タイ北部

★タイ北部・少数民族考察

タイ国内には少数民族といわれる人々はなんと70万人以上。数百年という長い年月をかけてチベットやミャンマー、雲南省からタイなどに移動し独自の文化を守りながら生活している。独特の民族衣装や風習には興味深いものばかり。驚くことに、言葉もそれぞれ違う。
ここでは私がタイ北部の旅で出会った少数民族の事を中心に、それぞれの民族の特徴や感じたことをまとめてみた。

表



★少数民族の暮らし(メーホーンソーン)

ビルマやチベット、中国から集まってきた少数民族の多くは、その昔けし栽培(オピウム)で生計を立てていた。
現在タイではけし栽培は禁じられているので、自給自足、出稼ぎ、観光などで生活しているが、生活は楽ではないようだ。モン族以外の民族はほとんど高床式の祖末な家に住み、その下で鶏や猪などの家畜を飼っている。電気や水道が通っていない所も少なくない。
暮らし
洗濯 ビルマ国境周辺には、一つの民族だけではなくいくつか民族が集まって住んでいる所が多く、その民族はそれぞれ違った言語を持っている。同じ土地に住むようになって、それぞれの言葉が混じって「北部タイ語」なるものが出来上がったそうだ。バンコクなどで話される普通のタイ語ではなく、ビルマ語に近い(文字はそっくり)が、ビルマ語とも違うとのこと。
チェンマイ辺りに住む人は、普通のタイ語と北部タイ語を両方使える人も多いという。さらに中国系の人は中国語も話す。
民族間にはこまかなしきたりがあるようで、民族を越えた婚姻もなかなか難しいということだ。でもどこにいっても子供達はいっぱい。ほとんどが10代で結婚し子供を数人産むという事なので、当分民族が途絶える心配はなさそうだ。(写真右は山で摘んできたというライチ。美味しそう!)
ライチ



●カレン族(メーホーンソーン郊外)
タイの少数民族の中で一番多いカレン族。メーホーンソーンにいるカレン族はミャンマーから山を越えてやってきた難民なので、タイ政府が彼らを全面的に保護する訳にもいかず、表面的には左写真のように検閲を作り観光客からお金を取り生活している。暮らしやすい土地を求め移動する民族達にとっては、国境は単なる線に過ぎないのかもしれない。入り口

カレン さて、一口にカレン族と言っても内容はかなり細分化されており、民俗文化もさまざま。メーホーンソーンの郊外にあるカレン族の村は、レッドカレン族のうち3つの支族が暮らしている。最初はカレン・カヤン族。パダウン族や首長族は蔑称で、カレン・カヤンが正式な名前。女性が首にコイルを巻く民族衣装が特徴的だ。(写真右)ここではその民族衣装を着せて記念撮影までさせてくれる。

なぜこんな重いコイルを首に巻くのか?という素朴な疑問。そこで聞いた話では、その昔、民族を途絶えさせないようにと、カヤン族に産まれた男の子には幼い頃から、コイルを首に巻く女性こそが美しいという価値観を植え付けるのだという。その価値観の為に、カヤン族の男性は他の民族の女性に目移りすることなく、同じ民族の女性と結婚するとの事。すごい。カレン
カレン その他にも耳の穴を大きく開けたカレン・カヨー、耳の穴を縦長に大きく伸ばしているカレン・カヤーが同じ村で生活していた。
カヨー(写真上・左)の女の子は自分が映った絵はがきを販売中。カヤーのおばあさんは、銀の輪の分だけ耳たぶが大きく伸ばされている!(写真上・右)



●アカ族(メーサロン)
銀製の派手な飾りが印象的なアカ族。
この帽子に代表される、銀を使ったきらびやかな小物などを売って収入を得ている。私の泊まったメーサロンのアカゲストハウスの軒先にはクラッシックなミシンと作りかけの帽子がたくさん。
アカ
アカ 女性と子供はこの重そうな帽子を被っているのですぐわかるが、写真を撮ると20バーツ請求される。メーサロンの町に出てきているアカ族は若干観光ズレしてるような気がしたが、これも彼らの少ない収入源なので、ちゃんと払おう。



