ニセ学生の勧め
私が大学に入学した1990年頃には『ニセ学生マニュアル』という本があって、
高名な学者、新進気鋭の学者が、
「いつ」「どこの大学で」「どんな」講義をしてるのかが載っていました。
「ニセ学生」という言葉の響きに、ワクワクしながら、読みふけったことを
覚えています。実際には、入学先の大学で、自分たちで講師を選んで来ていただく
「自主講座」の実行委員になったので、他大学に出ていく必要は(その余裕も)
ありませんでしたが。
「自主講座」には、現役の学生だけではなく、卒業生や他大学の人、
社会人、親についてきた子供たちと、多種多様な人間が集まりました。
現場を踏まえた講師が持つ「迫力」、世代を越えた「交流」から、私は
「元気」と「意欲」をもらったように思います。
このページでは、
本を出したらバンバン売れるような有名人でもなく
(そういう先生のお話は、講演会で聞けばよいと思いますので)
地道に、そしてなによりも、現場を大事にしている、生命・環境系の研究者の
講義情報を紹介したいと思います
2003年度開講科目
☆木野 茂「公害と科学」「科学と社会」「ドキュメンタリー・環境と生命」
☆沢畑 亨「現代と社会−農山村と環境問題」「エコマテリアル論」
☆津田敏秀「自然・哲学・医学」
☆本間善夫「生活環境化学」
☆土屋貴志「生と死の倫理」
☆平岡義和「環境社会学」
担当:沢畑 亨
熊本大学の前期水曜日4限(14:30〜16:00)
教室は、去年と同じならA201
開講日4月9日
【キーワード】
森林、棚田、公益的機能、エコロジー、持続可能性
【授業の目標または講義概要】
THINK GLOBALLY,ACT LOCALLY。そのために、日本の8割を占める農山村の
現状と、環境に果たす役割を知る。次に、消費するだけの都市生活を考え直したい。
【授業内容】
1:エコロジーとは
2:様々な環境問題
3:農村・山村と環境
4:農村・山村の現状
5:環境保全の試み−棚田保全と森づくり
6:今後の農村・山村と都市
【この講義内容を深めたり、広げたりするための指針】
植物の栽培、農作業、料理、山仕事などの経験を積むと、格段に深い理解が可能
崇城大 「エコマアテリアル論」
担当:沢畑 亨
前期水曜日4限(10:30〜12:00)
【概要】
エコロジーの基本的な考え方を理解し、環境を悪化させにくい人間の活動
とはどういったことかを考える。その哲学に基づき、モノ(マテリアル)の
扱い方について考える。その時々のニュースを積極的に授業に取り入れる。
【目標】
複雑化した現代の社会の中で、環境によいとはどういうことか、いろいろな場面で
迷わなくても良いようなセンスを身に付けよう。
【授業計画】
テーマ 内容
1:エコロジーとは何か 言葉の語源、定義、歴史
2:エコロジーの要素 環境に悪くない人間の活動とは何か
3:エコロジーを体感するには 日常生活の中でどのようにエコロジーを意識するか
4:モノ・水・エネルギー 現代社会の生活を構成する要素を考える
5:環境に良いモノとは エコマテリアルの定義
6:環境に良いモノの普及 理想をいかに実現するか
【授業方法】
講義60分+参考映像30分
【評価方法】
定期試験を中心に、総合的に判定する
【教材】
自作資料
【履修上の注意】
農業や林業の体験があると、理解が一層深まる
<運営人からのコメント>
ふたつとも「水俣市久木野ふるさとセンター・愛林館」館長さんによる講義。
こんな人を非常勤講師に呼んでくるなんて、センスが良いと思います。
沢畑さんの個人URL→ http://www2.ocn.ne.jp/~tanada
「自然・哲学・医学」 philosophy and medicine
岡山大学一般教養科目(人文) 後期金曜3時限
【担当】津田敏秀 【所属】医学部
【授業の概要】
講義は全く難解でなく、「哲学って何?」と言いそうな学生さん向けです。
【到達目標】
「考える」ことを学ぶこと、「見抜く」ことを学ぶこと、「発想の転換」を学ぶこと、
「宗教」を考えること、「科学」を考えること、「舞台」を見抜くこと、ついでに
「学問」とは何かを考え、人生には「真理」を自分で考える。
「教科書に書いてあることを覚える」のが高校生までの仕事、「教科書を疑う」、
「教科書の間違いを見つける」、「教科書を書き換える」というのが大学生以降の勉強です。
せめて「ホントかな?」と疑いながら偉い先生の本を読むこと。
【授業計画】
第1回(10月4日);講義の進め方の説明・どうして哲学か?講義はどのように進めるか?人生の進め方は?
