■プリギャップ(プレギャップ)、ポストギャップ、CUE Sheetについて

プリギャップ、ポストギャップはよく聞く言葉で、意味も簡単そうですが、少々難しいところもあります。
(ライティングソフトの取説も、この辺に関してはあまり詳しく書いてないことが多いです)
さらに、CUE Sheetも絡んでくると結構混乱してくることもあるかと思うので、ここでは個人的に調べたことを元に、その辺のことを書いてみたいと思います。

※ここに書いてあることは、ディスクアットワンスで記録された通常の音楽CDについてです。
※また、ソフトはCDRWINやExact Audio Copyを使うことを前提としている場合が多くなってます。






■一般的な音楽CDの構成

図1
図2
図3

上記の図は計3トラックある、通常の音楽CDを示したものです。
すべて同じディスクとします。ただし、図1より図2、図2より図3方が、より内容を詳しく示しています。


【 補足 】
CDによっては、プリギャップ、ポストギャップがないときがあります。
CDプレイヤーでトラックサーチしたときは、INDEX 1 の位置がサーチされます。
(これを忘れないように!)


■プリギャップに関することで勘違いしやすい(間違いやすい)点

各種ソフトで音楽CDをディスク単位でバックアップするときに、

 ●ギャップ検索
 ●ギャップ情報を取得する
 ●オーディオトラックから、サブチャネルデータを読む
 ●インデックス取出し


といった、音楽CDバックアップ時に関連しそうなオプションを、有効にしたとき有効にしないとき の違いが特に間違えやすいようです。

両者の違いはおおまかに言ってプリギャップ部がマスター通りに再現できるか?できないか?ですが、
さらに詳しく言うと、


プリギャップに関するオプション無効 のとき
→本来のトラック2のプリギャップ領域が、トラック1のおしりににくっ付き、トラック1の長さがその分長くなる。同じく、本来のトラック3のプリギャップ領域が、トラック2のおしりににくっ付き、トラック2の長さがその分長くなる。
(プリギャップがある場合)
プリギャップに関するオプション を有効にしてもしなくても、CD全体の曲時間の長さはどちらも(微塵たりとも)変わらない。(ディイスクアットワンス時)
プリギャップに関するオプション を有効にしてもしなくても、CDプレーヤーでトラックサーチしたとき、どちらも全く同じ位置でサーチされる。(サーチされるのは、INDEX 1です。INDEX 0ではありません)


さて、実際にCDプレイヤーで聴くときですが、「ギャップに関するオプション」を有効にしても無効にしても、(バックアップディスクを)CDプレイヤーで始めから通して聴く分には、聴覚上の両者の差はないと言えます。ただ、聴覚上はなくても、CDプレイヤーの時間表示は違ってきます。例えば、


ギャップに関するオプションを無効にして読み書きしたものは、トラック1からトラック2の切り替わりのところで
「4:56」 → 「4:57」 → 「4:58」 → 「4:59」 → 「0:00」 → 「0:01」 → 「0:02」

ギャップに関するオプションを有効にして読み書きしたものは、トラック1からトラック2の切り替わりのところで
「4:56」 → 「4:57」 → 「-0:02」 → 「-0:01」 → 「0:00」 → 「0:01」 → 「0:02」


といったことになります。

CD再生時に時間表示がマイナスになっているところは、プリギャップエリア(黄色のところ)です。






■音声付プリギャップについて

「プリギャップ部は無音」といった解釈が一般的かと思いますが、無音ではなく、プリギャップ部に意図的に音声を割り当てることも可能です。この辺は理解しにくいかもしれませんが、「ディスクアットワンスは一筆書き」ということを頭においておくと理解しやすくなります。

説明のために、もう一度上図を引用します。


図1
図2


例えば図2のようなCDでは、トラックで3つに区切られてますが、ライティングを行うときは図1のような感じで行う はず です。(トラックの位置情報はTOCやサブコードに記録されるため)
完全に一筆書きを行っているので、 完全無音部のプリギャップエリアのところも、音声データとして焼いている ということになります。

次にトラックの切り分け、プリギャップの指定ですが、INDEX 0 INDEX 1 の位置を任意の場所に指定することによって、ディスク上のすきな位置をすきな時間だけプリギャップ領域として指定できます。そこに音声があっても です。(この辺のことが、音声付プリギャップの原理です)



〜 CUEシートの例 〜
FILE "kakushi.wav" WAVE
 TRACK 01 AUDIO
 INDEX 01 00:00:00
 TRACK 02 AUDIO
 INDEX 01 01:09:05
 TRACK 03 AUDIO
 
