3. 返り点を打つ (2)

3−1 ユニコード
Windows95/98/MeまでのWindowsパソコンでは、内部処理用のコード体系に「シフトJIS」
を採用していましたが、Windows2000/XP では、「ユニコード」(Unicode)を採用しています。
この辺りの話について詳しくない場合は、本サイト内のページ「
国語の先生の為の文字コード詳説
」などを参照して下さい。
実はユニコードには、漢文の返り点専用の文字コードが当たっているのです。
"MS UI Gothic"がインストールされているパソコンで御覧の方は、
下の枠内に返り点の文字が表示されているはずです。
コード番号(ユニコード,16進)は、 "一"=3192 〜 "人"=319F です。
ひと目でおわかりのように、レ点や一レ、上レなどまではありません。
(所詮は印欧語圏の連中のやる事とはいえ、いかにも中途半端ですね。)
細かい話になるとキリがないのできわめて大雑把に言うと、現時点では、
(1) OSが Windows2000/XP のパソコンで
(2) Microsoft Word を使っている時、
(3) フォントに "MS UI Gothic" を指定すれば、
上掲の「返り点文字」を画面表示したり、プリンタで印刷したりできます。
また、これらの文字を入力するには、MS-IME に付属の
「IMEパッド」
を用いたり、コード入力などの方法があります。
ユーザー辞書に単語登録しておけば、さらに利用しやすくなります。
3−2 フォントを自作する(外字)
すべての人にお勧めできる方法ではありませんが、返り点用の文字を「作ってしまう」
という手もあります。実際、「各・尽・数・益」などの右下に付いて畳語を表わす記号
(踊り字)などはJISコードにもユニコードにも該当するものがなく、
厳密には自作するしかありません。

そのうち、比較的簡単な方法の一つは外字の作成です。Windows 付属の「外字エディタ」で作成できます。
作った字形は、シフトJISコード F040/ユニコード E000 以降に割り当てられます。
外字は、基本的にそれを作成したパソコン以外では表示/印刷ができません。
Word の文書ファイル内に外字の字形が記録されているのではなく、
パソコンの中に字形の情報を保存した「外字ファイル」があるのです。
別のパソコンで同じ外字を利用するには、そのパソコンに「外字ファイル」をコピーする必要があります。
とはいえ、自分のパソコンなら何をしても構いませんが、
職場で共有しているパソコンで既に何らかの外字が作成され利用されている場合、
自宅で作ってきた外字ファイルで勝手に上書きしてしまうわけにはいきません
(一つのパソコン内に、外字ファイルは原則ひとつしかありません)。

3−3 フォントを自作する(TrueTypeフォント)
Windows にも、例えば英数字のコードに様々な「絵」を当ててあるフォントがあります。
(例:Wingdings で "zaco's page" と表示 ⇒ "zaco's page")
こうした絵文字フォントのような、全く新しいフォントファイルを作って、英数字や漢字の既存のコードに、
返り点の字形をあててしまう方法もあります。
作成するのは、画面表示と印刷の両方に対応できるTrueType形式のフォントがいいと思います。
作成したファイルをパソコンごとにインストールしないと利用できない点では外字と同じですが、
既存の外字と共存しやすいこと、半角文字も作れる点などが異なります。
オリジナルフォントを作るためのソフト(フォントエディター)はいろいろと販売されていますが、
シェアウェアの「
TTEdit
」が人気です。
ということで、私も TTEdit でひとつ作ってみました。
見てみたい方は、外字ファイルと文書サンプルをご覧下さい。
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| (リンクを右クリック→[対象をファイルに保存(A)...])
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フォント名は「Kaeriten」、種類は欧文シンボルフォント(等幅)です。
サンプル文書はリッチテキスト形式
ですのでマクロウィルスの心配はありません。
kaeriten.ttf をインストールした後、サンプル文書を Word で読み込んで表示させて下さい。
(一太郎で読み込むと行間が間のびします。ワードパッドは縦書きレイアウトに対応していないので、
横書き表示になります。)
このフォントをお手持ちのパソコンにインストールして試用するのは自己責任でお願いします。
それから、ダウンロードした方ご自身が継続的に使って下さるのは構いませんが、
いちおう再配布不可ということでお願いします。
下表は、kaeriten.ttf の文字セットです。
1バイトコード(半角英数字)のフォントとして作成されています。
文書ファイルを縦書きにすると、半角英数字は右に90°回転した状態で表示されるため、
字形は左に回転した形にしてあります。
漢文を入力する段落に対して、ひとたび
[書式(O)]-[フォント(F)...]-「フォント」タブの「英数字用のフォント」
を「Kaeriten」に設定しておくと、
例えば半角で "1"、"6" と入力すれば即座に "一"、"上"と表示されます。
慣れると結構すいすい入力できます。
◆ Kaeriten の文字テーブル ◆
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漢文らしく縦横の漢字配置を揃えるには、句読点も全角の "、" "。" ではなく、
Kaeriten の "、" "。" と空白を重ねることをお勧めします。
カギ括弧も、返り点と重ねるためのものを用意しました。
レ点は "0"(ゼロ) と "L" の両方に同じ字形があります。
一、上、甲、天と一レ、上レ、甲レ、天レは、
キーボード上の同じキー、[Shift]キーを押す/押さないの位置に配置してあります。
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この方法の注意点は、画面上に表示されているレ点や上点は、
パソコンにとってはあくまでも(変な字形をした)"0" や "6" としか認識されていないという事です。
文字列をコピー&ペーストする時、Excel のセルへ貼り付ける場合などはその点に意識がないと
思わぬ結果を生じさせるかもしれません。

(ただし、上掲の Kaeriten はシンボルフォントとして作成したので、Word 上では文字列検索の対象から外れます。
一太郎 Ver.12 では文字列検索・置換の対象となってしまいました。)
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