折々の雑文 第9回

ボヨ〜ン、ボヨ〜ン

折々の雑文 #9

 そういえば、今日(3月4日)はプレイステーション2の発売日である。だが、携帯電話すら買えないほどの財政難であるわたしには全く関係ない。せいぜい、コカ・コーラの1000台プレゼント懸賞にハガキを出すのが関の山である。わたしは本屋への買い物のついでに、玩具店に寄った。そこで、小学生がナムコの「リッジレーサーV」遊んでいるのプレイステーション2本体と対面した。プレステ2本体は「俺はただのオモチャじゃねえぞ」と言わんばかりの威厳を感じずにはいられなれないデザインであった。

 それから少しの間、わたしは前の下手な小学生がプレイする「リッジレーサーV」の美麗な画面を眼球に焼き付けた。わたしはゲーゼン通いをしていた中学生の頃、サルのように百円玉を貢いだ初代「リッジレーサー」を思い出していた。そういえば、最近ゲームセンターに行っていない。

 前の下手くそな小学生がコントローラーをわたしに渡してくれた。わたしに代わってくれるようだ。ありがたや。しかし、その横の太った小学生はイヤそうな顔をした。普段温厚なわたくしだが、この場でどちらが優位かはっきりと表しておいた方がいい。その小学生をキッと睨みつけてやった。わたしは一応大学生である。さすがに太った小学生は、後ろに下がった。プレステ2のコントローラーは旧プレイステーションより、高そうなしっかりとした材質で作っていた。やはり世界のソニー。抜かりなし。

 いざプレーしてみると、ブレーキとアクセルはどのボタンかよく解らない。思ったよりも難しいのだ。その時、何回も再スタートをしたのが、太った小学生の怒りを買ったようだ。突然、「リッジレーサーV」のCGで作られたイメージガール(深水藍とかいうらしい)のほぼ等身大ポスターの胸元を触りながら、

「オッパイボヨ〜ン! オッパイボヨ〜ン!」

と叫びでした。なんという小学生だ。すると周りの客が何事かと、プレステ2があるコーナーを注目してきた。短大生風のバイトの可愛いおねえちゃんも、こちらを引きつった目で見つめている! わたしもこいつと同類だと言うことか。ヤバイ。わたしは何故か恥ずかしくなって、冷や汗が出てきた。すぐに例の太った小学生にコントローラを渡し、その店から足早に立ち去った。わたしは小学生の単純なワナに屈した。そこまでしてプレステ2がしたいのか? しかし、この敗北感は一体なんだろう。
 どうやら、小学生をなめてはいけないようだ。

(2000/3/4)

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