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機甲猟兵メロウリンク



  • メロウリンク各話解説(準備中)
  • ボトムズ事典
    (メロウリンクの背景設定は「ボトムズ」と共有なので、事典も「ボトムズ辞典」と共通です)

【解説】
 『機甲猟兵メロウリンク』はアニメ「装甲騎兵ボトムズ」と同じ世界観に展開する外伝OVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)です。「ボトムズ」と同じ舞台の、同じ時代で、全く別の登場人物が繰り広げる、もう一つの物語。「ボトムズ」本編であるキリコの物語とはまた一味違った「人間としてのリハビリ物語」が描かれています。
 軍の上層部の陰謀工作に巻き込まれ、全てを失った主人公の復讐の旅。最初から最後まで、無名のはぐれ者であるメロウリンクの物語は、ある意味で本家「ボトムズ」以上に底辺の人間(最低の野郎ども)に焦点を当てた作品と言えます。
 そしてこの作品の最大の特徴は、ロボットアニメでありながら主人公がロボット(AT)に乗らないということです。主人公は自分が陥れられた境遇を恨み、その象徴である対ATライフルという大型の銃を携え、カスタムATを駆る仇敵に向かって行きます。生身の人間対ロボットという異色の対戦がこの作品最大の見どころになっています。
 監督は「バイファム」などで有名な神田武幸監督。キャラクターデザイン&作画監督は「ボトムズ」でも活躍した谷口守康氏。そしてメカデザインはお馴染み大河原邦夫。「ボトムズ」というフォーマットに準じながら、しっかりと差別化が図られており、「ボトムズ」本編とはまた違った独自のファン層を獲得しました。特に(何故か)女性層への受けが良かったようです。

 ただし「メロウリンク」という作品に関して、個人的には絶賛するには程遠いものを感じてます。本家ボトムズと比べてどうこうというのではなく、とにかく描写や脚本にあと一歩の踏み込みが足らないのです。全般的な盛り上がりが足りない!
 「放浪の主人公が仇のいる土地に流れ着いて対決し、敵討ちを遂行する」基本的にただそれだけの事件を10回以上に渡って淡々と同じパターンが繰り返してるだけで、どうにもヒネりが足りません。主人公はドロドロとした情念に突き動かされて復讐の旅を続けてるのに、作品全体の演出や脚本は全然淡白なんですよ。シリーズの中盤までの盛り上げが不十分たから、シリーズクライマックスのどんでん返しに至っても、いまいち衝撃が伝わって来ない。う〜む、もうちょっと何とかならなかったのかなぁ。

 普通のロボットアニメでは余り描かれない「人間対ロボット」というシチュエーションに特化したバトルシーンは見ものです。特に非力な肉体を駆使して戦うメロウリンクが繰り出すトラップ(罠)の数々が視聴者の目を楽しませてくれました。奇襲に待ち伏せ、地雷、手榴弾、隠しジャッキ、ワイヤートラップ、銃器の遠隔操作などなど、これでもかと言うぐらいに嗜好を凝らしたアイディアの数々は、普通のロボットアニメではまずお目にかかれないでしょう。しかし、最後のとどめは必ず「怨念の必殺兵器で」という辺りが、ちょっとパターンにこだわりすぎな気がして、納得できない部分があるのも否定できないところ。
【物語】
 終戦を間近にひかえた百年戦争の末期。惑星ミヨイテの戦場で、ある事件が起こった。大量のヂヂリウムを敵から奪取したメルキア軍が前線から撤退するに際し、敵の追撃をかわすため、友軍の一部隊を囮として前線に取り残す作戦が実行されることになった。その任を命じられたのが主人公が所属するシュエップス小隊である。
 小隊は軍へ抗議した咎を受け猟兵部隊へと改編された上に命令実行を余儀なくされる。脆弱な武装で敵の機甲部隊を行く手を阻んだシュエップス小隊は壊滅。ただ独り、メロウリンク・アリティを除いて。だがその報いは大量の軍事物資強奪という、いわれなき罪状であった。
 軍法会議に掛けられたメロウリンクは僅かな隙をついて脱走に成功。そして、彼と彼の仲間を陥れた上官たちに対する復讐の旅が開始されたのであった。屈辱の象徴であり、仲間との絆の証である一丁の対ATライフルを携えて。
【登場人物について】
 キャラクターデザインの谷口守康氏は「ボトムズ」でもスピーディでシャープな作画を得意とし、物語の重要なエピソードを担当して人気を博しましたが、その手腕は「メロウリンク」でも遺憾なく発揮されています。

