03年2月号(N0.265) 

県交渉
同和行政・同和教育の終結へ
県のリーダーシップを


県連は1月28日、11月7日提出の要求書をもとに埼玉会館会議室で県交渉を行ない、県として同和行政・同和教育の終結を明確にし、終結に向けて市町村への働きかけを強めるよう求めました。

あいまいな県の姿勢を追及
――「対象者」限定事業の即時廃止を求める
冒頭のあいさつで三枝委員長は、最近いくつかの市町村の担当者と話した中で、全解連の運動が今後どうなるかについての質問と、同和行政・同和教育の終結に対する県の姿勢が曖昧であるという感想とが共通して出されたことを紹介し、県として終結を明確にするよう求めました。県を代表して飯島正美同和対策委員長(総務部次長)が、「県政の重要課題として同和行政を推進してきた。今後も早期解決にむけ啓発を中心に具体的施策を実施していく」とあいさつ。
 交渉では、特別法終了の昨年3月に県が示した「平成14年度以降の同和対策関係施策の取り扱いについて」に関する問題と、一般対策に移行した事業が同和事業の延長になっている問題の二点を取り上げました。
 「平成14年度以降の取り扱い」では、その第1項で、「同和地区・関係者に対象を限定する事業は実施しない」としながら、依然として継続されている運動団体への啓発助成(全解連は申請していません)を、16年度終了の計画を前倒しで終了するよう要求。行政等に人数割当てをして4千円の参加費を取っている「解同」の埼玉県研究集会にまで助成金が出されているなど啓発助成の問題点を指摘しました。
 さらに、「差別意識」を理由に教育啓発を継続する根拠はなく、同和教育・啓発の終了を求めました。 
 また、市町村が住民税・固定資産税を減免している結果、県税の住民税も減免されており、「対象者限定の事業は実施しない」とする趣旨に反することを指摘して是正を求めましたが、市町村事業の同和減免に連動して県税が不収となる件数、金額を質しても「調査していない」とするなど、税に対してきわめて大らかな姿勢を示すにとどまりました。
 一般対策に移行した事業が、事実上同和事業の延長になっている問題では、(1)家庭支援推進保育事業、(2)隣保館の運営、(3)児童生徒支援加配の3点を取り上げて交渉しました。

移行事業
――名実ともに一般対策化せよ
 家庭支援推進保育事業は設置自治体も保育園も従来の同和保育所と変わらないだけでなく、「解同」が「人権保育」を主張して、市町村に「人権保育基本方針」を作らせるなど、趣旨が歪められていることを指摘して是正指導を要求するとともに、一般事業としての活用を市町村に周知することを求めました。
 隣保館の問題では、運動団体の事務所が置かれていたり、運動団体関係者が館長や職員となっている実例をあげ従来と変わっていないことを指摘して、一般移行の趣旨が生かされるよう要求。
 その中で、上里町の隣保館で、ディサービスに通っていた高齢者が館の指導員と昔話をしている中で賎称語を使ったと称して「解同」が「確認・糾弾」した問題を指摘し、市民の言動に対する隣保館の対応は許されないとして事実関係を調査するよう要求しましたが、県はあいまいな返答に終始し、県として事実に基づいて問題点を明らかにして解決しようとする積極的な姿勢は示しませんでした。
 児童生徒支援加配問題では、同和教育推進教員と違って学校に加配するもので個人を特定するものでないことを確認するとともに、かつての同和加配配置校に偏重した配置のさらなる是正に努力しているとの教育局の回答があり、推移を見守ることとしました。
 交渉には県連役員と埼教組、埼高教、自治労連の代表が参加し、日本共産党の藤野泰弘県議が同席しました。

比企郡鳩山町
審議会が「終結」を全会一致で決定
――――原案破棄し、地区提案の修正案を可決

 2月12日に開かれた鳩山町の同和対策審議会で、同和教育・啓発の継続を柱とする「答申案」を町当局が提案。これに対して、同和地区住民代表の委員から「同和問題は解消したととらえ、今後は、障害者、子ども、女性、高齢者等にかかわる人権問題を重要な柱として取り組む必要がある」とする対案が出され、協議の結果、全会一致でこの修正案を審議会の答申とすることが決定されました。
 鳩山町の同和地区からは、59世帯中55世帯が賛同(反対3世帯、棄権1世帯)した署名を添えた「要望書」が審議会に提出され、また「町で解決している同和差別のために税金を使うのをやめて下さい」との署名が1週間で830人集まったことも報告されました。
地区から提出された「要望書」には、(1)住宅・生活環境面での整備は充分、(2)「インターネットや結婚問題などに差別がまだある」とするのは「先に差別ありき」だ、(3)現実離れした同和教育がされている。正確・公正に教えること、(4)行政の力で押しつける同和教育推進協議会など不要、(5)集会所を一般の公民館に、(6)解放同盟支部を窓口とする同和行政に不信感を持つ、などの内容が盛り込まれています。
審議会で同和教育の必要性を述べた当局に対しても、住民代表委員からは「心の問題まで教育しないでほしい。差別された時の予防などもいらない」と意見が出されました。 (詳細次号で)

