ヴァナで
私はヴァナに来て程なくある冒険者と出会って、2年間を一緒に過ごしました。
これはその思い出を綴ったものです。

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● マウラ

今となっては、いつだったのかを何故はっきり記憶していないのか
惜しまれるぐらいの出会いだったのに。
七月の初めか中頃だったと思う。
ブブリムでPT入ってレベルあげしていた頃。
偶然、3日間連続で同じ人と同じPTになった。
リーダーではなく、お互いに誰かに誘われて入ったのに。
ふざけたやつで、面白いやつとは思っていたが
やっぱり偶然もそこまで重なると、ちょっと気になるし
だんだん呼吸も合ってくる。
3日目のPT終了後、マウラに戻った時エリアチェンジしてすぐの所で
いきなりヒーリングの態勢に入ったあいつから、急にフレ登録の申込があった。
承諾の返事を返すと、あいつは黙ってこちらに向かってお辞儀をした。
今でもはっきりと思い出せる始まりの風景。



● 涸れ谷からセルビナへ

それでも、2人はまだ仲のいいフレンド関係。
そんな中、あいつによく声を掛けて、
2人きりで行動したがる子が出現した。
あいつと2人でいる時にフレ登録を同時にしたので
その子とあいつが一緒にいると、エリア移動とか一緒なので
フレンドサーチですぐに分かってしまった。
その時、自分の気持ちに気が付いた。
いやだった。
でも、私は自分から一緒にいたいとは言い出せなかったし
いつも待ってる感じだったので、彼女の行動力には
かなわないと思っていた。  そんなある日
私は一人でダングルフの涸れ谷にいた。あいつからtell.
「これからそっちにいくから、一緒にやろう」
でも、サーチで見てあの子と一緒に来てるのが分かった。
「ごめん。今日は一人がいい。」そう返すと
私はその場所にいたくなく、故郷のウィンダスに帰ろうと
セルビナ目指して走り出していた。



● コンシュ

走りながら、どんどん気持ちは沈んでいった。tellが来る。
「会いたくないんならしゃあないけど、また今度な。」
また今度?また二人で一緒に来るつもり?
ごめん、それはもう耐えられそうにないみたい。
胸が痛くなった。走りながら涙が溢れてきた。tellを返す。
「今までありがとう。楽しかったよ。」
あいつは驚いたようだった。
「は?もう、会わないってこと?」
「うん。」
「・・・もう、会えないんか?」
「だって、いつも一緒にいてくれる人がいるでしょうに。」
「これでおしまいなんて   いやや
 きらわれたんじゃないよな?また、声かけていいんだよな?」
ふと、サーチをかけると、あいつがあの子と離れて
グスタをこちらに向かってくるのが分かった。
ばか、なんで追ってくるのよ。。
それでも、私は泣きながらセルビナ目指して走っていた。
「どこいくつもりや?」
「・・・かえるの」
あいつのエリアチェンジは早い。チョコボできているらしい。
でも、私はもうマウラ行きの船の中にいた。
ごめんね、さよなら。



● そして再びブブリム

セルビナに駆け込んだあいつの目に映ったのは
すでに入港している船の姿だったらしい。
「間に合ってくれ!」
それだけを思い、あいつも走っていた。


出港した船には数人が乗っていた。
沈んだ気持ちで船室に座っていた私に近づいてくる人がいた。
「今、追いかけないと二度と会えない気がした」
あいつは本当に滑り込みで間に合ったようだった。
「ばか。あの子に悪いじゃない。PT組んでいたんじゃないか。」
来てくれてありがとう、どうしてそう言えない?
「言っておくけど、あいつとはそんなんじゃない。」
もし自分がそんなんじゃなくても、向こうがそう思ってたら
そして、いつも一緒にいたら、同じことだよって
うれしいくせに、追いかけてきてくれてうれしいくせに
まだ気持ちは後ろを向いていた。
だって、一度さよならしてしまった。
うれしさと悲しさがぐちゃぐちゃになって
長い航海の間、私は黙ってしまった。

