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今日
(4/22)の雑学大学は、梅田郁子さんの「長生きしたけりゃ日本食」でした。梅田さんは雑学大学の受講生である主婦ですが、何時もお肌がつやつやして元気な方です。ある時、活力の秘密をこっそりお尋ねしたところ、身体に悪いものは食べないからとのお答えでした。身体にいいという食べ物をたくさんご持参の上、迫力のある実体験をお話されました。
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私は、子供の頃(中学生)は病気がちの子だった。蕁麻疹にかかって十年以上苦しんだ経験がある。大学病院へ行くと、注射をして薬をくれるが、全く治らない。そのうちに寒冷麻痺といって、冷たい風に当たったり、プールに入ったりすると蕁麻疹がおこるようになった。かゆい、かゆいの毎日が続いて、苦しんだ。
病院の薬は、眠くなる副作用があるので、受験を控えて勉強も出来ない。いい薬があると聞けば、すぐ飛んでいって試した。しかし、一向に良くならない。そのうちに、静電気のベッドで病気を治すというお医者さんで治療したのが良かったのか、かかってから一ヵ月くらいで蕁麻疹は治った。
私達の成長期は、食べ物が豊富とまではいえないが、肉屋さん、魚屋さん、乾物屋さんなどが、商店街にそれぞれ店を構えていた。油屋さんなどは柄杓で計り売りをしていた時代である。私の育った家庭は、肉を食べる習慣がなかった。家族五人で満州から引揚てきたという、経済的な理由もあっただろう。魚も、たまにしか食べなかった。
その時代には、私はあまり食べ物に興味を持たなかった。その後、日本の経済が高度経済成長期になって、各家庭も豊かになった時期には、日々の食事の栄養問題が、新聞やテレビで論議されるようになった。商店街には加工食品が出回り、手間ひまかけなくても、お金さえ出せば、美味しいものは何時でも手に入った。
才覚のある商人は、これを合理化というのか、食材を大量に仕入れ、味噌、醤油、塩、調味料で味付けして売るという手段で、利益を得た。食事の世話をする主婦も勤めに出るという生活環境から、便利さが優先して、手軽に食べられるものが食卓に並んだ。私も、そのような生活に乗せられた一人である。
その頃のことを思い出すと、よく風邪をひいた。風邪をひけば、医者にかかったり、売薬を飲んだりしていた。そして、虫歯が多かった。私は肌もざらざらして、自分の父から「サメ肌」といわれていたことを思い出す。色も黒かった。婦人科の検診で「前がん症状」といわれたこともある。
その頃は、勉強もしていなかったので、自分のそれら症状が食べ物に関係があることなど、夢にも思わなかったのである。身の回りにも、病人が多かった。親戚の開業医の奥さんが六十歳で倒れて寝たきりになり、六十六歳で亡くなった。三十三歳の従兄弟がガンで亡くなったり、友達が若死にしたが、元気そうなのに、どうしてなんだろうという死に方だった。疑問に思ったが、この方々に共通していることは、「豊かで、文化的な生活を送っている」ということだった。
疑問の中に、ふっと湧いたのは、食べ物に関係があるのではないか?ということだった。この頃に、吉祥寺の本屋で発見したのが、森下敬一先生の著書「慢性病は食べ物で治る」である。これまでハウツーものは何種類か買って読んでいるが、あまり難しいものは判らないし、易しいものは身にならない。
この本は、食べ物の自然食ではなく「自然医食」を訴えており、判り易い。私はこの本を、ぼろぼろになるまで読みつづけた。病気で苦しんでいる友人に贈ったり、これから結婚するカップルに差し上げたりしている。森下先生は本郷にクリニックを開いているが、患者を入院させるわけでもなく、主に食事指導をしている。ガン患者に対しても同様に、食事療法である。
先生の主張は、「浄血すれば病気は治る」である。つまり、血液が汚れると人間は病気になる。したがって、血を綺麗にすると病気は治るという理論である。私はこの単純な理論に感激した。日頃の疑問が一挙に氷解したからである。私はこの本をむさぼるように読んだ。先生のクリニックは一般の病院とは異なり、会員制である。
会員になると、毎月機関誌「自然医学」が送られてくる。その雑誌そのものが非常に有益であるが、会員は病気になると、家族ともども食事療法の指導をしてもらえるシステムになっている。森下先生は、ガンに冒された中国の毛沢東主席の食事指導をしたこともある。
先生はかって、日赤の血液センターでガンの研究をしておられた。来る日もくる日も、顕微鏡で患者の血液を検査する。しかし、血液に、ガンの細菌は発見できない。これはおかしい。食べ物に関係があるのではないか、と仮説を立てて独立して研究を始めたという。十数年前の先生の行動は、異端児扱いだった。