第2回(10月11日);「哲学する!」。まずは、宗教の誕生から・・・
第3回(10月18日);思考実験近代宗教の作り方必勝マニュアル(誰かが宗教を作るのです)
第○回(10月25日);学会なのです。休講だったら「ガッカイする?」
第4回(11月8日);プラトンとイデアと真実の問題・・・「神話」と「現象」
第5回(11月15日);非常勤講師による哲学対話の予定
第6回(11月22日);科学哲学入門(科学論争−誰もが勝つ方につきたい、どっちにつく?)
第7回(11月29日);確実性の問題・「ああ!確実な『保証』がほしい!間違いのない
人生を送りたい!」と思っていませんか?私はいつも思っていますが、どうもうまく
行きません・・・。ホーキング博士にご登場いただきましょう。
第8回(12月6日);医学に関する哲学的考察(応用科学・応用宗教としての医学研究の動向)
・・・またも「神話」と「現象」
第9回(12月13日);生命倫理学入門−倫理学とは何だろう?簡単に決められないから倫理するのです。
第10回(12月20日);生命倫理学その2−生命倫理学の課題一覧−「どっちでもイイ」では、いカント?
第11回(1月10日);生命倫理学「まとめ」と2つの相対するもの・・・「フェミニズム」
第12回(1月24日);新春対話集会(おっと!またもや非常勤講師?)
第13回(1月31日);ニーチェと科学と心理学(ニーチェは自分の言うことがなぜ周りに理解されないか分から
なかったようです−この頃はテスト日程等の変更があるかも知れませんのでご注意を!)
第14回(2月7日);名誉欲と虚栄心(誰が私の人生を評価するの?−一連の講義のまとめです:必ず出席
してください−試験の説明をします−この頃はテスト日程等の変更があるかも知れませんのでご注意を!
【受講要件】
受講に必要な予備知識は「考える」ことができること、日本語が考えながら読むことができる
こと、日本語がきちんと書けることなどです。自分が書いた文章は、一度、必ず読む立場に
なって読み返して、自分の言いたいことが伝わっているかどうかを吟味してください。
【発展科目】
全ての学問の基礎、哲学が根底にない学問には進展はありません
【テキスト等】
各時間にプリントを配ります。以下の準教科書から選んでレポートの参考にしてください
[現代倫理学入門]:講談社学術文庫:加藤尚武著(生命倫理学を学ぶ前のトレーニングの本、
笑ってないでよくよく考えて読んでください)、泰山堂にお願いしておきます。
この他、哲学関係の本なら何でも結構ですので、1冊じっくり読んでみてください。
最初の講義の時に本のリストを配りますので参考にしていただけるとありがたいです。
【成績評価】
2-3回の小レポート20点、最終レポート40点(レポートは上の参考書を読み、感想文ではなく、
自分が考えた結果を論じてください)、最終試験40点
【コメント】
考えてください。講義の約束事を第1回に話しますので、とにかく一回目は出席してください。
<HP運営人からのコメント>
「闘う疫学者」の教養科目。二年に一度の開講から毎年開講になった人気科目。
初日は立ち見が出るほど混むらしいので、聴講するなら、二日目からかも。
担当:県立新潟女子短期大学 本間善夫
※県立新潟女子短期大学生活科学科生活科学専攻・2年前期開講科目
(2002年は月曜日3限,コンピュータ演習室にて開講)
●目標・講義内容
地球温暖化,環境ホルモン,化学物質過敏症など20世紀から引き継がれた多く
の環境問題を解決するために迎えたはずの21世紀。その初頭から対米同時多発テ
ロ事件に続いて起こった炭素菌事件による生物・化学兵器への脅威や,私たちの
食生活を震撼させた狂牛病のニュースにより,「豊かな生活」から「安全な生活」
を考えるべき時代を迎えた感があります。そのような中で,インターネットなど
から正しい情報を集めて自分のくらし方を考える手段を模索します(簡単なキー
ボードとマウスの操作ができることが望ましい)。
Webページ(http://www2d.biglobe.ne.jp/~chem_env/home.html)参照。
●テキスト
本間,「2時間即決 環境問題」,数研出版(1999)
※参考図書
本間・川端,「パソコンで見る動く分子事典」,講談社ブルーバックス(1999)
吉村・本間ほか,「グリーン・ケミストリー」,三共出版(2001)
本間ほか,「ダイオキシン100の知識」,東京書籍(1998)