長野県・田中知事
――同和事業廃止の方針を確認

 長野県の田中知事は2月唐22日、同和対策事業の即時廃止を求める県人権共闘会議との交渉で「みなさんと
同じ方向で考えている」として補助金や委託料の廃止の方向を確認。「解同」が独占的に使用している隣保館や
集会所についても「ただちにチェックし現状を改める」と回答。田中知事は「県がこうした姿勢を示す中、市町
村がどう取り組むかを明らかにするのが、税金を払っている住民への務め」と、市町村の同和行政のあり方にも
言及しました。

児玉町
「差別発言糾弾」に「感謝」
「解同」の書籍850册購入
 国学者・塙保己一の生家(国指定史跡)を町が買収する過程で生じた疑惑問題を町議会が解明している最中に、突如持ち出された一議員の「差別発言」問題(02年3月14日)。「発言」は、議会に参考人として呼ばれた解放同盟員の不動産業者が8カ月も前の「発言」をメモしておいたものとして持ち出され、「言った、言わない」から「確認会」「糾弾会」に進み、議員が「差別発言」をしたと「認め」、本人と議会、町当局(町長・教育長)が「反省文」をそれぞれ提出して、一応のケリがつけられましたた(町当局の「反省文」は02年7月1日付)。 二人だけの会話の中の「発言」。その一方が記録しておいたという「メモ」を唯一の根拠に展開されたこの「事件」の結末は、何とも言えない後味の悪さです。
 町の「反省文」は「確認会や糾弾会を通して、多くのご指摘やご示唆等をいただきましたことに心より感謝申し上げ」と書き、例によって「発言者個人の問題でなく、町議会全体の問題」「町民の中に広く根強い差別意識が依然として残っているものと推測されることから、町全体の問題として受けとめなければなりません」などと非科学的なことを述べ、結果として、従来からの字別懇談会等をはじめとする「啓発・研修」をさらに広げる形で、議会、公私立全保育園の保護者、小・中学校PTA、小・中・高校教職員、町職員、企業などを対象とする各種の「研修及び啓発実施計画」が立てられました。
その「計画書」の最後に、「冊子・『埼玉の部落』購入850冊」―議員及び各種研修会参加者に配布」――。
 この「冊子」は、「解同」県連発行の書籍で一冊千円。1997年に「解同」の要求で全県の自治体が税金を使って数百冊ずつ購入しており、その年児玉町でも大量に購入した書籍です。


第14回東日本女性交流集会
――発展的転換で学習と討論・交流
 第14回東日本女性交流集会が1月31、2月1日の両日、土浦市で開かれ、都県連の女性代表50人が参 加しました。
 集会の基調報告をした内海ハル子東日本女性部連絡会議代表が「同和を冠したものを終結させることをはじめ、
最終段階の課題を明らかにすることが今集会の意義。各県の活動を交流しましよう」と述べ、千本美登・東日本
地方協議会議長が「30年間定期的に集会を開催してきた意義は大きい。女性の視点からの多様な運動は、発展
的転換にすでに踏み出していることを示している」と激励しました。
 7都県連女性部からの活動報告の後、新井直樹全解連書記次長が「部落解放運動の発展的転換をはかる基本方
針の具体化」と題して講演。新井書記次長は「なぜ解散せず転換するのか」について、水平社以来八〇年の運動
の教訓から学ぶこと、一部に偏見や結婚の問題があるものの社会問題としての課題は解決された、残された課題
が古い意識によるものか特別の事業の継続や「解同」の確認・糾弾などによるものなのかを見極める必要がある
こと、さらに「人権教育・啓発」で国民の意識を管理・統制する動きがあることを指摘し、これを「個別課題」
「地域問題」とせず新たな住民の参加も得て、人間らしい生活ができる地域づくりの運動に発展させたいと語り
ました。
 集会二日目、千本議長の講演で、嫁・姑の関係や女性の社会進出と生き方の変化など身近な問題を通して、少
数意見の尊重と多様な生き方を認め合うことの大切さなどを爆笑を交えて学習しました。
 二つの講演と各県の活動報告を受けて、10人が発言して討論が行われ、最後に内海代表が「どの発言も本音で
語られた。女性はありのままに話せるところが素晴らしい。要求に基づいて地域住民とともに運動を広げて行きましょう」とまとめをして集会を結びました。
 来年の東日本女性交流集会は埼玉での開催を予定しています。


