おすすめスポーツの本・パートU

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今年はたくさんの読書の機会に恵まれている。 当然のことながら、スポーツ関係の本も読んだ。 研究に関するものもあるし、趣味のランニングに関するものもあるし、もっとスポーツ全体の問題を扱ったものもある。 しかも、今年は日本サッカーが初めてワールドカップに出場したこともあって、書店はスポーツの本で結構にぎわっていた。

大住良之『新・サッカーへの招待』岩波新書(1998)

 熱戦に終わったワールドカップが、もっと身近に感じられる。 サッカーの本がたくさん出版された中で、これはまとまった著作で最も安く手に入る。
 もっと世界のサッカーをくわしく知りたいなら、後藤健夫『世界サッカー紀行』(講談社) もおすすめである。 こちらは、それぞれの国のサッカースタイルがどんな所からきているのかを教えてくれる。


平出 隆『白球礼賛』岩波新書(1989)

 こちらは野球。 自ら草野球チームを組織して大いにレクスポーツを楽しんでいる。著者は詩人で、永遠の野球少年。 相手からヤジられると、ベンチで川柳をつくって返すというのがおもしろかった。 用具へのこだわりもすごい。
 私自身、子どもの頃に抱いていた夢、自分が少年野球にどっぷりとつかっていた頃をなつかしく思いだした。


有山輝雄『甲子園野球と日本人』吉川弘文館(1997)
 甲子園野球の歴史をたどり、日本独特の野球文化がどのように生まれたかを明らかにしている。 野球と武士道とのつながりを強調したことから、高校野球の勝利至上主義、精神主義、集団主義を生んだというのがおもしろかった。

和田雅史『子どもが見た世界の体育授業』大修館書店(1994)
 海外で現地校に入学した経験のある子どもたちからたくさんの情報が得られる。 日本の体育は、とてもていねいに教えるが、いかに技能や体力に偏っているかよくわかる。 保健の学習は、すでにライフスキル教育が当然のように実施されている。

池上晴夫『健康のためのスポーツ医学』講談社ブルーバックス(1984)
池上晴夫『適度な運動とは何か』講談社ブルーバックス(1988)

 スポーツ医学の考え方を教育に生かすことは重要だ。「スポーツを楽しむ」ことと「健康的にスポーツをする」こととは違うということを理解しておきたい。

※ これについては、私の研究テーマをぜひご参照ください。

 運動を健康問題としてとらえると、「運動の生活化」と「生活の活動化」がキーポイントだと著者は言う。 学校では、運動の生活化に懸命だが、そのわりに生活の活動化(例えば、近くなら歩くとか、エレベーターなどに乗らない等)には、あまり関心がなかったようだ。 ぜひ、体育の先生には読んでもらいたい。


ケネス・H・クーパー『エアロビクス −新しい健康づくりのプログラム−』ベースボール・マガジン社(1972)

 著者は、エアロビクスの提唱者である。エアロビクスと言うと、今でも「エアロビックダンス」のことと思っている人がいる。 正しくは、有酸素運動のことである。
 私たちが手軽にできる有酸素運動の例としては、ジョギング、ウォーキング、水泳、自転車、なわとびなどが挙げられる。 「短距離なら得意だが、長距離は苦しいからいやだ!」という人は結構多い。もちろん、短距離走なら、たくましい筋肉をつくったり瞬発力を高めたりすることはできる。しかし、“健康”のためにスポーツをやるのだとしたら、エアロビクスでなければならない。 比較的軽い運動を長く続けるからこそ、多くのカロリーを消費し、心臓を鍛え、生活習慣病の予防になるのである。  この本では、運動の実施状況を点数化して、1週間に30点以上を目標とするようにしている。年齢別・体力別・種目別に、たくさんの表が用意されているので取り組みやすい。 私も、クラスで学校で、児童も職員も巻き込んで「エアロビクス・クラブ」でもつくろうかなと思った。


アエラムック『スポーツ学の見方』朝日新聞社(1997)
 スポーツ研究の最先端をいく学者が紹介されている。高橋健夫も、佐伯聰夫もいる。研究者って、やっぱりすごい。常に何年も先のことを考えている。 競技スポーツではすぐに研究成果が実用化されるが、教育や一般のスポーツレベルにまでおりてくるのには一体何年かかるんだろう。 誤った考え方をしている教員の何と多いことか!
灰谷健二郎『遅れてきたランナー』新潮文庫(1998)
夜久 弘『ウルトラマラソンへの道』ランナーズブックス(1992)

好き嫌いの激しい灰谷健二郎をあえて出してみた。 自然派ランナーとしての灰谷は、なかなかいいと思う。 特に、自然食へのこだわりがすごい。 最近、これに刺激されてか、朝食でカルビーの「フルーツグラノーラ」というのをよく食べる。
 ウルトラマラソンの方は、とっても刺激された。 どう考えても健康的なスポーツとは言えないが、なぜこんなに魅力的なんだろう。 挑戦してみたくなった。



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豊島 登 Noboru Toyoshima