●評価方法
小テストと課題レポート,およびインターネット上の公開掲示板への書込み内容で成績を評価する。
<運営人からのコメント>
iモードでの化学教育に取り組んでおられる意欲的な教員です。
学生の学習用に紹介しているHPの数は、半端ではありません。
Bioethics
大阪市立大学総合教育科目
後期水曜5限 文学部 土屋貴志
●科目の主題と目標
生命倫理学(bioethics)ないし医療倫理学(biomedical ethics)のトピックのうち、臓器移植を
取り上げる。本科目は、臓器移植をめぐる倫理的問題に関して、学生諸君が自分の意見を持ち、
その意見を倫理学的に根拠づけられるようになることを目指す。
●授業内容・授業計画
授業では具体的に以下のようなテーマを取り上げる予定である。
1. 臓器移植とは
2. 人工腎臓と腎移植
3. 和田心臓移植事件
4. 脳死
5. 移植用臓器の配分
6. 臓器売買
7. 異種移植
8. 再生医療
これらのテーマについて、講義やプリント資料、ビデオ視聴などによって基本的知識を得た
あと、問題点を絞り込み、そこで下される倫理的判断を抽出し、その根拠を検討する。
倫理的判断の根拠の検討にあたっては、グループディスカッションや討論なども取り入れる。
●評価方法
担当教員は、授業期間中に数回課すレポートの成績に、授業への参加姿勢などを勘案
して評点原案を作成する。受講者は、半期にわたる自らの学習活動を評点化しその
根拠を記した「自己評価レポート」を最終授業時に提出する。担当教員は評点原案と
自己評価レポートの内容を突き合わせて成績を決定する。
●受講者へのコメント
1. 所定の事項を記入した受講カードを提出すること。受講カードは所見と評価を記録する
「カルテ」として用いる。受講者は受講カードの記載内容をいつでも閲覧できる。受講
カードは学期終了後に受講者に返却する。
2. 受講者の顔と名前を覚えたいので、顔と氏名を売り込むこと。履修登録者数が30人を
越えた場合は、顔写真の受講カードへの貼付を受講者全員に義務づける。
3. レポート・自己評価レポート・受講カードを学期終了後に返却するので、所定の返却用封筒を提出すること。
4. 受講カード・自己評価レポート・返却用封筒の三つのうちいずれか一つでも未提出の場合は履修放棄とみなす。
●教材
教科書:とくに指定しない。
参考書:授業中に適宜紹介する。
その他、プリント資料を配布したり、ビデオを上映する。
<運営人からのコメント>
授業中は授業中でしかできないこと、例えば、プリント配布、質疑応答、ビデオ視聴、
グループディスカッション、討論しか、やりません。つまり、事前に読んできて、不明点を
授業中に質問せよ!ということです。やる気のある人にはピッタリの科目です。
http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/~tsuchiya/class/class-index.html
奈良大学社会学部 平岡義和 後期 木曜2限(10:40〜12:10)
教室:C302(予定、受講人数によっては変更もあります)
テーマ:環境問題のリスクに関する社会学的分析
概要・内容
環境問題は、汚染という「リスク」による加害−被害現象です。しかし、同時に、その
リスクは不確実で、社会が何をリスクと見なすかという「社会的構築」が問題の帰趨
を左右すると考えられます。そこで、本講義では、様々な環境問題を取り上げ、その
加害−被害構造、その社会的構築の態様について、社会学的な分析を試みます。
そのことを通して、現代の環境問題を考える際の社会学的な枠組みを提示しようと
思います。なお、授業では、ほぼ毎回ビデオを使用します。
1.環境問題の歴史
2.足尾鉱毒事件
3.熊本水俣病事件
4.微量化学物質による汚染
5.途上国への環境問題の移転
6.地球温暖化
7.環境問題の加害−被害構造
8.環境問題の社会的構築
テキスト:使用しません
参考文献:参考文献リストは、授業時に配布します
昨年度の授業のレジュメ
下記のホームページで、昨年度の授業の概要を記したレジュメを公開しています。本
年度は、内容的には大きな変更はありませんので、参考にしてください。
http://www.nara-u.ac.jp/soc/staffs/hiraoka
奈良大学への行き方
近鉄京都線高の原駅より、徒歩約20分
または、奈良交通バス 奈良大学行または学園前行で約5分、奈良大学下車