 INDEX 00 05:14:45
 INDEX 01 05:16:05
トラック3の開始位置は5分16秒5フレームで、ディスク上の絶対位置の、5分14秒45フレーム〜5分16秒5フレームまでがプリギャップ部です
 TRACK 04 AUDIO
 INDEX 00 09:32:32
 INDEX 01 09:33:05
 TRACK 05 AUDIO
 INDEX 00 13:45:32
 INDEX 01 13:46:72
 TRACK 06 AUDIO
 INDEX 00 18:30:25
 INDEX 01 18:31:02
 TRACK 07 AUDIO
 INDEX 00 22:23:72
 INDEX 01 22:25:12
 TRACK 08 AUDIO
 INDEX 00 27:41:45
 INDEX 01 27:43:30
 TRACK 09 AUDIO
 INDEX 00 32:30:72
 INDEX 01 32:32:35
 TRACK 10 AUDIO
 INDEX 00 37:19:20
 INDEX 01 37:20:50
 






■隠しトラックについて

ここでいう隠しトラックとは、トラック1の開始位置の前の領域に音声があるCDをいいます。なお隠し部を再生するには、トラック1を巻き戻す必要があります。(トラック1を巻き戻せないCDプレイヤーもあるので注意)

上記の音声付プリギャップと似ています。


図4



ライティング時に トラック1にINDEX 0 を付加すると、トラック1のINDEX 0 〜 INDEX 1 の範囲が隠しトラックになります。
(通常、CDをプレイヤーで再生すると、トラック1のINDEX 1 以降が再生されます)



※青のところを、赤のように書き換えます
通常のCUEシート 隠しトラックを設定する
ためのCUEシート
補足説明
FILE "15min.wav" WAVE FILE "15min.wav" WAVE  
TRACK 01 AUDIO TRACK 01 AUDIO  
INDEX 01 00:00:00 INDEX 00 00:00:00
INDEX 01 00:10:00
このように書きかえることで
隠しトラックを設定可能
TRACK 02 AUDIO TRACK 02 AUDIO  
INDEX 00 04:58:00 INDEX 00 04:58:00  
INDEX 01 05:00:00 INDEX 01 05:00:00  
TRACK 03 AUDIO TRACK 03 AUDIO  
INDEX 00 09:58:00 INDEX 00 09:58:00  
INDEX 01 10:00:00 INDEX 01 10:00:00  
このようにCUEシートを書き換えて隠しトラックを設定すると、CDプレイヤーで聴いたとき、(元のCDにある)始めの10秒間があたかも消え去ったかのようになります。(いきなり1曲目の10秒後からスタート)




実際に隠しトラック入り音楽CDを作るときは、隠しトラックにしたいWAVEファイルと、1曲目のWAVEファイルを波形編集ソフト等でくっ付ける必要があります。そのきのCUEシートは、
(くっつけたWAVEファイル名が temp1.wav 2曲目のWAVEファイル名が temp2.wav の場合)

FILE "temp1.wav" WAVE  
TRACK 01 AUDIO  
INDEX 00 00:00:00 ←この行の数値は固定
INDEX 01 05:10:00 ←隠しトラックが5分10秒の場合
FILE "temp2.wav" WAVE  
INDEX 01 00:00:00  
.....以下続く  

また、隠しトラックを含むCDのバックアップはソフトが限られてきます。
(可能なのは、CDRWIN, CloneCD3,4, ExactAudioCopy, WinCDR7.52以降, CD Manipulator等々)



■隠しトラックのリッピング

CDRWINを使うことによって可能です。

※ドライブ依存度が高いため、使用しているドライブによってはうまくいかないかもしれません

※10秒ジャストの隠しトラックがあるCDの場合

通常のCDの場合は、↑の赤で囲んだところの数値が「000000」となりますが、隠しトラックがあるとここが「000000」とならず、隠しトラックの長さに応じた数値の情報があるはずです。この数値をメモしておいて、




↑の設定で吸えばOKです。(Endのところは、750から1引いた749を入力します)



■極めて特殊な例

サガフロンティアオリジナルサウンドトラック Disc3に隠しトラックがありますが、音声データが LBAマイナス領域にさしかかっています。そのため、バックアップはほぼ不可能。(リードのみならWinCDR6以前 + 特定のドライブで可能ですが)

