大学生を児童役として、模擬授業の機会をいただくことができた。「小学生に性交をどう教えるか」という大変難しいテーマである。現場でも賛否両論ある。
今回わたしは、「小学生にもわかるように、生殖行為としての性交を教えるべきである」という立場に立っている。同じ長期研修教員の塚本 武先生と共同で、次のような流れの授業を行った。
性交を直接扱えそうなのは、理科5年「人と動物のたんじょう」および、学級活動(保健指導)6年「生命誕生」である。今回は、5年の「人と動物のたんじょう」単元で扱うこととした。
「人と動物のたんじょう」の学習内容は、次の通りである。
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本時は、4の発展的な学習として理科で扱う。6年の「生命誕生」では、出産・出生に絞って学習することにした。
また、児童は、5年生までに、次のことを学習していると仮定する。
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新しい生命を創造する営みとしての性交について、植物やいろいろな動物と比較しながら理解させる。

※ ここに記したのは、大まかな流れであって、授業記録ではないことをお断りしておく。
超音波断層撮影装置による胎児の様子、出産直後の赤ちゃんの様子をVTRで見る。
『自分が誕生したときのことについて、両親から何か聞いたことがありますか』
1名指名して答えてもらう。そうやってたくさんの人に見守られて、誕生してきたことを話す。
『きょうは、どうやって生命が誕生するのかについて学習します』
人間の男女は、どうやって区別しますか。 |
お父さん、お母さんの絵を黒板にはる。
「外見で」「体つきで」「顔で」といった答えが続くであろう。教師の方で次のことを確認する。
ペニス、ワギナ → 外見で区別できる。
男性の体内(精巣)で精子がつくられ、女性の体内(卵巣)で卵子がつくられることを確認する。
女性には、赤ちゃんが育つ部屋(子宮)があることを確認する
花にも男女がありますか。 |
お花・め花 → 外見で区別できる。
おしべ・めしべ → 一つの花にあるものもある。
花の実のでき方について確認する。
『自分で動ける動物はどうでしょうね』
魚のオスとメスは、どうやって区別しますか。 |
「ヒレがちがう」「体の色が変化する」「大きさや形がちがう」など
魚にペニスがないのはなぜでしょう。 |
「泳ぐときにじゃま」
「オス、メスは、他の所で区別できる」
「必要がない」
「人間のペニスに代わるしくみがある」
魚の受精のしくみについて説明する。
『人間の場合、お母さんの体の中でつくられた卵子とお父さんの体の中でつくられた精子とが、どうやって受精するのでしょう』
人間と魚のちがいをできるだけたくさん挙げてみましょう。 |
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「人間は、水の中に住んでいない」
「人間は、お母さんの体の中で赤ちゃんを育てる」
「人間のお母さんは、卵を産まない」
「人間は、ふつう1度に1人しか産まない」
「人間は、魚よりも進化した生き物だ」
このことから、次のようなことが導かれることを説明する。
生物の進化(魚→カエル→ヘビ・トカゲ→鳥→哺乳動物)と人間の性交について説明する。
導入で確認した“自分の誕生”と関わらせて説明する。


『きょうの学習について感想を書きましょう』
『動物の交尾と人間の性交のちがいは何でしょうね』(オープンエンド)
「スムーズに流れていた」
「性交に対していやらしい感じを受けなかった」
「みんなやって当然のことなんだという印象があった」
「犬や猫などの動物をどのように扱ったらよいか」
「もう少しくわしく説明してもよいのではないか」
「性交と受精のちがいがはっきりしていなかった」
「実際の性交のイメージとむすびつきにくい」
「もっと突っ込んだ質問がでたときはどうするのか」
「表現のしかたが難しいと感じた」