9〜10時台 9:50 10:20(いずれも奈良大学行)
下記は、2001年度分
2001年度通年開講科目
☆舩橋晴俊「環境社会学」
☆原田正純「環境論2−開発・行政・公害」
2001年度後期開講科目
☆中口毅博「エコロジー基礎」←プリント配布用HP開設
2001年度前期開講科目
☆中口毅博「地球環境論」「エコロジー応用」
☆浴野成生「医科学から見た水俣病」
☆橋爪健郎「地球環境エネルギー論」
☆畑 明郎「日本の公害」
☆関 礼子 2001年春の特別講義
中口毅博
(芝浦工業大学環境システム学科)
前期水曜日開講
この授業の目的
この授業では、主として地球環境保全に貢献するための主として地域レベルの政策の考え
方とその内容について、実例を交えた解説を行います。これを通し、今まさに行政の現場で
直面している問題と、変わりつつある政策決定のしくみについて理解することを目的とします。
授業の内容とスケジュール
4/11 <概論>地球にやさしい政策とは レジュメ着
4/18 <事例>パートナーシップによる環境改善活動(豊中市、三島市) レジュメ着
4/25 <概論>環境負荷の少ない交通政策 レジュメ着
5/2 <事例>「自転車のまちづくり」(古河市)
5/9 <概論>地球温暖化問題とその対策
5/16 <事例>地球温暖化防止のための世界の動きと日本の役割
(気候ネットワーク 平田仁子さん)
5/23 休講 (環境自治体会議全国大会のため)
5/30 <概論>環境基本計画の内容とプロセス
6/6 <事例>環境基本計画の策定(日野市)
6/13 <概論>環境マネジメントシステムの国際規格-ISO14001
6/20 <事例>ISO14001の認証取得(二ツ井町)
6/27 <事例>川越市の環境政策(川越市 舟橋功一市長)
7/4 <概論>環境自治体づくりの動き
7/11 <まとめ>改めて地球にやさしい持続可能な社会とは
成績評価の方法
講義の<事例><まとめ>の回に講義内容に関する感想文を提出してもらい
ます。その感想文の提出回数によってのみ評価を行います。試験やレポートはあり
ません。万一欠席した場合、感想文に相当するものを提出すれば認められます。
中口毅博
(芝浦工業大学環境システム学科)
前期火曜日開講
この授業の目的と内容
この授業では、環境の状態、環境への影響を総合的に評価する方法や、そのための
情報を収集する方法を学びます。このことによって、エコロジカルな生活とは何か、エコ
ロジカルなまちはどこかといったことを考えていきます。また評価した結果を他の人に
伝えるプレゼンテーション技術を磨くことも目的のひとつです。
授業の内容とスケジュール
4/10 ガイダンス
4/17 エコ環境情報の種類とつながり
4/24 エコ環境指標とは
5/ 1 市民の目から見た環境評価の方法
5/ 8 自然の持つ環境保全機能を評価する
5/15 水の汚れを評価する
5/22 地球温暖化への影響を評価する
5/29 ライフサイクルアセスメントで環境影響を評価する
6/ 5 自分のエコライフ度をチェックする
6/12 環境計画における指標の役割
6/19 計画の目標達成状況を測るために指標を選ぶ
6/26 情報を収集し伝えるコツ(埼玉県の環境情報をテーマに沿って集める)
7/ 3 発表会
7/10 予備日
授業の進め方と成績評価の方法
授業は講義と実習を交えて行っていきます。実習ではパソコンを使ったり、
グループ別作業を行ったりします。作業の結果を提出してもらいます。成績
評価は作業の提出物のみで行います。試験やレポートはありません。
<HP運営人からのコメント>
中口さんは、NPO法人環境自治体会議環境政策研究所の事務局長さんでもあります。
この春から、芝浦工大の助教授に着任されました。彼の個人HPは以下の通り。
http://homepage1.nifty.com/nakaguti/work/
オーガナイザー・浴野成生(えきのしげお、熊本大学医学部)
熊本大学 前期木曜日5限開講
3月19日開講
[キーワード]
水俣病、メチル水銀中毒、疫学、科学、脳の構造と機能
[授業の目標又は講義概要]
1. メチル水銀中毒・「水俣病」を科学的に明解に理解することを目標とする.
2. 「水俣病」を学問として明らかにすることで,「公害」,「環境汚染」,
「内分泌撹乱物質(環境ホルモン)」等の問題処理の戦略を学ぶ.
3. 「水俣病研究」を通じて,科学哲学を学ぶ.
