完治に向けて私の目指すところ。
2001年2月10日現在
先日K先生にこの後いったいどうなれば良いのかと、いつ白血病から解放されるのか、その基準はなになのかを詳しく聞いてみた。一般的に5年経てば治ったと言われているが6年経って再発した人だっている。そこで生着後どのようになり、なにに気を付け、どうなれば白血病と縁が切れるのかまとめてみることにした。
●まず今までに感謝
私は不運にも白血病になってしまった。今の医療{あくまでも現時点で}の中でもっと完治が期待される兄弟間の移植を受けることが出来た。以前にも話ましが、血液疾患{各白血病、悪性リンパ腫、再貧}の内、移植が受けられるのは約40%{年齢制限や合併症、ドーナーの問題で}。それ以外は慢性期を出来るだけのばす{かなりの間}インターフェロン、化学療法、新薬の治験となる。インターフェロン以外はどれも予後が悪いみたいである。
移植の中でも兄弟間の5年生存率は70%{1年目2割、2年目から3年で1割落ちる}。非血縁者間{骨髄バンク}の 50%{あくまでも私が告知を受けた1999年の資料で。今はバンクももっともっと高いらしい。
HLAの一致に加え遺伝子レベル一致が必要になってからはかなり高いらしい。}に比べればかなり高いと言える。兄弟間で
HLAが合うのが25%{私の場合二人なので50%。とはならない。4人なら100%とはならないでしょ}なので私がこの移植を受けられたこと自体かなり幸運であるのが分かってもらえるかな。
●今後気を付けなければならないこと
{株}南江堂「がん看護」9〜11月号より1部抜粋
<生着から100日前後まで>
急性のGVHDは何らかの予防を行わないとほぼ全例に重傷のものが発症する。種種の合併症を起こし予後不良である。その予防として免疫抑制剤、ステロイドを使う。私の場合免疫抑制剤はシクロシポリンを使った。今は経口でネオーラルカプセルを使っている。
感染症はこのころ造血が回復してくるので、粘膜障害が修復され好中球数正常化するので細菌、真菌感染症は減少する。しかしこの時期患者の細胞性・液性免疫は、ドナーの免疫細胞により再構築される時期なので、不完全である。そのため、
サイトメガウイルス、水疱・帯状疱疹ウイルス、
アデノウイルスなどのウイルス感染が多く見られる。また急性のGVHDの時期なのでこれが起こると免疫の再構築が遅れウイルス感染がより起こる。
<移植から100日以降>
これが問題。100日以降でいつまでがない。先輩移植患者の方も移植よりこちらが問題と言っている。
慢性の
GVHDはそのコントロールが長期に及ぶ。退院後になるため免疫抑制剤の自己管理、感染予防行動の継続や症状の自己判断が大切である。症状は皮膚、肝臓、消化器官、口腔、眼{ドライアイ、など}、呼吸器を異物として攻撃する。
この時期の感染症は、移植後6月後までにはウイルスに対する細胞障害性T細胞はほぼ快復するので、ウイルス感染の頻度か減るが、この時期液性免疫の快復は未だ不完全なので肺炎球菌などによる肺炎、中耳炎などが多く見られる。
●ここからがやっと本題。
<今後どうしていくか>
→免疫抑制剤、ステロイドを徐々に減らしていく。
<どうなるか>
→GVHDの可能性が増える。{重度の場合は様子を見て上記の薬を調節する。}しかし、次第に許認{言葉は正しくない}。移植されて新しく作られた血が私の体を仲間だと想い出す。こうなればGVHDは徐々に減っていく。長い歳月が必要。
→感染症の危険が減ると同時に大切なのは残存の白血病細胞をリンパ球など免疫担当細胞が攻撃してくれる。
GVL効果{移植片対白血病効果}。白血病細胞はリンパ球にとって2つに意味で異物である。一つは自分ではないと言うことで、もう一つは白血病細胞の持っている抗原が正常でないと認識される。
→白血病細胞が無くなれば、白血病については完治したと言える。
<じゃ、どうやって完治したか分かるのか、または判断するのか?>
FISH法→特殊な方法で染色体異常を起こしている白血病細胞{bcr-abl遺伝子のDNA異常}に色を付ける。それが100個中何個有るかで判断する。3%〜5%ならば正常と見る。3%から5%は正常細胞でも誤差で見えるらしい。少なくとも白血病細胞は増殖していないと見る。{染色体レベル}。でも体に何億個もある白血球の内わずか100個なので白血病細胞が消滅したとは、とても言えない。進展度を計る目安となるだけ。これでもし5%以上になってくるような事が有れば再発の兆候として、
DLT{ドナーリンパ球輸注療法}などの対策を打つ。1月に1度のペースで今後行う。これは末梢血{普通の採血}で出来るから楽。(保険適用)
PCR法→DNA{慢性骨髄白血病細胞の証拠であるmajorーbcrの遺伝子}を1/100万レベルで検査。陰性か陽性かしかでない。あるかないか。今実在の検査方法の中では一番正確と言える。これで陰性になるとほぼ白血病細胞は消滅したと見て良い。さしずめこれが「私の完治に向けて目指すところ」かな。それでも何兆個ある細胞の中100万個なので白血病細胞が全くないかというと確信は出来ない。これは分裂細胞で見るらしい。つまりマルク。{保険適用外らしい。病院の医局日でやる。だから半年に1回ぐらいらしい}。
兄弟間移植の場合退院時にはほとんど陽性であるらしい。が普通に仕事もして良いらしい。1年後、2年後、3年後知らない間に陰性になるらしい。陰性になれば再発の可能性が非常に少ないと見て良い。
●まとめ
結局の所FISH法にしてもPCR法にしても年数が経たないと解決しない。元の立ち返って5年ぐらい経たないと分からない。
そして、私がもっとも悔しく思うのは、こんなに勉強したところで、いざ、再発なり、重度の
GHVDを起こしてしまえば、自分では何も出来ず、またベットの上で、その恐怖と痛みに耐えるしかないのである。医者に任すしかない。やっぱ医者は偉大だ!
