長期研修報告

4 研究の内容

(4)運動しやすい環境を自らつくり出せる子どもの育成


授業プランD「スポーツイベントを開こう」(5年)

1.ねらい

 ・自分たちが利用できそうな運動施設を調べたり、実際にみんなで運動する計画を立てたりすることを通して、人間関係を円滑にし、運動施設を積極的に活用する能力と態度を育てる。

2.指導計画(5時間扱い)

 第1時・運動しやすい環境とは?
 第2時〜第3時・身近な運動施設を調べよう
 第4時〜第5時・みんなが楽しめるスポーツイベントを計画しよう

<授業の概要>

 第1時のはじめに、自分はなぜ運動するのか、運動に何を望んでいるのかを発表させた。
 「うまくなりたい」「友達ができる」「みんなで楽しみたい」「大会に出たい」
などが出された。
これらを実現するためには、個人の努力だけでなく、運動しやすい環境づくりも大切であることに気付かせた。今回は、仲間、指導者、場所といった環境要因のうち、場所(施設)の利用に絞って学習を進めることとした。
次に、身近な所で、自分たちが利用できそうな運動施設をみつけさせた。総合スポーツセンター、学校の校庭や体育館、公園などたくさんみつかった。
そして、これらの施設は、いつでも好きなときに利用できるのかを考えさせると、いくつか疑問が浮かび上がった。

「一人で利用するときと大勢で利用するときとではちょっとちがう」
「チームで練習するときは、借りるのに予約していた」

そこで、これらの運動施設について、9つのグループに分かれて調査活動を行うこととした。その際、市役所公園緑地課の職員の方、三橋総合公園管理事務所の職員の方、三橋小の教頭先生に話を聞くとよいことを紹介した。
また、調べる資料として、総合公園のパンフレットなどを配布した。


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 第2時は、調べてきたことをまとめる学習である。児童は、これまでに、資料をよんでわかったことをまとめたり、聞き取り調査に出かけたり、実際にその場所へ行って写真をとってきたりしていた。
まとめ方については画用紙をわたし、『その場所の宣伝ポスターになるようにしよう』と投げかけた。調べた運動施設の特徴が伝わるようなキャッチコピーがよく考えられていた。
写真をはったり、説明を加えたりしてまとまっていった。しかし、時間が足りず、自習の時間などを使っての完成となった。


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 第3時に、発表会を行った。まとめた資料を掲示し、順番に発表させた。自分が利用したことのある施設でも、意外に知らないことが多く新鮮味のある発表会となった。
全グループが発表した後で、「わかったこと」「どこで、どんな運動をしてみたいか」「自分のグループの調べや発表の自己評価」をまとめさせた。
それによると、特に、利用の決まりについてよく理解できていた。また、今の自分がどう活用するかだけでなく、将来に向けてどう活用していきたいかという願いも出されていた。
最後に『みんなが調べてきた場所のどこかを使って、楽しいスポーツイベントを計画しよう』と提案した。

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 第4時は、その提案を受けての話し合い活動を学級会として行った。話し合いはスムーズに進み、三橋総合公園で「グラウンドゴルフ大会」を開くこととなった。
これまでの学習をふまえた意見がたくさん出されていた。次のようなものである。

「小さな子もいるので、アスレチックで鬼ごっこをするのは危険だ」
「並木公園はあまり広くないので、クラス全員で遊ぶのにはふさわしくない」
「せっかくの機会だから、学校以外の場所を使ってみたい」

最後に、準備に必要な係を分担して、話し合いをとじた。


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 第5時は、前時で決まった係ごとに仕事を進める時間とした。他の係とも連携して準備を進めていた。主な仕事内容は、次の通りである。

  • 進行係…当日の進行を分担し、それぞれが言葉を考えた。
  • プログラム係…進行係と相談し、プログラムの原稿を作成した。
  • 用具係…公民館にグラウンドゴルフのセットを借りる連絡をした。
  • チーム係…チームの決め方を提案し、くじ引きを行った。
  • ルール係…ゲームの進め方を提案し、スコア表などを作成した。
  • 賞品係…優勝カップづくりの計画を立て、廃品集めの協力を依頼した。
  • 保健係…保健の先生に救急セットを貸してもらえるよう交渉してきた。
  • ゲーム係…開閉会式の合間に行う簡単なゲームを考えた。

<反省および考察>

○ 身近な運動施設を積極的に活用する能力と態度の育成が図られた。

運動施設を調べたことによって、自分の身近なところにある運動しやすい環境に気付くことができた。そうした気付きに刺激され、自分も活用してみたいという気持ちが強くなっていった。また、実際に活用してみるという体験によって、活用能力も高まり、これからも積極的に活用していこうとする態度の育成が図られた。発表後の感想の中には、次のようなものもあった。

「大人になったら、総合公園のトレーニングルームにも行ってみたい」
「水泳を趣味にして、夏も冬も室内プールに行けたらいいと思う」

これらには、将来に向けてどう活用していきたいかという願いが現れている。運動への将来的な願いは、ライフスタイルに運動を位置づけていくことに直接つながるものである。


○ スポーツイベントの準備や運営を通じて、運動の技能や経験の差を解消し、運動を通した人とのつきあい方を学ぶ機会となった。

 スポーツイベントの計画から準備、当日の運営まで、クラス全員が協力してできた。与えられた環境の中で運動をするのではなく、自ら環境に働きかけ、1つのイベントをつくり上げる喜びを味わうことができた。
 自分たちでつくり上げたものだけに、「みんなで楽しめるようにしよう」との配慮が随所にみられた。運動の技能や経験の差を解消し、運動を通した人とのつきあい方を学ぶ機会となった。こうした取り組みによって、人間関係の円滑化が図れるものと考える。




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豊島 登 Noboru Toyoshima