環境問題について考える −私たちは今、何をすべきか−


◆ 国語で調べ学習?


教育出版の教科書に「環境保護と人間」という説明文の単元がある。ここでの 学習を環境問題を題材として、調べる・発表する・話し合うという活動を中心に 考えてみた。いわゆる調べ学習だが、次の2点がウリである。

 1 発表会で終わるのではなく、発表会をきっかけに議論を盛り上げる。

単にわかったことを発表するのではなく、「自分たちに何ができるか」を提 案させる。その提案の是非をめぐってもう一度よく話し合い、考えを深めていく ことをねらいとしたのである。

2 コンピュータを活用し、情報活用能力と話す力を身につけさせる。

特に、児童相互のコミュニケーションを促進させるためにコンピュータのネ ットワーク機能(LAN)を活用することにした。これによって、ふだん発言で きないような子でも活発な意見交換ができることを期待したわけである。 また 、将来的には、コンピュータネットワーク(インターネットやパソコン通信)を 活用するマナーの学習にもなるはずである。

 大まかな授業の流れは、次の通りである。

ステップ1(調べて発表する)
 環境問題についてテーマ別に調べ、自分の生活を振り返ってどんなことがで きるかを提案する。

ステップ2(話し合う)
提案されたことをもとに意見交換をし、自分の考えを深める。

ステップ3(再提案する)

 話し合いをグループごとにまとめ、もう一度自分たちにどんなことができ るか提案する。


◆ コンピュータで発表だ!


はじめに図書室で環境に関わる図書を探しながら、何について調べるかを考 えさせた。現在どんな問題が起きているかよく知っている子が多かった。次の9 グループに分かれた。

・大気汚染
・海洋汚染
  ・酸性雨
・森林破壊
・オゾン層の破壊
・ゴミ
・土壌汚染
・ゴミとリサイクル
・水質汚染

これらのテーマに沿って調べ活動が開始した。

第3時よりコンピュータ室で学習する。調べてわかったことを写真、絵、 文などにして表現した。お絵描きソフトの「えほんらいたーPRO」(富士通) を活用した。 調べたことを伝えるというより、

 調べたことを通して考え、自分たちが何をしたらよいかを提案をする。

ということに重点をおいた。これらは、コンピュータを使って第5時に発表会をした。


◆ 電子メールをきっかけに…


 いよいよヤマ場である。第6時。自分以外のグループの提案に対して、

 質問や意見をメールにして送る。

という活動を行った。ここでは、ネットワークを活用する上での基本的なマ ナーも指導した。差し出し人の名前を明らかにすることや誹謗中傷を書かないこ となどである。”電子メール”と言うとかっこいいが、お絵描きソフト(えほん らいたーPRO)の一覧機能を活用したまねごとである。LANを活用すること によって、一人の子どもが作成したメールを瞬時に全員が読めるようになってい る。

 第7時は、

 自分達のグループ宛にきたメールを探して読む。

という活動になる。手紙を開けるときというのはとってもウキウキする。み んなうれしそうに読んでいる。

 そして、次のような作業をするよう指示した。

 ・質問に対しては、直接答えに行く。
 ・賛成意見に対しては、お互いに理解を深め合い、より具体的な方法を話し 合う
 ・反対意見に対しては、誤解があった場合には説明に行く。
  納得できる意見の場合は、それを取り入れて新しい考えをひねり出す。

反対に、意見を求められたら話し合いに加わるように指示した。当然、自分 のグループの考えを説明することになる。

 そこらじゅうで、討論会が始まる。「あのさ、この問題についてなんだけ ど…」といって議論が始まる。これがなかなか迫力があってよかった。

「そうじゃないんだよ」「だからさあ」「えっ、どうしてなの」

こんな言葉がとびかう。発表会の時に使った資料をコンピュータの画面に呼び 出して話し合うグループもあった。ふだんの話し合いでは、ついわからなくても 時が過ぎてしまいがちだが、今回はじっくりと議論ができたように思えた。

 私も全てのグループに意見を出した。だから、私の所にも反論がくる。教師 もここでは学習者と同じレベルになって話し合える。これは、教師が発問し、子 どもたちが一斉に「はい」と手を挙げる授業とはまったく違うおもしろさである 。

◆ あっとおどろく提案が…

 この話し合いをグループごとにまとめ、もう一度自分たちにどんなことがで きるか提案させる。その際、次のような注意をした。

・「なるべく」「あまり」「少しずつ」「いろいろ」「たくさん」といった あいまいな言葉を使わないようにする。
・具体的に何をどうやればよいのかわかりやすいものにする。
・子どもらしく、大胆な意見をだす。

 さて、発表会。第10時に行った。おもしろい提案がとびだす。特に私が 興味を引いたものを挙げておく。

・10qまでは、車を使わずに歩く。
・家を建てたら50年は建て替えない。
・再利用できる物は、リサイクルを進める。
・ペットボトルの使用をやめて、ビンにかえる。
・スチール缶の使用を減らす(買わない)
・電車やバスを利用して、個人の車の使用はひかえる。
・えんぴつを使わずに、シャープペンを使う。
・いらない物を買わない。つまり不買運動をする。
・クーラーは、一日二時間だけ。
・リサイクル工場を建てるように要望する
・とにかく、慣れるまではがまんする。

根拠のわからない数字や精神論もあるが、具体的ではある。これから現実の 厳しさを知ってていくことになるのだろうが…。

 できることからはじめよう、そんな気持ちになれたようだった。 


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豊島 登 Noboru Toyoshima