これについては、特殊音楽CDのバックアップ を参照して下さい。

→WinCDR 7.52で可能になりました


図4
サガフロンティアオリジナルサウンドトラック Disc3の場合、リードイン直後の150セクタ部にも音声が入っています。
(通常この領域は使用されない)


CD-Ripper で隠しトラックのみのリッピング(LBAマイナス領域含む)が可能になりました






■ポストギャップについて

ここまできて、ポストギャップはどうなのか?と思われた方も多いと思いますが、ディスク単位(CD → CD)でバックアップするときは、ポストギャップはあまり気にする必要はありません。なぜかというと、(プリギャップと違い)ポストギャップはサブコードに記録されないからです。

※ポストギャップは、マスタリング時に設定はできますが、CDが焼きあがると、曲と一体化 してしまいます。

ギャップに関しては、サブコードに情報が記録されるプリギャップを使用した方がいろいろといいのではないか?と思いますが、(あとで曲の正確な時間が分かる、という意味で)以下のような条件が重なったときは、プリギャップではなくポストギャップを使用した方がいいかもしれません。

複数のCDからWAVEファイルを作成して、ベスト版CDを作る
トラック間にギャップを設定した方が、曲と曲の間に適度な間があって聴きやすい
ランダム再生をよくするが、使用しているCDプレイヤーが、ランダム再生には INDEX 1 〜 INDEX 0 を再生するので、プリギャップを設定してもあまり意味はない

※もし↑の意味がよく分からないときは、ベストCDを作るときはとりあえずプリギャップより、ポストギャップを使いましょう!



■その他のさらに詳細なこと


〜トラック単位でのリッピングについて〜
すべてのリッパーで確認したわけではありませんが、大体以下のようになります。

 CD2WAV32
 ExactAudioCopy
 nero5.5
 B'sRecorderGOLD3(5は未確認)


等々のソフトの場合

●デフォルト設定
INDEX 1 〜 INDEX 1 まで(B〜E E〜H H〜J )

●ギャップ除去のような意味合いのオプションを有効にしたとき
(※詳細未確認。あくまで一般的なときです。このようなオプションがないソフトもあります)
INDEX 1 〜 INDEX 0まで(B〜D E〜G H〜J )



 WinCDR6(EACでも、設定によって似たようなことは可能)

WinCDR6は極めて特殊です。以下のような吸い方になります。
(ただしドライブによるかもしれません。とりあえず、PLEXTORドライブでは↓のようになります)

デフォルト設定
INDEX 1 〜 INDEX 0まで(B〜D E〜G H〜J )
※エンドのINDEX 0がないときは、INDEX 0 → INDEX 1になります

プリギャップも吸う設定にしたとき
INDEX 0〜 INDEX 0まで(A〜D D〜G G〜J )
※エンドのINDEX 0がないときは、INDEX 0 → INDEX 1になります




図3
サガフロンティアオリジナルサウンドトラック Disc3の場合、リードイン直後の150セクタ部にも音声が入っています。
(通常この領域は使用されない)





■音楽CDを焼くときのCUE Sheetの例



基本型
ひとつのWAVEファイルから、
複数のトラックに区切って書き込む
FILE "TEST.wav" WAVE
TRACK 01 AUDIO
INDEX 01 00:00:00
TRACK 02 AUDIO
INDEX 01 05:00:00
TRACK 03 AUDIO
INDEX 01 10:00:00

トラックごとにWAVEファイルがある場合
FILE "Track01.wav" WAVE
TRACK 01 AUDIO
INDEX 01 00:00:00
FILE "Track02.wav" WAVE
TRACK 02 AUDIO
INDEX 01 00:00:00
FILE "Track03.wav" WAVE
TRACK 03 AUDIO
INDEX 01 00:00:00




PREGAP POSTGAP コマンドを使う
PREGAPコマンドを使う場合 POSTGAPコマンドを使う場合
FILE "TEST1.WAV" WAVE
TRACK 01 AUDIO
INDEX 01 00:00:00
FILE "TEST2.WAV" WAVE
TRACK 02 AUDIO
PREGAP 00:02:00
INDEX 01 00:00:00
FILE "TEST3.WAV" WAVE
TRACK 03 AUDIO
PREGAP 00:02:00
INDEX 01 00:00:00
FILE "TEST1.WAV" WAVE
TRACK 01 AUDIO
INDEX 01 00:00:00
POSTGAP 00:02:00
FILE "TEST2.WAV" WAVE
TRACK 02 AUDIO
INDEX 01 00:00:00
POSTGAP 00:02:00
FILE "TEST3.WAV" WAVE
TRACK 03 AUDIO
INDEX 01 00:00:00