[授業の内容]
1. 不知火海におけるメチル水銀汚染の広がり,期間を過去のデーターを元に明らかにする
(不知火海沿岸に於ける,住民の毛髪水銀値,へその緒の水銀値,
ネコの毛,肝臓の水銀値,魚介類の水銀値等を総括する.)
2. 「水俣病」の症状を科学的に理解する
3. 「水俣病」における疫学研究を理解する
4. 金属水銀,イオン化水銀,有機水銀の物理学及び生物学的性状の違いを理解する
5. メチル水銀による生物(ネズミ,ネコ,類人猿)に対する傷害機構を理解する
6. メチル水銀によるヒト大脳皮質傷害の機構を理解する
7. 生後メチル水銀によって傷害された「水俣病患者」の症状を理解する
8. 胎児性水俣病患者の症状を考える
9. 海外のメチル水銀中毒に関する学術的な発表を学ぶ
10. 日本国内の「水俣病」研究とメチル水銀中毒研究を学ぶ
11. 「水俣病」はメチル水銀中毒と異なるのか否かを考える
以上のような項目に関して,
甲斐文朗先生(熊本大学理学部名誉教授)
津田敏秀先生(岡山大学医学部衛生学教室)
西村幹夫先生(元朝日新聞記者)
西村肇先生(東京大学工学部名誉教授)
二宮正先生(熊本大学医学部第二解剖学教室)に
協力していただいて講義を進める予定.
受講者が50名を超える場合は,レポートの内容による選抜を
行いたいと思います.基本的に興味のある人に受講してもらうことを希望します.
<HP運営人からのコメント>
言語明瞭・論理明快にして覇気のある、若き医学部教授による初挑戦科目です。
鹿児島大学 全学共通教育科目
前期・金曜日1時限目
昨年の教室は旧教養棟・階段教室2号教室
大学はその時代のもっとも深刻な問題を、民衆が考える場として始まった。
環境問題は学校で教わったり、世に言われていることを無批判に信じる
のでなく、批判的に行動することから始まる。本講は、市民として環境
問題に取り組んだ者のみが語りうる貴重な経験をもとにしている。
1 環境問題の原点・水俣病事件からアジアの産業公害へ
谷 洋一
(アジアと水俣を結ぶ事務局長・当大学在学時代から水俣にかかわる)
モノとカネのあふれる日本の陰で水俣で何が起こったか、その経験が生か
されず、様々な公害がアジアで多発した。そうした歴史を検証する中から、
環境ホルモンやダイオキシン問題を考えます。そしてアジアの公害の調査や
支援を行う中で、「開発途上国」と「先進国」とのありかたも考えます。
2 原発の危険性
菊地洋一
(元原発技術者、現在自然写真家として串間市在住)
あり得ないはずの臨界事故が東海村で起こり、死者や多数の被曝者がでた。にも
かかわらず、 国は「温暖化対策として原発をさらに20基増設しなければならない」
としている。処理不能の「死の灰」はどうするのか、データを捏造してまで進めようと
する「プルサーマル計画」とは何か。原発技術者として建設にかかわり、その実態を
知り尽くした立場で一人の人間として心を込めて熱っぽく語りかける講師の話は、
聞く者の心を動かし、目覚めさせずにはおかないだろう。
3 エネルギーとエコロジー・これからの社会
松下修(自然計画)・福田英二(市民講座:風の学校主催)・橋爪健郎
自然にやさしい社会は、ある日突然与えられるものではなく、個人や自治体による
小さな試みの、積み重ねから始まり次第に社会を変えていく。欧米では太陽光、風力、
バイオマス等々の自然循環エネルギー中心のエコロジー社会へと着実に変革を遂げ
つつある。日本も自然循環性のエネルギーに関して資源大国であるが、過去の経済
価値に拘束されその動きはあまりにも不十分である。新しい社会には、何が必要なの
か、日本で世界で今どのような新しい動きがあるのか、私たちが何ができるのか、
国内外の最新の情報を駆使して論ずる。
4 実は全くのボランティアの講師が毎年特別講師として参加してもらっています。
昨年度は宮崎市の松本さんに、世界の若者による環境保護活動の取り組みについて
3回やっていただきました。今年はどうしようかな…
テキスト『原発から風が吹く』橋爪健郎編 南方新社
参考書 授業中にその都度指定
授業の進め方 ビデオ、OHPなど映像資料をなるべく活用する
成績評価 レポート (指定した参考書の感想文など)
Environmental Disruption of Japan
商学部 畑 明郎
大阪市立大学総合教育科目
前期金曜日5時限(16:30〜18:00)
杉本キャンパス旧教養地区内3号館 320教室
初日は、4月13日
●科目の主題と目標
明治維新後の日本の近代化とともに、足尾鉱毒事件、別子煙害事件、小坂煙害事件および
日立煙害事件のいわゆる「四大銅山鉱害事件」が起こり、大社会問題となった。また、戦後の
高度経済成長とともに、イタイイタイ病、熊本水俣病、新潟水俣病および四日市ゼンソクのいわ