 主人公のメロウリンクは、基本的にごく普通の少年です。別にコンピュータへの適合性が人並み以上に強いワケでもなければ、不死身の肉体を持っているわけでも有りません。 人並み以上の強運と、強靱な肉体と精神を持ってはいますが、基本的には普通の人間です。それに性格的にも普通の人です。仲間に対する信頼は絶対的なものを持ってるし、協力してくれた人がいれば概ね信用してしまいます。戦場での裏切りさえなければ、ごく普通の一般人として生活していたでしょう。
 そんな彼が運命の悪戯に弄ばれ、どうしようもない怒りを携えて荒涼とした世間を渡り歩く、復讐を果たしたとしても、そんなものは何の意味もないのに。そんな彼が復讐の果てに見たものは・・・・。結構救いの無い物語なのかも知れないですね、「機甲猟兵メロウリンク」って。

 で、そんな救いの無い物語の華として登場したのが流浪の女カードディーラー(^_^;)、ルルシー・アモン。ルルシーはメロウリンクの協力者として活躍しますが、そんな彼女も実は復讐者。メロウリンクを利用しようという意識はないが、ある種の共感を覚えて度々メロウリンクに手を貸すこになります。
 気が強そうだけど、本当は寂しさや弱さを抱えてる・・・という感じが男心をくすぐります。ただ、もうちょっと彼女の魅力を引き出すようなエピソードや演出が欲しかったかな。普通ならルルシーこそがメロウリンクの「救い」になるはずだったのかもしれませんが、どうも彼女の魅力は十分に描かれることなく、いま一つカタルシスの無い(それ自体が狙いだったような気もするが)ラストの添え物に終わってしまったような感があるのが残念であります。

 そして、「メロウリンク」の裏の主人公とも言える人物がキーク・キャラダイン。ボトムズワールドに不可欠な「情報将校」という役どころです。メロウリンクに協力者の素振りを取り続けますが、実は彼の正体は・・・・。事の次第の裏表を見通せる立場に身を置き、黒子として暗躍するキーク・キャラダイン。全てを見通したような超然とした態度と裏腹に、あくまで我を通そうとするメロウリンクに対し羨望とも嫉妬とも取れるような苛立たしさが窺えて、実に奥深いキャラクターとして物語を引っ張ってくれました。主人公以上に印象深いキャラクターです。

 その他、メロウリンクの復讐のターゲットとなるかつての軍の上官や士官はちょっと「お約束」な悪役キャラクターが多くて、必ずしも魅力的なキャラクターばかりとは言いがたいものがあります。それなりに頑張っているのだが、イマイチ後々の印象に残らないというか。キークとかと比べると、存在感というか人物像の奥行きというか、そういうのが足りないように感じました。各エピソードが時間的に短くて、なかなか描き込む余裕がなかったのかもしれませんが、それにしても呆気ない印象が残ってます。変態っぽいキャラが多くて、その言動は結構楽しかったけど(笑)。
【メカ(アーマード・トルーパー)について】
 「メロウリンク」のメカデザインは、本家「ボトムズ」と同じく大河原邦夫氏が担当しています。登場するメカは概ね「ボトムズ」にも登場したタイプの改造型が殆どで、AT以外の脇役メカ以外完全な新デザインメカはないのですが、それでも「メロウリンク」ならではという印象的なATが多数登場しています。主人公がATに乗らないのに、登場するAT群自体はとても魅力的というのも「メロウリンク」の特徴のひとつです。

 メロウリンクの復讐のターゲットになるかつての上官たちは、それぞれ殆どが専用のカスタムATを愛用しています。
 例えばバトリングのスター選手として活躍していたフォックスのフォックススペシャル。全身を光沢のあるシルバーに磨き上げ、各種のカスタマイズを施した仕様はボトムズのバトリング世界の奥深さを垣間見ることができる妙味をたたえていました。
 或いは山賊として活動するガナードが駆るスコープドッグの改造型は、いくつものロールバーが装着されてて、非合法で使用されてるATという雰囲気が上手く出てたと思います。山賊AT部隊の野性味がもうちょっと出てるとボトムズ版「マッドマックス」になったかも。
 あと刑務所の所長を務めるバンスが愛機とするライアットドッグもメカファンには堪らない。憲兵仕様ということで、ちょっと権威的な雰囲気を漂わせた外観がイカしてます。
 そして一番カッコイイのはボイル大佐が登場するバウンティドッグ。山岳地帯での使用に特化した重装備が目を引きます。特に射出式ワイヤーを駆使したメカアクションは秀逸。
【機甲猟兵メロウリンクアイテムリスト】

《ビデオ/LD》
 ・ビデオ/LD「機甲猟兵メロウリンク(全6巻)」(Vap)[絶版]
 ・LD−BOX「機甲猟兵メロウリンク COMPLETE STAGE FILE」(Vap)[絶版]

《小説》
 ・「機甲猟兵メロウリンク 1」高橋良輔著(ソノラマ文庫/1989年)[絶版]

《コミック》
 ・「無防備都市」ストーリー原案:山口宏 作画:柴田文明(バンダイ/1993年)[絶版]

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