※プリギャップを入れたいときは、"INDEX 0" と "PREGAP"の2つのコマンドがありますが、両者の違いは、

INDEX 0 イメージファイルの指定した範囲をプリギャップに割り当てる。
PREGAP 指定した長さのギャップを、イメージファイルに追加する。
そのため、"PREGAP"を使ったときは、焼いた後のデイスクサイズがその分増加する。("INDEX 0"を使えば、サイズは増加しない)
※"POSTGAP"を使っても増加します




その他の例
間違いなく音楽CDから抜き出したイメージファイルだが、
そのイメージファイルがWAVEファイル(*.wav)じゃないとき
FILE "TEST.BIN" BINARY
TRACK 01 AUDIO
INDEX 01 00:00:00
TRACK 02 AUDIO
INDEX 01 05:00:00
TRACK 03 AUDIO
INDEX 01 10:00:00
EACでは不可!CDRWINならできます
なんでもかんでもCD-DAとして焼いてしまいます。
場合によっては結構危険なので注意!!


【補足】 〜INDEXの後につく数値について〜
例えば INDEX 00:05:32 といったときは、0分5秒32フレームです(1フレーム = 1/75秒)


■グラディウスIIIオリジナルサウンドトラック

通常、CUEシートに使われるINDEXは"0"か"1"ですが、"2"以降の数値を割り当てることも可能です。
ただ、INDEX対応のCDプレイヤーがあまりないためか、INDEX 2 INDEX 3 等が記録されているCDはあまり見かけません。

手持ちのCDで確認したところ、コナミの1989年のアーケードゲーム、グラディウスVのサウンドトラックにINDEXが複数打たれていたので、ここで少し取り上げてみます。

このCDを持っている人は分かると思いますが、複数の曲をひとつのトラックに収めているので、CDプレイヤーでのトラックサーチが思ったようにできず、非常に不便に感じるときがあります。ここでは、その辺の対策も行います


CUEシート書き換え前 CUEシート書き換え後
FILE "GRA3.BIN" BINARY FILE "GRA3.BIN" BINARY
TRACK 01 AUDIO TRACK 01 AUDIO
INDEX 01 00:00:00 INDEX 01 00:00:00
TRACK 02 AUDIO TRACK 02 AUDIO
INDEX 01 04:30:62 INDEX 01 04:30:62
TRACK 03 AUDIO TRACK 03 AUDIO
INDEX 00 10:13:30 INDEX 00 10:13:30
INDEX 01 10:16:35 INDEX 01 10:16:35
TRACK 04 AUDIO TRACK 04 AUDIO
INDEX 00 17:02:07 INDEX 00 17:02:07
INDEX 01 17:05:02 INDEX 01 17:05:02
TRACK 05 AUDIO TRACK 05 AUDIO
INDEX 00 26:51:17 INDEX 00 26:51:17
INDEX 01 26:53:10 INDEX 01 26:53:10
トラックサーチできない→ INDEX 02 27:55:05 TRACK 06 AUDIO
INDEX 01 27:55:05
←トラックサーチ可能に!
TRACK 06 AUDIO TRACK 07 AUDIO
INDEX 01 29:36:37 INDEX 01 29:36:37
トラックサーチできない→ INDEX 02 31:05:07 TRACK 08 AUDIO
INDEX 01 31:05:07
←トラックサーチ可能に!
トラックサーチできない→ INDEX 03 32:59:35 TRACK 09 AUDIO
INDEX 01 32:59:35
←トラックサーチ可能に!
トラックサーチできない→ INDEX 04 34:58:07 TRACK 10 AUDIO
INDEX 01 34:58:07
←トラックサーチ可能に!
トラックサーチできない→ INDEX 05 36:59:57 TRACK 11 AUDIO
INDEX 01 36:59:57
←トラックサーチ可能に!
トラックサーチできない→ INDEX 06 39:10:40 TRACK 12 AUDIO
INDEX 01 39:10:40
←トラックサーチ可能に!
トラックサーチできない→ INDEX 07 39:26:62 TRACK 13 AUDIO
INDEX 01 39:26:62
←トラックサーチ可能に!
以下続く・・・ 以下続く・・・


上記のように、CUEシートをメモ帳等で編集することにより、INDEXで区切られたところをトラックで区切るようにすることも可能になります。

















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こんにちは。謎のダンサー2号です♪