●リス族(メーサロン、メーホーンソーン郊外)
鮮やかなピンク色の民族衣装が特徴のリス族。
メーサロン郊外のリス族の村を訪れた時には、子供達のその旺盛な商売根性が面白かった。バイクタクシーで村に着くや否や、可愛い女の子達に手をひっぱられたと思うと、突然目の前に店を広げ始める。
リス
リス みんな、自分のものを買ってもらいたくて必死だ。「買わないよ」と言って移動すると、移動先にもちゃんとついて来て店を広げる。何回目かにはこちらが根負けして、彼女たちからお土産を買ってしまった。



●モン族(メーホーンソーン郊外)
中国系の彼らの特徴は、家が高床式でないこと。古い木造の家に土間がある暮らしは、昔の日本を思わせる。顔も日本人によく似ていて親しみやすい。土作りの大きなかまどの中は、家畜用の餌とのこと。モン
モン モン族も美しい民族衣装があるが、写真を嫌うということで撮れなかった。
彼らはミャオ族とも呼ばれるが、これは蔑称。モン族の前で「ミャオ」と言う事も許されないので注意。





★ブラックラフ族のお家に宿泊!
メーホーンソーンの現地ツアーで行ったブラックラフ族の一般のお家。
ドライバーとガイドの兄ちゃんと、一日かけて車で各民族を訪問し夕方頃にここへ到着。着いた時に村では若い娘さんが上半身裸で水浴びをしていた!我々の車を見て恥ずかしそうにやっと布を巻く。町では考えられない、こののどかな感じがいい。
ラフ
ラフ そうこうしているうちに、村中の子供達が集まってきた。ガイドの兄ちゃんは用意していたお菓子を私達に配るように促す。子供達は目を輝かして大事そうにお菓子をもらう。旅行者が村に着いた時の挨拶のようなものなのだろう。これでつかみはOK!といったところ?
お家に着くとガイドの兄ちゃんが料理を作りはじめた。さすがに旅行者である私達が、この家の人達と同じものを食すのは胃腸にキケンとの事なのか、水も食材も全て用意済み。おまけに布団まで持参だ。
電気もガスもなく、ろうそくの光の中で、部屋の中央のかまどで次々と料理が出来上がっていく。そしてなぜか、家にもいろんな人がやってくる。
ラフ族の女の子から温かい烏龍茶を入れてもらい、みんなで食事。どうやら、この兄ちゃんが作る食事を目当てに近所の人がたくさんやってくるようだ。またこのご飯が、やたらと美味しかった。
ラフ
ラフ この家に住むのは左写真の親子(お母さんは20歳!)3人とその両親。この20歳の彼女のダンナさんは出稼ぎに行っているとのこと。隣はラフ族の衣装をきた女の子達。この後、私も衣装を着せてもらった。
彼女達はラフ語なので、直接のコミュニケーションはできないが、折り紙や絵を描いたりして楽しく過ごした。夜、トイレに行く時に見た夜空も透き通る美しさ。
もちろんシャワーはないが、標高が高いので夜も涼しく気にならない。明け方、鶏の声があちこちから聞こえてきて目が覚める。朝の散歩が心地いい。散歩から帰るとガイドの兄ちゃんがパンとコーヒーの朝ご飯を作ってくれていた。
朝ご飯が終わると帰り支度。みんなで記念撮影。
ラフ
ラフ ツアー自体は決して安いものではなかったが、内容は充実していた。何よりガイドの兄ちゃんが素晴らしかった。英語、北部タイ語だけでなく、各少数民族の言葉を覚えていて、どこに行ってもその民族の人達と仲良く話している。乾期の一番暑い時で、トレッキングができなかったのは残念だったが、大満足のツアー。一泊二日のとても貴重な体験だった。


★Rose Garden Tour
このツアーは、メーホーンソーンの町にあるRose Garden Tourという所のもの。少数民族の村を回り、ブラックラフ族の家に一泊して400Bくらい。サービスに自信があるのか、値引き交渉には一切応じてくれなかった。
このラフ族の家に宿泊するツアーは、とある旅行者が「普通の事じゃない事をしたい」と言い、思い切ってラフ族の家に頼んで泊まらせてもらったところ、うまくいったので続けているとのこと。これも少数民族とのコミュニケーションが円滑であるガイド氏(写真右の兄ちゃん、もちろん英語も堪能)の手腕によるものだろう。メーホーンソーンのツアーなら、ここがお薦め。歩き方にも載っていて、日本から予約も可能。
ガイド




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