福岡県同教・教員公費派遣違法訴訟
――
国民融合埼玉県会議が福岡地裁に要請書

福岡県教育委員会が、民間団体の福岡県同和教育研究協議会(県同教)事務局に現職の教員10人前後「研
修」名目で毎年派遣しているのは公金の違法支出であるとして、全解連や退職教員を中心とする県民が県知事を
相手に裁判をおこしています(「福岡県同教訴訟」)。3月下旬に判決が出される予定ですが、この裁判につい
て、国民融合をめざす部落問題埼玉県会議は福岡地裁に「公正・正当な判断を求める要請書」を出しました。

福岡地方裁判所
  裁判長 横山 秀憲 様
   (一)平成一二年(行ウ)第一八号 公金違法支出損害賠償請求事件(一陣)
   (二)平成一三年(行ウ)第三四号 公金違法支出損害賠償請求事件(二陣)
   (三)平成一四年(行ウ)第三九号 公金違法支出損害賠償請求事件(三陣)

 法の公正な執行のために、連日ご尽力をいただき感謝いたしております。
 さて、標記の事件、結審につづき間もなく判決が出されるとのこと、遠く埼玉の地でもその動向にきわめて深い関心が持たれています。
 貴裁判所が、公正・正当で、なお歴史の検証にも十分にこたえうる判断を下されることを下記のとおり要請いたします。
       
1 標記事件の判決については、埼玉県内でも、行政当局や管理職・かつて「同 和教育」に「推進教員」等として関わってきた多くの教職員が注目していま す。それは、福岡県の「派遣」実態が、比類のない「特定運動団体への便宜供与」であることは誰の目から見ても明らかであり、そのことに対する明確 な判断が求められているからです。
2 長い間、同和問題・部落問題に関わっては、特定の運動団体の「脅し」に 行政当局が屈服し、癒着・馴れ合いを続けてきました。その結果、東北・北海道地方を除いてほぼ全国で、地方自治体の「同和対策予算」が食いものにされ、行政担当者の「堕落」を生み出し、特定運動団体を「太らせて」来ました。
 これらの問題に関しては、一部の刑事事件を除いて裁判すら起こされてき ませんでした。正に「タブー」として多くの国民も行政当局も「見て見ぬふりをし」「蓋をし」「我慢し」てきた問題です。
  貴裁判所が、これまでの「タブー」と一切縁を切り、法と国民の常識に基 づいて、公正・正当な判断を行うことは、「法」が終了し、二一世紀を迎えた 今、きわめて重要です。
3 この裁判で公正・正当な判断が下され、特定の運動団体と一体の民間研究団体への教育公務員の「派遣」が誤りであることが明白となれば、全国各地で同様な圧力に苦しめられている地方自治体の行政担当者にも大きな「支え」 ができます。「同和」関連予算の大胆な削減・廃止にも道が開けます。そして何よりも、真の同和問題の解決を早めることになります。
 
 以上、遠く埼玉の地から心をこめて貴裁判所に要請する次第です。

――――――――――――――――2002年12月28日     
―――――――――――――――――――国民融合をめざす部落問題埼玉県会議
                      

コラム「本流」記事
――えせ同和行為の本質

  最終段階の課題の一つ、エセ同和行為について、埼玉県のホームページは「同和問題を口実として行われる不法、不当な行為や要求をすること」「同和地区の人々や同和問題の解決に真剣に取り組んでいる民間運動団体に対するイメージを損ね、同和問題に対する誤った意識を植え付け、長年にわたる啓発の効果を一挙に覆す」「同和問題解決の大きな阻害要因として断固排除しなければならない」と説明する▼交渉でも、県は中小企業に至るまでパンフを配付したり企業を集めての講習会などを実施している、と回答。その労は評価しながらも、何か違う、どうも問題の本質をはずしている、という感を否めない▼被害者を出さないと同時に、相手に利益を供与しないことでエセ同和行為をなくせる、という図式である。先のホームページは「同和問題を正しく理解するとともに、安易に応じることが、えせ同和行為をはびこらせるだけでなく、結果的に、同和問題の解決を妨げることになる、との認識をもって対応することが必要」と説いて、責任の一端を被害者(企業や県民)の側に向ける▼そもそもエセ同和行為を始め、今もおこなっている本体は「民間運動団体」ではないのか、確認・糾弾がその背景とも温床ともなっている点をどうするのか、という本質を突かない取り組みは、「労多くして‥‥」になるだけでなく、本体の悪をも免罪する。