ゆる「四大公害訴訟」が提起された。 そして、1960〜70年代は日本公害列島、公害先進国と
言われるほど、全国に大気汚染・水質汚濁などが拡大した。1980年代以降は、公害から地域
環境問題に移行し、さらに90年代には地球的規模の環境問題まで拡大・深刻化してきた。本
科目では、前近代、近代および現代と歴史的に日本の公害を金属産業との関わりで検討し、
無公害生産技術や公害防止技術の発達について考察する。
●授業内容・授業計画
おおむね次の各論順に授業を進める。
1.古代青銅器・鉄器時代の技術と公害の歴史
2.中近世の金属鉱業と公害の歴史
3.近代の四大銅山鉱害事件
4.現代の四大公害訴訟とくにイタイイタイ病裁判
5.土呂久鉱毒事件と全国の土壌汚染問題
6.無公害生産技術と公害防止技術の発達
7.鉄鋼業の公害と地球環境問題
8.金属資源・エネルギー問題とリサイクル
●評価方法
出席率と試験で評価する。
●教材
教科書
畑明郎『イタイイタイ病』実教出版(1994)
参考書
畑明郎『金属産業の技術と公害の歴史』アグネ(1997)
畑共著『公害環境法理論の新たな展開』日本評論社(1997)
飯島伸子『環境問題の社会史』有斐閣(2000)
ビデオも使用する。
<運営人からのコメント>
鉱害の歴史と現状に関しては、日本の第一人者かも
2001年度/法政大学社会学部 担当 舩橋晴俊
開講場所:法政大学多摩キャンパス社会学部棟(東京都町田市相原町4342)
教室は4月に発表
(交通機関:京王線めじろ台駅から、京王バス「法政大学」行き、約10分、
または、JR横浜線相原駅から、神奈中バス「法政大学」行き、約10分)
開講時間帯:火曜日11:10−12:40、通年 (2001年度の第一回は4月10日)
[教科書・参考書]
教科書として、飯島伸子・鳥越浩之・長谷川公一・舩橋晴俊編,2001,
『講座 環境社会学第1巻 環境社会学の視点』有斐閣
および、舩橋晴俊・古川彰編,1999,
『環境社会学入門−−環境問題研究の理論と技法』博文社、
を使用する。参考書については、
開講時に詳細な授業の予定内容と対応させる形で文献リストを提示する。
[授業の概要]
わが国における環境社会学は、環境問題の普遍化を背景に、この10年間に急成長を続け
てきた。また若手研究者の大量の参入により、きわめて活気のある研究領域となっている。
形成途上にある環境社会学の息吹きをつたえるべく、本講義は、巨視的な歴史的視点
を保持しながら、具体的事例研究と理論的考察を往復運動することによって、環境問題に
アプローチする。環境社会学の基本的課題は、環境問題についての社会学的研究である。
すなわち次の諸主題が中心テーマとなる。
@さまざまな環境問題が、いかなる社会的メカニズムや社会的要因によって
発生し悪化するのか(原因論・加害論)
A環境悪化の帰結が、社会の中でどのような人々にどのような損害や破局を
もたらすのか、そこに社会的メカニズムがどのように
作用しているのか(被害論)
B環境問題の解決のためには、どのような形で、政策や制度の形成、ライフ
スタイルの変革、社会運動の組織化が必要か(解決論)。
これらの理論的課題に対して、「公害・開発問題期」と「環境問題の
普遍化期」という二つの歴史的段階に即して検討する。
[授業の構成]
序 講義の予定、受講上の注意、(1回)
A 文明の興亡史と環境との関係(2回)
B 環境問題の二つの段階(2回)
C 「公害・開発問題期」における加害と被害の社会過程(5回)
・熊本水俣病と新潟水俣病を事例に
D 「公害・開発問題期」における問題解決過程(3回)
・反公害運動と制度形成
E 「環境問題の普遍化期」における環境破壊のメカニズム(5回)
・社会的ジレンマ論
・環境負荷の外部転嫁論
F 環境制御システム論−−環境政策と環境運動による問題解決(5回)
・環境基本計画、環境基本条例
・ゴミ問題と循環型社会の形成
・グリーンコンシューマー運動
G 環境問題研究における調査と理論(2回)
H 年間のまとめ(1回)
[受講生への要望]
今日の環境問題の複雑さ、深刻さ、緊急性について、この講義を通して理解が
深まれば幸いである。毎回出席すること、教科書と参考文献を多数読むことが、理解を
深める鍵である。可能であれば、希望者を対象にしてなんらかのフィールドワークを
企画する(任意参加)。本年度も、環境問題について熱心な関心を持つ諸君と
出会えることを期待している。私語厳禁。
[成績評価の方法]
前期試験(50%)と後期試験(50%)による。夏休みレポート(具体的には、読書ノートの作成、
あるいは、環境ボランティア体験レポート)は自由提出とし、提出者は(20%を上限として)加点する。
<HP運営人からのコメント>
これが簡易シラバスだそうですかお、詳細シラバスは、どんなのでしょう?