◎用語説明
HLA{人の白血球抗原}
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白血球と全身のほとんどに存在するタンパク質。移植にはこれが合うことが条件。6座有ってより多く有っている方が成功率が高い。赤血球はA型、B型、O型、AB型の4つだが白血球はいくつもの型{HLA}がある。 |
抗ガン剤、ブスルファン
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髄液移行しやすく、予防処置をしないと約10%に痙攣が出現する。また亜急性障害として肺毒性(間質性肺炎)がある。 |
抗ガン剤、エンドキサン
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出血性膀胱炎が問題となる。私の場合もおしっこが少ないとすぐに利尿剤を入れられ2時間おきぐらいにおしっこした。心毒性(心筋壊死、心外網膜など)もあり心電図を3日間着けた。 |
造血幹細胞の生着
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提供者{ドナー}の骨髄が患者の体内に根付き造血を始めること。増加した血球が患者由来のもにとなる。 |
臓器障害、VOD(肝静脈閉鎖症)
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移植早期に比較的急速に進行する有痛性の肝肥大、あるいは腹痛がみられる。肝細静脈に閉塞が起こり、その周囲の幹細胞が壊死に至ることがVODの本能である。軽傷例では特に治療を必要とせず、重傷例では肝不全、呼吸不全などの多臓器不全を合併し、致命的になることが少なくない。 |
真菌感染症 |
カンジタとアルペルギルスの頻度が高い。 |
単純ヘルペスウイルス感染症
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単純ヘルペスウイルス抗体を持つ移植患者では、移植後5週間以内80%の確率で単純ヘルペスウイルスの再活性が起こり、口内炎、尿道炎などを発症する。ちなみに私は抗体を持っているが未だ発症していない。 |
GVHD(移植片対宿主病)
GVL効果{移植片対白血病細胞} |
移植されたドナーの骨髄あるいは末梢血・さい帯血とともに輸注される成熟したリンパ球{急性のGVHDを引き起こす。元々ドナーのもの}、あるいはドナーの造血肝細胞から分化増殖したリンパ球{慢性のGVHDを引き起こす。患者の体で作られたドナーのもの}が、患者の組織に対して、免疫反応を起こし、それが臨床症状あるいは検査所見と認識される場合をいう。100日までを急性のGVHD、100日以降を慢性のGVHDという。
簡単いうと作られた血が患者の体をこれは自分の体ではないと攻撃する。一般の臓器移植とは反対の拒絶反応を起こす。
ちなみに残存の白血細胞も攻撃してくれる。
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サイトメガウイルス
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日本成人の80%から90%に抗体陽性でウイルスゲノムを持っている。骨髄移植でウイルスの再活性化で起こる。移植後7週から9週間後頃から発症する。 |
アデノウイルス
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アデノウイルスは扁桃、腎、リンパ球などの生涯にわたって感染している。移植後4%〜5%に見られる。代表的なのは出血性膀胱炎で、移植後一ヶ月から4ヶ月後に発症が多い。有効な治療法はない。五分の一は全身播腫{肝、腎、肺など}そのうち50%は死亡する。 |
DLT{ドナーリンパ球輸注療法}
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ドナーのリンパ球を輸注する方法。慢性骨髄白血病にはよく効く。 |
IVH{中心整脈カテーテル}
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高カロリー輸液や薬剤投与のため、頸静脈や鎖骨下静脈から長細い官を挿入して、先端部分を上大静脈に留置する。私は鎖骨から心臓左心室横の大静脈に留置した。うま会わないやつだった。 |
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