ようこそいらっしゃいました。このページは菌糸ビンでクワガタの幼虫を飼育してみようと思っている方のページです。菌床飼育の醍醐味は短期間で大きな成虫が得られることです。決して難しいものではありませんからぜひ、チャレンジしてください。





1、菌糸ビンとは・・・

菌糸ビンはクヌギやナラ、ブナなどの広葉樹の木粉(オガコ)をベースにさまざまな栄養物を加えて菌糸を培養したもの(培地といいます) をビンに詰めたものです。(あるいはビンで培養したものです。
代表的なのはヒラタケです。ヒラタケの種類は大変多く、全世界で数百種類に上るといわれています。 オオヒラタケやアワビタケなどもこの仲間に入り、一般的に売られている菌糸ビンは雑菌に強いものが使われています。 菌床ビンを使用した幼虫は成長がとても早く、また他の飼育方法よりも総じて大きな成虫を得ることができます。 オオクワガタのオスで70ミリオーバーの特大サイズも夢ではありません。しかしながら羽化不全や蛹化不全の発生の頻度が ほかの飼育法(材飼育・発酵マット飼育)よりも高いのが難点です。



2、基本的な飼育のポイント
・飼育ビンは、夏は涼しく(28度以内)、冬は暖かい(15度以上)ところに置いてください。

・気温20〜25度が最適です。激しい温度変化や30度以上の高温状態が続くと菌床が発酵したり死滅することがあります。

・激しい温度変化が劣化を早めます 菌糸ビン飼育のポイントは温度管理です。温度を一定に保つための工夫をしましょう。

ビンに直接、光を当てないようにして下さい。 出来るだけ温度変化の少ない暗い静かな場所が良いです。
幼虫は光に反応し、暗くしておかないと潜ったまま壁面に出てこなくなります。明るい場所に置くときは、
ビンの周りを新聞紙などでくるんだりして暗くしてあげましょう。

・菌床が劣化してくるとビンの底に水が溜まることがあります。放置すれば幼虫や蛹が重大なダメージを受けることがあります。
ビンの内側に水滴がついてきたら、チェックして下さい。ビンの底に水が溜まったらビンを逆さまにして底に溜まった水分を切ります。

・飼育ビンを振ったり叩いたりしないで下さい。ビンごと硬い床に落としてしまうと内臓破裂などで★になることがあります。

・安易に掘り返したりしないようにしましょう。 幼虫飼育を始めた頃、死亡させる原因で1番多かったのは
ビン交換で掘り返す際、傷をつけてしまうことでした。




☆★☆菌床飼育Q&A☆★☆


Q;菌糸ビンで飼育できるクワガタの幼虫は?
A;一般的にはDorcusと呼ばれるオオクワガタ、ヒラタクワガタ、コクワガタ(といった黒くて平べったいタイプ)の幼虫の飼育に使用します。これらの種は長生きしますし、繁殖も容易なので予算と相談して無理のない飼育をしましょう。

Q;菌糸ビンはどうやって入手するの?
A;インターネット上で菌糸ビンを販売されている方はたくさんいらっしゃいます。「クワガタ」や「昆虫」などで検索してみましょう。よく「○○の菌糸ビンは死亡率が高い」とか「××のビンは大型ができる」ような話を耳にしますが、あまり気にしないように・・・ビンの種類よりも温度管理やビン換えのタイミングに気を使います。ご自身の幼虫と予算と飼育環境をチェックして下さい。その上で販売業者の方と相談してみましょう。「予算はいくらで○○の幼虫に使用し、飼育温度は大体何度」等を伝えて、きちんと答えてくれる販売業者を選びます。

Q;どのくらいで成虫になるの?
A;温度管理や菌床の状態、親の育った環境等によって大きく変わってきます。恒常的に24度前後で♀で6ヶ月、♂だと約10ヶ月かかります。

Q;初令幼虫でも菌糸ビン飼育大丈夫?
A;初令幼虫をいきなり300ccを超える菌糸ビンに投入しないほうが無難です。100cc程度で水分量のやや多めの菌糸カップをお奨めします。右図は愛用の110cc菌糸プリンカップです。これで孵化したての初令幼虫を2令後期まで十分飼育できます。作り方はいたって簡単。未使用の菌糸の培地を消毒したスプーンなどで硬く詰めるだけでOK。ふたをして(20〜25度で)5日ほどで使用できます。