市ヶ谷では、大学院生向けの講義をされるそうです。
「環境論2−開発・行政・公害」
熊本学園大学社会福祉学部 原田正純
火曜(10:40−12:10,431教室)←昼間部 4月?日開講
水曜(18:00−19:30,427教室)←夜間部 4月11日開講
環境問題は21世紀はさらに深刻化することが予想される。そのためにも20世紀に
われわれの周りで何が起って、何が解決し、何が解決していないかを教訓として学ば
ねばならない。人類はかって経験しなかったような新しい事態に直面している。したがって
従来の狭い学問の枠組みでは到底フォローできなくなってきている。この講座では医学
(人の健康被害)の視点ではあるが、学会、専門領域、専門・非専門の枠を超え、幅広く
弱者の立場から事例を検証し、環境問題の本質に迫ってみたい。
<前期>
1. 足尾鉱毒事件と鉱山による環境破壊
2. イタイイタイ病
3.カドミウム汚染問題
4.土呂久鉱毒病
5.アジアにおける広汎な砒素中毒事件
6.水俣病−発見から原因究明まで
7.胎児性水俣病
8.新潟水俣病−慢性水俣病
9.水俣病裁判
10.世界の水銀汚染問題−アマゾン、カナダ、中国など
11.大気汚染事件−NOx,SOx,粒子状物質
12.四日市公害裁判
13.大気汚染事件−西淀川,千葉川鉄など
14.道路公害−都市公害
<後期>
15.騒音公害−嘉手納基地,道路公害など
16.放射性汚染−放射線の危険性について、チェルノブイリ、ビキニなど
17.ボパール農薬漏洩事件−日本における農薬工場汚染
18.ダイオキシン汚染−その毒性,セベソ事件など
19.ベトナム枯葉剤影響調査
20.食品公害−森永砒素ミルク事件など
21.カネミ油症事件
22.胎盤経由の中毒−メカニズム,事例など
23.環境ホルモン
24.地球的規模における環境問題
25.オゾン層の破壊がもたらす健康被害
26.公害輸出−途上国の環境問題
27.公害裁判の意義
28.行政の対応と被害者運動
29.未来への展望−水俣学への模索
<HP運営人からのコメント>
テーマの広範さからして、先生の見聞や体験からの概論的な講義になると思われます。
さりげない語りの中から、何かの問題に直面した時のモノの考え方、身の処し方などを学べるかも。
芝浦工業大学 中口毅博
〔授業の教育目的及び方針〕
近年、地球温暖化やオゾン層破壊、人口爆発や貧困、食糧不足など、人類や生物を滅亡
に追い込みかねない重大な地球環境問題、さらには地域レベルでの自然生態系の破壊、
産業廃棄物処理場建設問題やダイオキシン・環境ホルモン汚染、生活排水による水質汚濁
などの問題が発生している。本講義ではこのような問題の概要や発生のプロセスを学習する
中で、解決策について自らの頭で考え、自らが何ができるかについて考えることとする。
〔授業の内容〕
原則として教科書に沿って、最近の環境問題とその変化の状況について学習する。使い捨
ては減ったか,私たちの食べ方はどう変わったか,森林や湿地の減少は止められたか、化学
物質による地球汚染は止められたか,空気や水はきれいになったか,自動車への依存はどれ
だけ減らせたか,地球温暖化のスピードは遅くできたかオゾン層の破壊に歯止めはかけられ
たか,生態系の回復はどこまで進んだか,市民・政府・企業は変わったか。 授業の方法は、
まず冒頭でそのテーマに関する自らの行動状況についてアンケート用紙に記入する。次に
日本や世界の状況を担当講師が説明する。最後に市民(自分自身)、企業、行政が
今後すべきことを所定の用紙に記入する(これらの作業を毎回実施する)。
〔評価方法〕
レポート(100%) 授業の冒頭と最後に記入する用紙の提出回数により評価する
〔教科書参考書〕
アースデイ2000日本編「地球環境よくなった?」コモンズ
