったら国民が困ることになる。原則個別だが、関連があるものは束ねる必要があるかもしれない。 ただ、9条と環境権をまとめて聞くようなことはやめたい。違う内容、別個なものをくっつけて設問するような言はやるべきでない。 中山氏 EUでは、全有権者に447条の論点がある憲法を全部送付した。その結果、有権者はたくさん棄権した。あまりにもたくさんの項目をすべきではないだろう。 枝野氏 唯一、一括投票をする必要があるのは、新憲法の制定をする場合だ。しかし、一括投票すればするほど、反対票が多くなる。考えればわかることだが、3つまとめて聞けば、A B C の中で、Cには反対だから、反対だとなる。 笠井氏 自民党は、「新憲法」の制定をすると言っている。しかし、新憲法というのは、体制が変わるときにできるわけでそれはおかしい。全面改正すると言うのなら、個別投票でやっていくというのはおかしいだろう。 辻元氏 全面改正的な発想は、今の日本国憲法は想定していない。9条が憲法の骨になっているので、9条を変えるなら前文を変えないといけないし、あちこち変えないといけなくなってくる。そもそも憲法の成り立ちから考えて、9条を変えたら、個別的改正ではすまないだろう。 フランスの憲法改正も、大統領の任期を短くするとか、部分的な改正でしかない。スペインなどは27年間も議論しているが、まだ改正できないと言っている。 枝野氏 全面改正はありえない。憲法改正発議には国会議員の3分の2の賛成が必要だから、自民、公明、民主党の3党が一致するには、個別的に合意できたことしか発議できない。全面改正するなら、僕は1院制にこだわるが、そんなことは参議院で発議されないから無理だろう。 |
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論点3.国民投票運動の規制はどうすべきか? メディア規制はどうすべきか? インターネットの規制はどうすべきか? 船田氏(自民) 人を選ぶ選挙と、憲法に対する判断を問う国民投票とは違うから、ある程度メディアに任せて良いだろう。 今井氏 前回の慶応大学での公開討論会で、「虚偽報道についてはとり取り締まる必要がある」と保岡氏が発言したが、その後「ゼロベースで考える」と発言した。報道規制についてはしないのか? 船田氏 考え方は変えてきている。 斉藤氏(公明党) 最小の規制は必要だろうと考える。 小林氏 今の船田さんの発言は、「規制はありえる」と留保をしたものと受け止める。それなら「虚偽報道とは何か?」ということをはっきりさせておいてもらわないと困る。はっきりさせずに「虚偽報道として罰する」というのはやるべきでない。 船田氏 実際にこれまでの選挙のときの虚偽報道の例では、人に関わる報道なので経歴詐称などの問題があった。しかし今回は対象が法律なので、なくす方向だ。 辻元氏 あと「公務員の運動を規制するのかどうか」という課題がある。私は公務員が運動に参加してキャンペーンをするのは、自由にすべきだと考える。一人の人間として当然だと思う。 また、スポットCMについては、ヨーロッパの視察に行ったときも、どこの国も悩んでいた。一つの工夫として、コマーシャルでスポットを流すについてはスポンサーがどこかを明らかにせよという意見もあった。お金があればいくらでもできるじゃないかという指摘もある。慎重な議論が必要。 会場から発言 インターネットの規制をどうすべきか? インターネットの規制をどうすべきかということが大きな問題だと思う。 枝野氏 インターネットについては現実に、規制のしようがないだろう。 斉藤氏 公明党は公職選挙法自体を変えようと提案している。メディア規制は、基本的に自由にしたら良い。外国人の運動は当然認めよう。統治機構に関わらないところでは選挙権を認めても良いのではないかと言う方針だ。 枝野氏 スイスでは政治的メッセージはスポットCMで流してはいけない。フランスでは1週間ほど前からスポットCMを流してはいけないと決めている。 辻元氏 テレビは社としての意見表明はできない。だが、賛否両論について議論する場を提供して行くべきだろう。 今井氏 この件でメディアの人を国会に呼んで話を聞くようなことはしないのか? 中山氏 国会で、遠くない段階で、そういう人を呼んで話を聞くつもりでいる。 船田氏 先ほどの運動主体を制限すべきかどうかというのは、できるだけ制限なしで良いと思う。ただ、特定公務員として強制力を持っている人、例えば警察官、公安委員、裁判官など強制力を持っている人は規制はいるだろう。公選法で、教育者がその地位を利用して運動してはいけないとなっていることで、国民投票ではどうするかというところでは、与党案はダメとなっているが、私はもう少し柔軟に考えても良いと思っている。 辻元氏 しかし、取締りは誰がするのか?と考えれば、権力をもっている側が取り締まるわけで、権力の乱用を防げない場合が出てくるのではないか。 船田氏 誤解がないようにお願いしたいのは、私が言っているのは、国民の自由な議論がすすむのを阻害するような力を規制するために、一定の縛りは必要と考えているということだ。 (中略) 笠井氏 国民の側から、憲法を変えなきゃいけないという機運が出てくるのが大事なのであって、国民に憲法を周知するという発言だったが、そもそも国会から変えようというのが出てくるのがおかしい。