『 心の羽 』

   雑踏のざわめきの中 行き過ぎる誰もが無表情に見えて ・・・不安になる
   その身の内に様々な心を抱いていても 肉の体は心を覆い隠してしまうから
   愛情 切なさ 悲しみ 憎しみ 嫌悪 苛立ち 慈しみ 不安 孤独 疑惑 慕情・・・
   沢山のハート(思い)が重なり混ざり合い ないまぜの心が素直さに蓋をする

   誰もが心の羽を忘れ広げる事を忘れて 不安に強張り 知らず知らずに凍らせる
   他人の起こす気流を羽に受け 翻弄されていることに気付かない
   独りだと感じたら 孤独を感じたら 心の羽が凍っているんだよ
   見えない羽を見ようと焦れば焦るほど 萎縮し羽は飛ぶことを忘れてしまう

   空を見なければ 心が風を感じなければ 羽は飛ぶことを思い出せないだろう
   ハートが何処にあるのか誰も知らない 心の羽は誰にも見えない
   でも 皆知っている 感じてる
   恋する人と一緒にいる時 小さな親切を受けた時に 心をくすぐられているはず

   誰かがあなたの心をくすぐっているよ 見えない羽の先が 分からぬほどかすかに触れている
   誰かのために何かをしてごらん あなたの羽がその人をくすぐるだろう
   くすぐった羽から伝わって来るよ  楽しさ 嬉しさ 喜び 安堵
   きっとあなたも同じ気持ちになれるはず

   心の羽は見えないけれど 恐れずにしっかり広げてみよう
   突風を受けたり 誰かの羽に激しくぶつかる事もあるけれど
   めいいっぱい広げれば ほら  ほんの少しだけ自分の羽を見る事が出来るよ

   くるくると瞬時に変わる万華鏡 幸せな気分のままじゃいられないけれど
   重なり混ざり合いないまぜになった心が 時々わからなくなるけれど

        心の羽を伸ばそうよ
             心の羽伸ばし風を受けたなら

                    ここに確かに存在しているって感じられるよ


はーと



『 月影の砂金 』



 
  何もない空間に二の腕を差し出して、黙ったまま空を見上げてる
   目に止まる大きな愛を求め
   誰かが気付いて抱きしめてくれるのを、ただひたすら待っている

   降り積もる悲しみの滴に首元まで浸かり
   浮力に爪先立った体は
  微かな水面の揺れにさえ、妙に大きく揺らめく
   不安に怯え、叫び出したい衝動をひたすら押さえてる
   叫び出せば  その口から悲しみがなだれ込むかと・・・恐ろしくて




   何もない空間に二の腕を差し出したまま
   
愛がない、気付いてくれない、誰にも必要とされていない・・・と
   叫ぶ心が雷雲を呼ぶ

   
   大きく差し出されたその腕は、大きな愛しか受け取れないと
                                     いつ気付くだろ
う・・・

 
  愛情は、儚げに煌(きらめ)く月影
   真昼の月に似て、おぼろげに投げかけられる砂金

   
さらさらと  静かに降り注ぐ
   
すくおうと心を向けねば、受けとめられない微細な愛



 
  さらさらと   今も降り続いているよ
   気付きさえすればいつだって、静かにそれは降っている
   大きく差し出したその腕を、ほんの少し胸元に引き寄せて
   取りこぼさないように、そっと

        すくおうと心を向けさえすればいつだって、 ほら。
                  さらさらとおぼろげな月影が、今の今、この瞬間にも






『 単純なリズム 』



     タンタカタン   タンタカタン  単調なリズム
     タンタカタン   タンタカタン  ただの音なのに

     頑張った   頑張った   言葉が乗っかる
     駄目だった  駄目だった   その日によって違った言葉

     タンタカタン   タンタカタン  単調なリズムなはずなのに
     不思議だね   不思議だね   言葉になるよ心の中で


                  タンタカタン  タンタカタン  今日は何て聞こえるかな?














『 指定席 』

    大きなテーブル 複数の椅子
    明るい笑いと飛び交う会話と  あなたの声
    遠かった席が少しずつ近付いて  あなたの瞳にきらめく星ぼし
    瞬く星に私の心も瞬いて  自分の声さえわからなかった  あの頃

    テーブルを挟んで向かい合う
    初めてのデートは気恥ずかしくて
    微妙な距離が嬉しくもあり 歯がゆくもあり
    あなたの仕草  あなたの表情  ちょっとした話さえ
    まっすぐ見つめてた  あの頃

    テーブルを前に  肩並べて同じ向き
    耳に触れる声  感じる体温
    安心感と幸せに  まったりほっこり心地いい
    いつまでも同じ向き  楽しく過ごしてるはずだった


       テーブルを間に向かい合う  ケンカの後の気まずい空気
       まっすぐめに座るあなたの顔を  久しぶりに見つめる私
       あなたの仕草  あなたの表情  なんだか新鮮だった

    テーブルを前に同じ向き  安心しすぎて心がだらけ気味
    楽しく過ごすその日々に  あなたの片側だけを見ていたのね



                  あなたの隣の指定席   たまには離れてみようかな









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