プリントも必要に応じて別途配布する
(講義終了後、著作権の関係で削除されるそうなので、プリントするならお早めに)
地域の〈環境形成力〉を求めて ---地域づくりとネットワーク---
場所
帯広畜産大学大講義室
日時
2001年3月23日(金)9:00〜16:00(昼食時間・休憩時間を含む)
(2001年度は、未定です)
コーディネーター
関 礼子
講義内容
阿賀の文化と風土を結ぶ・・・・・・・旗野秀人氏
環境教育と地域住民・・・・・・・・・市川徳太郎氏+旗野秀人氏
阿賀野川と常呂川の紹介・・・・・・・ビデオ上映による
常呂のボランタリーな地域づくり・・・辻孝宗氏
講義の趣旨
「快適環境の形成と維持」の担い手として、地域社会の生活者に着目が集まるように
なった。特別講義では、住民にとって暮らしやすい快適な環境の創造に向けた取り組みが
行われている新潟県阿賀野川流域の安田町、北海道常呂川河口に位置する常呂町という
二つの地域からゲスト講師をお招きする。阿賀野川流域の安田町は新潟水俣病の被害地
域であるとともに、阿賀野川流域の文化の発信地にもなっている。北海道常呂町は漁師が
水源地保全のために緑化を行ったこと、観光地である「ワッカ原生花園」への一般車両の
乗り入れを規制するなどの画期的な環境保全策を行った地域である。この二つの地域の報
告から、環境保全的な地域づくりの試みを学んでゆこうというのが、本講義の意図である。
講師紹介
1.旗野秀人氏・・・新潟県安田町在住。熊本の川本輝夫氏(故人)との出会いを契機に
新潟水俣病の問題に取り組む。新潟水俣病の「安田町未認定患者の会(安田の会)の
事務局」として、認定申請しても棄却される未認定患者の行政不服審査請求の運動に
かかわる。映画「阿賀に生きる」(佐藤真監督)を生み出す原動力となった人物であり、
阿賀野川流域の人々それぞれの阿賀野川への「思い」を「それぞれの阿賀」展に結晶
させるなど、幅広い活動を展開。昨年度は民謡歌手で被害者でもある渡辺参治氏と
ともに登壇、新潟水俣病とライフ・ヒストリーについて語っていただいたが、今年は
「地域」という視点から阿賀野川流域の「地域づくり」についてご講義いただく予定。
なお、氏は風土と木造建築にこだわる「旗野住研」の建築家でもある。
2.市川徳太郎氏・・・新潟県安田町在住。職人の世界では「こねて10年、塗って10年」
といわれる左官の二代目であった。三代目に左官の技術を伝承し、現在は趣味の花づくり
のかたわら新潟県の小学校で「公害授業」の講師として登壇している。阿賀野川沿いの
千唐仁で生まれ育ち、その歴史や文化、民俗に詳しい。阿賀野川流域に流れる「知」を
体得してきた市川氏の語りは、「地域とは何か」を照射するものとなるだろう。
3.辻孝宗氏・・・北海道常呂町在住。ボランティアをはじめ、「地域文化」をキーワード
にした活動を精力的に行ってきた。地域に根を下ろして生きる辻氏の役場職員として
の仕事に「ところ通信一九八九〜一九九九」がある。これは単なる町の広報誌では
なく、常呂町の文化を発信するメディアであると同時に、外部の人々の常呂町への
「まなざし」を受信するメディアであるように感じられる。「地域づくり」とは、その地域に
存する資源=魅力を発掘する力であり、そこから自然と人間、人間と人間の関係性
を新たに構築しようとする行為ではないだろうか。地域のなかに張りめぐらされた
関係性のネットを外部へと解放してゆく辻氏の活動から、常呂町における地域に
根ざした「地域づくり」がみえてくる。
<運営人からのコメント>
この特別講義は、新鋭の環境社会学者・関先生の集中講義の一環です。
この機会に、北海道へ旅してみませんか?
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