国民から見ると、降ってわいた話になってしまう。国会でつくったものを、国民に知らせて、投票するというのは、おかしいのではないか。 今井氏 今の国会議員で憲法改正案を発議することにはならないと僕は思う。あと何度かの選挙をやってのことになるだろうから、今後の選挙について憲法改正を選挙の争点にすべきでないのか。 枝野氏 憲法改正を選挙の争点にしたら、ずっと3分の2はとれない。争点にすべきではないと僕は思う。 辻元氏 現実政治としては、採決において党議拘束をかけるのかどうか。個人の判断と党議拘束との関係を考えても、「3分の2で発議」ということを議会性民主主義との関係の中でどう考えるべきか、難しい問題がある。 小林氏 さきほどの共産党の笠井さんの発言だが、民意、民意と言っていたら、代議士は要らない。市民が気づかないことに気づいて日常的な政策課題とは違う、根本の政治的な課題に取り組むのが代議士の務めだ。代議士たちの責任において考える。民意がないといって逃げないで、ぜひ、共産党さんにも議論の土俵に乗ってほしいと思う。 |
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折田氏(弁護士) ●9条を改正をしたら、現実はどう変わるのか? ということを国民は知りたいと思っているはず。そのあたりが、選挙広報の中できちんとはいるのか。国民にわかりやすく具体的に書いて示されるのか? 中山氏 戦後の日本は、原則非武装、自衛権を放棄している。現実と憲法との乖離というものを考えてほしい。矛盾しているんですよ。国会で議論してきめたことに従うのが民主主義ですから。私は戦争を知っていますから戦争に対する恐怖は大きい。今のうちにきちんとルールを決めておかないと日本は変な方向に行ってしまう可能性がある。イラクを見たらよくわかる。世界は平和ではない。国民が安全に安心して暮らせるようにしなきゃいけない。 |
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★この他、投票率をどう扱うか? 投票できる年齢は20歳と18歳、どちらにするかなどについて議論しました。 議論は広範に及び、まだまだ抜けている点はたくさんありますが、要点はこの程度だったかと思います。 |
| 会議が終わって
ちなみに中山太郎氏は、1924年生まれ。いま81歳とのこと。「寝屋川の市会議員です」と名刺を渡したら、「寝屋川市の議員さんですか。もう亡くなりましたが、昔、僕の弟が寝屋川市の駅前で中山クリニックを開いていたんですよ。僕と弟と2人が医者になった。僕は小児科医でね。誰も小児科医にならないと思ったから、僕は小児科医になったんです。」と気さくに、まったくの威圧感なく、話かけてくれました。 なるほど。81歳、まだまだお元気です。それになにより懐広くおおらかで優しいのがいいですよ。反対派の言論を無理やり封じないのがいい。 憲法調査特別委員会は50人の委員がいて、48人が護憲派ではないのです。社民党と共産党は委員が1人ずつしか出せず、護憲派はわずか2人。理事も出せず、委員のみだとか。なかなか厳しい状況です。 それでも中山さんは言ってました。「大切な憲法だから、まだまだ議論に時間はかかりますよ」と。 |
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最後に感想を一言 この日の議論で私が一番聞きたかった答えは、折田弁護士が質問を投げかけたこと。 ●憲法を改正をしたら、現実はどう変わるのか? ということを国民は知りたいと思っているはず。そのあたりが、選挙広報の中できちんとはいるのか。国民にわかりやすく具体的に書いて示されるのか? この問いに対して各党がどのように考えているのか、はっきり答えて欲しかった。ここが見えてこないうちは、国民投票法がまっとうなものになるかどうか判断はできないと思います。国民にどこまで、具体的に、はっきりと説明して判断を任せるのか、ここが一番大事なポイントです。民主党の枝野さんが言うように、国民が本当に憲法を自分たちのものとできるチャンスになるというなら、具体的に「こうすればこうなる」というマニフェストをしっかりと作り、今度こそ、その約束を絶対に守らないといけません。 そもそもなぜ、護憲の立場に立つ私も含めて人々が「国民投票法」を信じられないのか というと、戦争放棄の憲法を持ちながら、憲法を無視して、世界第5位の軍事予算を使って軍隊を持っている政治を作ってきた政府与党が、またもや国民にごまかしの説明をして、マスコミに圧倒的に顔が出る回数が多い総理大臣のポストを利用して、テレビで連日連夜、パフォーマンス発言を繰り返し、国民を煽って興奮させていく作戦をとるのではないか。 という、過去の実績から推測される事態を否定できないからでしょう。 そして、やはり中山氏の発言は、全くその問いに答えていません。かなりすれちがった中身のない答弁をして終わりました。私の推測ですが、たぶん、どの政党もまだそこまで公の場で発言できるほどに、議論をしていないことが読み取れます。誰も積極的にはそのことに触れた発言をしませんでした。 憲法を改正をしたら、現実はどう変わるのか? 発議するのが代議士の責任と言うなら、しっかりと説明してもらおうではありませんか。 |