Q;1週間たってもビンに何の変化もない…
A;菌糸ビンに2令以上の幼虫を投入して1週間で約半分の幼虫がビンの壁面に「窓」を作ります。「窓」は幼虫が菌床ビンの中を動き回り、ビンの底や壁面に達したときできます。1ヶ月たってもまったく「窓」が出来ない場合もあります。(4ヶ月間、まったく「窓」が出来ないで羽化したケースがありました。)しかしながら、なかには菌糸ビンとの相性が悪く死んでしまうケースもあります。

Q;菌床の表面に青カビが生えてきましたが…
A;劣化の初期症状です。あまり神経質になる必要はありませんが、どんどん下のほうへ広がっていく様でしたらビンを交換したほうが良いです。幼虫は青カビを嫌いますので、フォークなどで掘り返してエタノールを軽く(幼虫に)噴霧してからビンを交換してください。

Q;表面から、きのこが生えてきたのですが…
A;温度変化や時間の経過とともに菌糸ビンは劣化が進み、きのこが生えてくることがあります。フォークなどでむしりとってください。

Q;飼育ビンは1本で足りますか?
A;オスの場合、900ccビンでは3〜4本 メスは2本は必要です。

Q;2本目の菌床ビンは1本目と同じ種類の菌床にするのが良いと言われているようですが・・・
A;データをとってないので断言できませんが、ビンの(菌床の)種類を替えて★になったのもいれば予想以上に大きくなったケースがあります。

Q;飼育ビンからマット飼育や材飼育に変更したいのですが…
A;可能です。かえって羽化不全や蛹化不全の確率は減るでしょう。しかしタイミングにもよりますが、縮む可能性が高くなります。(経験済みです)特大サイズは期待できないのでは…「何としても羽化不全させたくない!」のでしたら終令になってからチャレンジしてはいかがでしょうか?

Q;菌床の白い部分が少なくなってきましたが…
A;幼虫が食べたり、掘り返したりして環境コントロールをいるからです。幼虫は菌床の白い菌糸の部分を食べています。あまりいじらないように…白い(菌糸)部分が目に見えて減ったら(目安として70%〜80%なくなったら)交換です。又、ビンの底に水が溜まってきたり、3ヶ月以上飼育に使用した場合、白い部分が多く残っていても交換します。

Q;ビンを交換したら幼虫がビンの中にに潜っていかないのですが…
A;F1幼虫(天然の子)や発酵マットや材飼育で累代飼育された幼虫は、新しい菌床に馴染めない場合があります。潜っていくのを待つしかありません。元のビンの食いカスを加えて人工的に生育環境を整えてあげるのが良いと思います。(詳しくは次ページを参照してください。)

Q;幼虫がビンの中をぐるぐる回っていますが…
A;終令幼虫であれば蛹の部屋を作ろうとしています。環境を整えようとしているのでしょう。この場合そのままにしておきます。気をつけなければいけないのはビン換えした直後のこのような行動は拒否反応を起こしている可能性があります。この場合は直ちに掘り出してもとのビンに戻します。見極めはちょっと難しいので経験を積んでいくしかないと思います。

Q;幼虫が部屋を作って動かなくなったのですが…
A;蛹になる準備をしています。この時期を「前蛹期」と言い、部屋を作って閉じこもり、餌をまったく食べなくなり、縮んでシワシワになってきます。そして仰向けになって直線的な姿勢をとり、蛹になってゆきます。

この時期は動かさないようにしましょう!


この時期にあまりいじると蛹化不全の原因となります。特に蛹化直後の観察等による振動で背中がつぶれると、羽化不全の可能性が非常に高くなり、今までの努力が水の泡になります。幼虫の体が黄色くなってきてしわが目立ってきたら、さなぎが近いので環境を整えてあげてください。ポイントは以下のとおりです。

ビンの置き場所=できるだけ振動の少ない温度変化の少ないところ

環  境    =暗いところ(ビンにアルミ箔や新聞紙を巻くと明るい場所でも可)