マウラについて、私は無言であいつに /goodbye
ブブリムで楽相手に狩りを始めた。
あいつもブブリムにいる。
一体私は何をやっているのだろう?
好きだと思いながら、何故追いかけてきてくれたあいつに
背中を向けているのだろう?
時間がたつにつれ、寂しさが胸いっぱいに広がってきた。
次の瞬間、私はあいつにtellを入れていた。
「やっぱり一人の狩りは効率が悪い。」
「うぃ、誘うから希望出してw」



● 南サンド 競売前 その1

あいつはお調子者。
ふざけたマクロが好き。とんでもないことをするのが好き。
最初、サブリメンを見て「俺にはできん」とかいってたくせに
今では「サブリガ最高!」などと言ってすぐ着替えたがる。
しかもタイツタイプのサブリガは、サブリガにあらずなそうだ。
今では二人きりで話してる時も時々その格好になったりする。
また、PTが終わって町に戻る時にいつの間にか脱いでいたりする。
そもそも、初めて一緒になったPTの時も、海に向かって
脱いでいた。 ... /slap (^-^メ

という訳で、あんなに切ないエピソードがある割に
私たちはまるで、漫才コンビのボケ突っ込みのような関係だった。
いや、今もそうだけど。。。
しかも、逃げて追いかけての劇的な展開の後も
お互い「好き」の一言も交わしてはいなかった。
しかも、当時あいつはナンパマクロなるものも完備していて
同じPTになる女の子キャラに
/em は<t>の耳元で囁いた などとやって、
興味を持った子にリンクシェルを配っていたりもした。
女性は口説くのが礼儀、と、そういえばあの頃は言っていたっけ。
当然、あいつが一人だけを想うだろうなんて考えにくかった。
追いかけてきたのも気まぐれか、誰にでも見せるやさしさ
だろうと思うしかなかった。

そんな、もやもやした時間が随分すぎた後
「好き」の一言は意外とあっけなく言ってしまうことになる。



● 南サンド 競売前 その2

なにかのレベル上げPTで一緒だった後
サンドに戻った私たちは、競売前にいた。
フレ登録の話になった。
「俺は自分から申し込むことは、実はそんなにないんよ。」
「私もそうだよ〜。でも、申し込まれたら断らないけどね。
 それでも、大抵の人はそのままだったりするし。」
「ふ〜ん、広く浅くなんやな。」
「え、でも好きになったのは一人だけだよ?」
「ありがとうw」
「...誘導尋問だ〜(^−^;」

しまった、広く浅くの言葉に、異常反応してしまって
むきになって否定して、ついに白状してしまったのである。
「ずるい。言わせたでしょ〜。」
あ、でも誰がなんて言ってないぞ?
ひょっとして、これが白状になっちゃったか。
恥ずかしさでいっぱいになり、また逃げ出したい衝動に駆られたけど
その直後、あいつの気持ちも聞くことになる。
ドラマチックな展開のtellの間には、競売前での会話や
シャウトがごちゃ混ぜになっていた。
出会って数ヶ月目、一緒に冒険していこうと、
今までと変わらないけど、何かが変わった瞬間を迎えた。



● 東サルタバルタ

あいつは冒険が好きだ。一人でどこでも行ってしまう。
レベル的に無理めなとこでも、どんどん行ってしまう。
リンクシェルの会話に加わって、皆で話するのも好きだ。
その性格故に頼まれ事も頼み事も多いから、
後からヴァナで目覚めると、会話に夢中になっていたり
冒険でも置いていかれることも増えてきた。

そのうちにtellへの返事もいい加減になった。
もともと、二人きりでずっと一緒に、ということを望むやつじゃない。
それは分かっていた。縛るつもりはないけど、けど、、、。
だんだん無口になる私。

私がいなくても、楽しくやっていけるんじゃない。
何も言わないけれど、今まで通りに接しているけど
    一緒にいる意味は無いのかも
そんな気持ちが大きくなっていった。
鈍感なあいつは気付かない。
ある日、ついに挨拶のtellにさえ返事がなく
リンクシェル会話に夢中になっていたあいつに
その気持ちは固まってしまった。tell.
「あのさ 君の冒険に私の存在、不要みたいだよね。」


