いきなりだが、喫煙防止教育である。新指導要領には当然、次の教科書にも小学生から喫煙防止教育が入ってくる。すでに、保健指導で扱っている学校もあるが、たばこの害を知識として身に付けさせることが中心である。別にそれは悪くはないし、必要なことだが、それでとどまっていたのでは本当の防止教育にならない。喫煙の社会的な影響に気付かせることが重要視されてきている。
今、主流になっている方法としては、次の2つがある。
A たばこの広告を批判的に見る力を身に付け、広告のテクニックに安易にのらないようにする。 |
このどちらもが、小学校で行われるようになりそうである。今回は、Aについて紹介したい。資料は、千葉大学の学生が模擬授業の際につくったものを借りてきたものである。ここで実物を紹介できないのは残念であるが。
ここに、8枚のポスターがある。これは、どれも何かの広告である。当然、たばこの広告も含まれている。ただし、重要な情報は、白い紙でかくされている。さて、どれがたばこの広告だろうか? |
正解を予想させてから、一つ一つ結果を見ていく。白い紙をはがせば、たばこの広告かどうかすぐにわかる。
すべて答えがわかった後で、
たばこの広告について、どんなことに気付きましたか? |
と聞く。基本的な授業の流れは、これだけである。以下、内容について解説したい。
まず、たばこの広告には、たばこという商品のイメージとかけ離れているものが多い。
たばこというものは、体に害のあるものである。「吸いすぎに注意しましょう」という言葉が書かれているのもそのためである。しかし、この表示、とっても目立たないようになっている。また、「吸いすぎなければよい」みたいな感じにもとれる。外国では、もっと過激な警告文になっているそうである。
今回の資料は、女子学生が女性雑誌を中心に集めたものである。女性向けの広告には、たばこを実際に吸っているシーンが出ていないものが多い。反対に、男性雑誌からたばこの広告を集めてくると、かっこいい人がかっこよく吸っているのが多い。これは、男女によって喫煙によいイメージを抱くものが異なるからである。
男性は、「男らしい」とか「カッコイイ」とったものがプラスのイメージに働く。女性は、「スマート」とか「スリム」「楽しい雰囲気」といったものがプラスのイメージになる。つまり、そうやって売上げを伸ばそうとするたばこ会社の戦略なのである。
また、こういう直接的な広告の他にも、間接的な広告がある。例えば、次のようなものである。
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ちなみに、最近の喫煙者率は、男性が低下傾向にある。それにかわって女性の喫煙率が上昇傾向(特に若い世代を中心に)になっている。気になるのは、未成年者の喫煙が増えていることである。現に、たばこ会社がターゲットとしているのは、女性と未成年者ではないかとも言われている。
子どもたちのよく見るスポーツの中にたばこの看板があったり、F1のマシンにたばこの銘柄がプリンとされていたり、ドラマでカッコイイあこがれの芸能人がたばこを吸っていたり…。どれもたばこに対して悪いイメージを抱かせるものではなく、反対に興味をそそるようなものばかりである。こうした社会要因に気付かせれば、安易に踊らされることは少なくなるだろう。