管  理    =何もしない(動かさない)のがBEST



<蛹化不全・羽化不全について>
順調に育っていながら最後の「大どんでん返し」の可能性があります。
蛹になることなく、あるいは前蛹の状態で真っ黒になって死んでいきます。
これを蛹化不全といいます。
無事羽化したものの上羽根がしわくちゃになったり、ひどい場合は羽根が閉じず、
短期間で★になる個体もでてきます。
これを羽化不全といいます。
ビンを管理している温度や水分量、酸素量などが適切でない場合、或いは「前蛹期」に
必要以上にビンをいじったりした場合に発生します。
又、幼虫自身の資質の問題などがあると考えられます。










Q;蛹の部屋からキノコが生えてきたのですが…
A;右図はちょっと心配な蛹の写真です。蛹室の上部が菌糸で白くなっているのが見えます。 この場合、急激な温度変化等によりキノコが生えてくることがあります。 キノコが成長してそのまま放置しておくと蛹室がキノコで一杯になり、蛹は死んでしまいます。 これを防ぐには早急に蛹を掘り出して人工蛹室を作って移してやります。


















Q;人工蛹室にチャレンジしてみたいのですが…
いたずらに蛹室をいじるのはいけませんが、蛹室にキノコが生えてきたり、ビンの底に蛹室を作った場合、 羽化不全をおこしやすくなります。これを防ぐために勇気を持って掘り出してみましょう。 左図は自ら考案した人工蛹室です。
ミニケースにマットを敷き、トイレットペーパーの芯を蛹室として利用し、上からラップをかけています。 蛹化してオスでは2週間、メスでは10日以上経ってから移動させてください。眼が黒くなった頃が目安です。 成虫サイズが75ミリを超えそうな超特大蛹ではトイレットペーパーの芯では小さいかも…キッチンペーパーの芯がお奨めです。 ポイントは芯を十分に湿らし、柔らかくすることです。















右図は餡蜜の容器を再利用した人工蛹室で羽化した直後のオオクワガタの写真です。

容器の底に濡れた新聞紙を丸め、上からティッシュをかけ、
ゴルフボールで形を整えた自慢の逸品?です(^^;;
上のティッシュを交換すれば何度でも再利用できますよ〜
この容器で80ミリを超える外国産ヒラタクワガタが問題なく羽化します。

















現在、巷で流行っているのがご存知オアシスを使用した人工蛹室です。ミニプラケースに入れ、 ラップをかけて使用しています。比較的簡単に管理できるので多くのブリーダーに愛用されています。 注意しないといけないのは羽化している最中に、オアシスの乾いた粉が上羽根に付着すると上羽根が まだらになってしまいます。













Q;人口蛹室における注意点を教えてください
・頭部を高くし、幅は寝返りがゆったり打てる幅(広すぎては寝返りが打てません)にします。
・オアシスの頭部は深くえぐって下さい。でないと羽化時這い上がってきてトラブルの原因となります。
・蛹、蛹室とも乾燥させないように注意してください。2〜3日に1度は霧吹きで加水してください。
又、水分が多すぎて喚起が悪いと腐敗菌などが発生し、トラブルの原因となります。
・蛹を掘り返すのは蛹化してオスなら2週間、メスなら10日ほどして目が黒くなってからにして下さい。
・羽化し始めたら湿度を下げる工夫をして下さい。

Q;羽化して体が黒くなってきたので外に出してあげたいのですが…
A;サイズにもよりますが、羽化してからメスで最低2週間、オスだと3週間は我慢してください。 自然界では硬い木の中から自分の角を使って出てきます。羽化して体が黒くなるまで1〜2週間、 外界デビューまで更に2〜3週間かかります。餌は(成虫は)羽化して2〜3ヶ月位は食べません。 (羽化から最初の食事まで、個体差が激しい為、平均的な期間として覚えておいてください。)

Q;外に出してあげたあとはどうするの…
A;餌は(成虫は)羽化して2ヶ月位は食べませんし、成熟するまで3〜6ヶ月 (あるいはそれ以上)かかります。飼育ケースにマットを埋めこんで昆虫ゼリーを与え、 時々チェックしながらそのまま待ちましょう。ケース内を乾燥させないように注意します。 餌を食べ始めるまではもちろん個室です。成熟前に一緒にするとオスがメスを攻撃したり、 早死にしたりすることがありますし、♂が♀に食われるなどのトラブルにみまわれます。 気長に待ちましょう♪





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