● 東サルタバルタで

さすがに、その時はあいつも気付いたようだった。
「私、邪魔みたいだし、別々に行動したほうがよさそうだよね。
 しばらく離れようと思ってる。」
そう話し掛けると、
その日はそのまま返事を待たずに私はヴァナを去った。

次の日、ウィンで目覚める。
特に何をする気も起きなかった。
もちろん、元気にレベル上げなど考えられない。
西サルタでぶらぶらと経験値にもならない相手に
目的もなく切りかかっていた。
フレサーチで、あいつがタロンギあたりにいることは気付いている。
でも、今日は、今日からは、私から話し掛けることはない。
一緒にいて寂しい思いをするよりは一人の方がいい。
今日は珍しくリンクシェルでも口数が少ないあいつ。
しばらくしてtellが入った。
「最近、確かにみんなとの話に夢中になって
 返事とか、ゆおとの会話とか後回しになってた。
 すまん。」
「謝らないでいいよ。もともと、お互い自分の目的があって
 冒険しているのだもの。そこに、私が不要なら
 無理しないほうがいい。」
「不要なんてことはない!」
「あのさ、昨日急に決めたことじゃないんだ。
 何日も同じ状態が続いたから、決心したんだもん。」
「...すまん。」
「tellで話してても、何か君の表情が見えてこない。
 一度会おう。」
「うぃ...」
さくさくと草を踏む音を立てながら、のどかなサルタの音楽を聞きながら。
もしかしたらこんなに早く終わりがくるのかもしれない、
なんて、自分から言い出した割には、ひどく落ち込みながら。
タロ方面に向かうべく、東サルタへとエリアチェンジ。
あいつに会いに行くのに、こんなに気が重いのなんて初めてだ。



● 東サルタ タロンギ入口

先にタロンギへ続くところへついたのは私だった。
エリアチェンジしてくる人達の中に
息を呑んで、あいつの姿を待っていた。
と、
金の巻き毛を揺らしながら、あいつがこちらに走ってくる。
私の前で止まる、その立ち位置は、いつもより少し距離があった。
いつもなら、まっすぐあいつの目を見詰めている私も
今日はうつむくしかなかった。
無言の時が流れる。
耐え切れずに口を開いたのは、私だった。
「きらいになったとか、そういうんじゃない。
 ただ、私の存在が重いのなら、縛られることはない。」
「縛られてるなんて、思ったことない。」
「だって、離れた方が君のためだと思うから...」

「俺のためなら」
「俺のためなら」
「離れるなんて言わないでくれ。」

「・・・うん」

いつも一緒にいたくて、それ故に離れようとした私。
自分の好きなほうばかり見ているのに、離れたくないと言ったあいつ。
自然と同じようなケンカ、いや一方的に私がすねて
あいつがあやまりにおっかけてくるということが
この後も何度か繰り返されることとなる。

だからあの時も、そんな風にいつもと同じように
元通りになれると思っていた。


● ウェディングサポート

危機が訪れる前に、式を挙げる話があったっけ。

最初に、そのことを知ったのはヴァナ・ディール トリビューンで。
冒険者同士の結婚が認められるらしい。
正式な式だ。

正式な式ではないが、ジュノ上層の教会で
ふたりだけで誓いの言葉を交わし、同じ指輪を交換したことがある。
それで十分だと思っていた。
でも、その記事を読んだ時、皆に報告して祝福されたいな...
という気持ちがかすかに頭の中をよぎった。

なんせ、あいつがああだから、私たちの仲を
知ってる人は知っているが、
リンクシェルの中でも気付いていない人も多かった。
むしろ、公言して欲しい気持ちだってあったけど、
自分たちから宣言しなくてもいい、聞かれたら言うだけでいいという
あいつの気持ちを尊重していた。

「ねぇ、ヴァナ・ディール トリビューン見た?」
「ん?まだ見てねぇ」
「ウェディングサポートって言って、冒険者同士の結婚
 認められるようになるらしいよ?」
「ほう、読んでみるか」

その後、サポートが実際に始まった。
「ウェディングサポート、始まったね〜」
「そうか、じゃ申し込むか」
「う、うん」


ちょっと待って。。。
それって、それがプロポーズ?(^−^;




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