映画「わたしのグランパ」撮影レポート
JAZZオーネットで映画ロケ!!
東 陽一監督、俳優の菅原文太氏・浅野忠信氏来る!!
●JAZZオーネットと映画「わたしのグランパ」
JAZZオーネットに思わぬ話が舞い込んできた。映画「わたしのグランパ」(原作・筒井康隆、監督・東陽一、主演・菅原文太)で、共演・浅野忠信氏(ジャズバーじゃすみんのマスター役)のスナックのロケ現場として使いたいという。「オーネットの店内イメージが映画の中の浅野忠信氏の役にイメージが合う」ということで白羽の矢が立ったのだ。期待が膨らまずにはいられない企画が飛び込んできたのだ。

●2002年10月21日月曜日、雨。
撮影当日、朝から雨。午前8時に撮影隊が到着。事前の打ち合わせで店の全てを知り尽くしているスタッフ達が次々と店内を撮影現場へと変えていく。テントを張りたくさんの機材が運びこまれてくる。道行く人たちは不思議そうにオーネットを横目に見ながら通り過ぎていく。総勢60名近くのスタッフが店の内外を撮影準備に駆け回っていた。午前9時オーナーの菅沼きく枝さん(愛称:きぃちゃん)が到着。お店の様子をチェックする。お店のイメージはそのままで撮影をする事が決まっていた。とはいっても、撮影準備は簡単なものではなく、張りものから小道具、電球、電圧など撮影隊の準備は細かいところまで準備をしている。又、店を元どおりにするために店内全てをデジカメで記録。映画撮影が大掛かりなものであることを実感する。
●菅原文太氏、浅野忠信氏、オーネットに来る。
午前10時近くなるとスタッフもピリピリしてきた。関係者以外の店内の立ち入りが禁止される。きぃちゃんとそのお供の私(ゆきにょ)は店の裏口に回り、居場所を確保した。少したつと店内から拍手の音が。(もしかして、俳優さんたちかな??)きぃちゃんが裏口のドアを思いきり開けると、カウンターの中が見えた。すると何やら若い青年がチラリ・・・??(アレって浅野忠信さんじゃないの??)きぃちゃんに目で合図をすると「まだ来てないでしょ」・・・(いやっ絶対浅野さんだって!!)・・・「?!あれっスタッフかと思ったよ」・・・(本人に聞こえるよ〜〜(汗)。そんなやりとりをしながら、はしゃいでいた。ストライプの白シャツに茶系のズボン、そのきゃしゃな背中には気品すら感じるその青年こそ、浅野忠信氏であった。「映像とか写真より本物が一番良い男だね」ときぃちゃん。見物人である私たちは興奮気味だ。そして、店の西側の隅には菅原文太氏が腕を組んで、ジッとしている。(キャ〜〜菅原文太さんだぁ)と目を丸くしてい
るとスタッフの一人がたばこのハイライトを持って走っていく。(文太さんが吸うのかなぁ)・・・そんな事を思っていると、制作の人がきぃちゃんを呼びに来た。「菅原文太さんにご挨拶を」と、店内にきぃちゃんだけが通された。「はじめまして」ときぃちゃんが言うと、丁寧におじぎをする文太さん。とても礼儀正しい印象だ。その貫禄はまさに映画界の大御所といった感じで、近寄り難いオーラがある。しかしながら、文太さんを見るには裏口から奥まで顔を覗き込まないと見られない。現場の状況から言って、裏口からチラチラ見える浅野さんを見てはうっとりしていた。
浅野さんは最初調理指導を受けていた。慣れない手付きでフライパンと菜箸をゆすっている。「じゃすみん」のマスターの作る「プレーンオムレツ」は文太さんが演じる役の大好物という設定だ。菅原文太氏と浅野忠信氏の共演は、この日が初めてという話を聞いていた。二人の演技の「息の合い具合」によって撮影がどうなるかわからないという事もあってか、浅野さんが緊張しているようにも見えた。そして裏口のドアも閉められ、1カットごとにテストと撮影本番を繰り返し、私達も音一つたてないように注意を受け店の裏で事の成りゆきを見守っていた。撮影が順調だったのか、お昼は時間通りに休憩になった。俳優さん達はどこかへ食べに行ったようだったが、監督は店内で打ち合わせや確認に追われていた。オーネットの隣の大家さん宅も撮影用に使うオムレツの調理場として借りられていて、浅野さんファンの娘さんとそのお友達が駆けつけていた。大雨でやじ馬こそ少なかったが、隣近所はさすがに気付いたようだ。私もお昼から帰ってくるのを見計らって傘をさして入口で待っていた。雨の中スタッフのさした傘の下で、浅野さんが寒そうに腕を組み首を縮めながらチラッとこちらを見て店内に入っていった。文太さんが入っていく姿を見た人も口々に、その肩で風を切るかのような歩き方に感激していた。また、撮影していない時間を見計らって裏口から覗く。大家さんの娘さんたちの騒ぎに気付いた浅野さんは午前中よりも余裕が出てきたのか、笑みがこぼれていた。そして、また緊張の撮影が再開された。 撮影中、録音しているマイクから小さい音ではあるが店内の撮影の様子が聞こえてきた事があった。文太さんのはっきりとした声で独特の語り口に対し、浅野さんは繊細でリアルなセリフ回し。これぞ大物俳優の世代対決!!と思ったのは私だけかもしれないが、世代を代表する良い役者さん同志のシーンだ。浅野さんの微妙なニュアンスを練習している声も少しだけ聞こえ、その仕事に対する誠実さに胸を打たれてしまった。
●二大俳優と記念写真
この記念すべき二大俳優の共演と私達との記念撮影が許された。時間がないので1ショットだけ。大家さんの娘さん達ははしゃいで浅野さんに握手を求めていた(ムムッ・・いつのまに)。オーネットのきぃちゃんは文太さんの隣の椅子に座り、大勢のスタッフが見守る中、私達は至福の記念写真を撮ってもらった。「はい!」という文太さんの号令で撮影は終了。慌てて見送ったきぃちゃんは、さっそうと出ていく文太さんの後にいた浅野さんにやっとの思いで「お疲れさまでした。頑張ってくださいね」と、声がかけられた。すると浅野さん、「お世話になりました。ありがとうございます」と丁寧な口調で挨拶をした。きぃちゃんはすっかり浅野さんに心を奪われたようだった(?)。そのすぐ後に、片付けを見守る東陽一監督に声をかけた。ピリピリしているスタッフとは違い、作品の父というような穏やかさがある。監督ときぃちゃんで相合い傘の記念写真。ちょっと見るとまるでカップルのような1ショット。雨ではあったが、これでオーネットの熱い一日が終わった。
オーネットのカウンター内に浅野忠信氏。そして、カウンター席に菅原文太氏。オーネットに来た事がある人なら、そのシーンは見ずにはいられないだろう。来た事がない方は是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか。この映画は2003年春に公開予定。足利市内でも上映会が検討されているという話も出ている。
「オーネットの空間」が映画「わたしのグランパ」をどのように演出するのか・・・乞う、ご期待!!

***「わたしのグランパ」あらすじ***
中学生の珠子の前に、ある日、突然現れたグランパ(祖父)はなんと刑務所帰り。両親は祖父を畏れ、祖母はあわてて家を出てしまう始末。だが、侠気あふれるグランパは、町の人からは慕われ、珠子や家族をめぐる問題を次々と解決していく。グランパは珠子だけに自分の秘密を教えてくれるが、そこに大事件が襲いかかり、銃撃戦までが……。
撮影レポート&店内写真

/ ページ編集 山田利男 /
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