2003年12月 3日

埼玉県知事  上 田 清 司  様
埼玉県教育長 稲 葉 喜 徳  様

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^(全解連)
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^埼玉県部落解放運動連合会

暮らしと人権、福祉、教育の充実を求める要求書

部落問題(同和問題)解決のための日頃のご尽力に感謝申し上げます。
さて、33年間にわたる法に基づく同和対策の特別措置は昨年3月末をもって終了し、「もっとも深刻にして重大な社会問題」とされた部落問題は、基本的に解決できる状況に至りました。これは国と自治体の解決に向けての行政施策による条件整備と部落住民自身の主体的努力とが相まって成果をあげた結果です。
部落問題解決の総仕上げを図るために、「同和地区」や「同和地区住民」といった概念が法的・行政的に消滅した今日、自治体レベルにおける同和行政・同和教育を終結させることが急を要する課題となっています。その上からも、「一般対策への移行」とされた事業や施策が従来の同和対策の継続であったり、利権あさりや「エセ同和行為」が解消されないという実態を放置しておくことは許されません。
県においては、「人権が尊重される社会を目指して」、「埼玉県人権施策推進指針」が策定されました。大型開発見直し、クリーンな県政、安全・安心の県政の実現などを公約さておられる新知事のもとで、県民一人ひとりの人権が尊重され、県政のあらゆる分野で人権尊重の視点に立った施策が総合的に推進されることを強く願うものです。
つきましては、部落問題解決の総仕上げをはかるとともに、暮らしと福祉、教育を充実させるために、下記の事項の実現を要望致します。なお、本「要求書」についてご回答頂き、それにもとづいて交渉したいと存じますのでよろしくお願い申し上げます。

要 求 事 項

1、県庁内の組織改変により、「同和対策課」が廃止され新たな課に統合される計画に関して、次の事項を実行すること。
(1) 同和対策特別措置法以前を含め、長期にわたって行なわれてきた県の同和行政、同和教育行政を総括すること。
(2) 県としての特別対策終結を県民に明らかにし、広く県民に知らせる措置を取ること。
(3) 統合して新たに設置される課の設置目的と業務内容を明らかにすること。
(4) 同和対策委員会の今後の方向性および部落問題に係る運動団体との対応窓口の方向性を示すこと。
2、「平成14年度以降の同和対策関係施策の取扱い」について、次の事項を実行あるいは明示すること。 
(1)「今後の同和対策関係施策(1の但し書きを除く)は、3年以内にその見直しを行う」との規定にもとづく、見直しの情況を示すこと。
(2)「1の但し書き」(同和地区・同和関係者に対象を限定する事業は実施しないが、特に経過措置が必要な事業については、終期を設定したうえで計画的に削減・廃止する)に規定する事業内容と予算、終期、計画的削減・廃止の具体的な内容を示すこと。
(3) 役割を終えた同和教育と同和啓発事業を終了すること。
(4) 部落解放同盟などが要求している新たな「同和行政の基本方針」を策定しないこと。
3、部落解放運動団体と市町村行政の癒着が、部落問題解決の大きな障害となっている。癒着の根本原因は、昭和51年5月策定の県の「同和行政推進についての基本方針」に示された「行政と運動団体の役割と立場の違いを明確に区別する」との原則から市町村行政が逸脱していることにあり、県として市町村に働きかけること。同時に、「基本方針」に反する行動を行なっている人権政策確立要求運動埼玉県実行委員会との対応をやめること。
4、エセ同和行為を根絶するために、広報や相談窓口業務の強化に努めること。
5、一般事業に移行した隣保館の在り方にふさわしくない実態が依然として見られる。早急に是正するよう関係市町村に実効性のある働きかけをすること。
6、家庭支援推進保育事業の実施情況を明らかにすること。また、「人権保育」に名称変更して継続されている「解放保育」をやめさせること。
7、介護保険制度に関する保険料や利用料の減免制度を充実させること。介護保険利用にかかる県の施設整備の拡充に努めこと。
8、職安配置となった職業相談員の賃金改善と通勤費の支給等、職務がまっとう出来るよう埼玉労働局に要請すること。
9、一般移行した営農コンダクターの今後の方向性を明らかにすること。
10、公平・公正な税務行政を行うこと。
(1) 市町村が、条例や要綱により実施してきた「同和減免」は、地域改善財特法の失効により根拠を失っている。県税に関しても、申請者に対して同様の減免が行われており、早急に是正すること。
(2) 運動団体による「特異な納税行為」は、半ば公然と行われており、エセ同和行為の最たるものである。引き続き国に是正を求めるとともに、埼玉県商工会連合会(小規模企業経営支援室)配置になった経営指導員の関与があった場合は、厳正に対処すること。
11、埼玉高等学校奨学金制度は、貸与にあたっての成績条項撤廃と所得条件の緩和等、利用しやすい制度に充実させるとともに、奨学金本来の趣旨にたって給付事業に改善する方向をめざして返還免除規定の緩和を図ること。
日本育英会廃止・独立行政法人化にともなって高等学校奨学金事業が都道府県に移管されるが、埼玉高等学校奨学金制度との関係を明らかにすること。
12、応募者の人権を保障し、思想・信条・性別・障害等を理由とする就職差別をなくすよう企業や団体の指導を徹底すること。新規学卒者、とりわけ高卒者の就労確保に全力を尽くすこと。
13、同和教育加配教員制度が廃止され、児童生徒支援加配教員制度となったが「人権(同和)教育」担当など、事実上これまでの同和教育推進教員の継続となっている地域や学校が依然として存在する。趣旨にそった適正な配置となるよう是正すること。
なお、県単独事業が廃止された理由を明らかにすること。
14、30人以下学級を早急に実現し、行き届いた教育ができるようにすること。「県民一人ひとりの人権が尊重される社会の実現」のため、高等学校の統廃合は行わないこと。同様に、夜間定時制の統廃合も行わないこと。
15、小学校からの通学校区の自由化は行わないよう市町村に働きかけること。
16、「埼玉県人権施策推進指針」の「分野別人権施策の推進」から、同和問題の項目を削除すること。
17、国立ハンセン病療養所「菊池恵楓園」入所者を対象に熊本県が実施した「ふるさと訪問事業」に際し、「ハンセン病元患者」を理由にホテルが宿泊を拒否するという人権侵害事件が発生し、国の誤った隔離政策の責任とともに元患者の社会復帰対策や国民への説明の遅れ・怠慢等が改めて問題になっている。
埼玉県として実施している元患者等の要望と権利実態の把握、真に現実的な権利回復の施策の内容を明らかにすること。
                 

                     以上

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