今では、この研究に光が当たって、末期ガンの患者が訪れるようになった。しかし、ここへ至るまでに患者の身体は、抗ガン剤などの副作用でボロボロになってしまっているのだ。藁をも掴む想いで訪ねてくる患者だが、この段階から始める食事療法では、なんといっても、治りが遅いという。私は十数年前に会員になったが、まだ先生のクリニックのお世話にはならないで、済んでいる。
先生の本を読んで、それを実行し始めたのは、十三年前である。それでも一足飛びにはいかず、試行錯誤の連続であったが、自分流にアレンジして健康を取り戻した。今でも、この本は枕元において、寝る前には必ずどこかのページをめくる。
主人もその頃は、大変な美食家で体重は九十数kgもあった。仕事の関係で毎晩のように宴会、ごちそうが続いていたので、おきまりのコースの高血圧、高コレステロールが検査の度に指摘されていた。私も主婦であるから、たまの夕食には腕をふるって美味しい料理を作った。
森下先生の「慢性病は食べ物で治る」は、美食の戒めである。肉は食べてはいけない。人間の本来の生態は草食動物だから、肉は身体に合わない。動物性の繊維質は、大腸に長時間とどまる。長時間に滞留することが腐敗につながり、身体の中の悪い菌と結びついて、たとえばガンのように一番弱いところに発症する・…という理論である。
なるほど、思い当たるフシがある。悪い食事を採っていた時期には、よく病気をしたし、前ガン症状もあった。主人には、いくら「医は食にあり」と私がいっても判らなかった。森下先生の食事療法の基本は「玄米菜食」である。玄米というと、精米以前の状態で、農薬などが残っている印象を持つ方も多いが、そうではない。
玄米の皮の部分に、お米の最も大切な栄養素が含まれている。特にその繊維質は腸内の宿便を、快通によって排出する役割を果たしてくれる。実際にびっくりするほどの量の便が出て、気持ちがいい。玄米の皮、すなわち、ぬかはミネラルを含んでいる。
病気の原因にミネラルの不足によるものが多いが、玄米はそれを補う。一般に、野菜にはミネラルが含まれていると思われがちだが、レタスとかキウリなどは、ほとんどが水分で栄養素は少ない。ミネラルは野菜の中でも根菜類(ジャイモ、タマネギ、ニンジン、ネギ、ゴボウ)に多く含まれる。
いま流行のドレシッングなどを、西洋野菜に振りかけて食べるのも、よくない。脂肪の採りすぎになる。脂の採りすぎによって、血液に中性脂肪やコレステロールが増加し、血管内に付着することによって心臓の働きが低下する。あるいは脳内の血管を詰まらせ、脳梗塞の原因をつくる。
最近、顔に大きなイボが出きている人を見かけることがあるが、あれも脂の取り過ぎでそうなるといわれている。大腸などの柔らかいとろにポリープができるのも、同じイボの種類である。油が必要な場合は、昔ながらのゴマ油とか菜種油など、少し高くつくが自然な油を用いたほうがよい。葡萄の種からとる油は、さらっとしてコレステロールはゼロという。
このごろ、外食される人が増えている。提供する側は、す早く作って、美味しく食べて戴いくために、油で仕上げる料理を多くする。その方が、回転が速く売上に貢献するからである。デパートの地下のお惣菜売り場も、商店街のお惣菜も油料理が圧倒的である。テレビのお料理番組を見ても、油料理が多い。気のせいかお料理教室の先生方は、みんな太っている。
さて、食事というのは、あまり難しいことをいっても、すぐには治らない。まず、身近なところから少しずつ改善していくことである。私が食事改善を始めた十数年前、家に犬を二匹飼っていた。あんた達も一緒に食事療法をするのよ、といって、私達と同じ玄米ごはんに切り換え、肉もやるのを止めた。犬も健康になり、十八年も生きて天寿をまっとうした。
成人病は、生活習慣病という名の通り、長い時間をかけて体が蝕まれているから、大学病院へ行ってもすぐは治らない。薬では治らないから、日頃の心がけで生活を改善していかなければならない。病院の検査でも、肉食の人の血はすぐ判るという。採血管の中のドローンとした、黒味ががった血液がそれだ。採血で並んでいる素人が見ても、判るくらいである。
魚をよく食べる人の血液は、透き通ってきれいな赤みである。その血液が、だんだん濁ってくると流れが悪くなり、心臓の負担が大きくなる。心臓病の原因は、ほとんど食べ物だといわれている。脳梗塞など、一見食べ物と関係がなさそうだが、脳の血管が詰まる病気だから、脂肪食による血液の汚れやミネラル不足が遠因となっている。
西洋医学は、この病気にはこの薬という処方になるが、森下先生によると、食べ物すべての病気の基になっているのだから、食べ物によって血液をきれいにすれば、すべての病気は治るのである。私の経験でも、たしかに食べ物によって、人の病気は治り、健康になる。ただし、肉を止めて魚にした場合でも、切り身を食べてたのでは、あまり効果はない。
魚を食べるなら、手の平に入るくらいの大きさの、魚の全体食がよろしい。頭から、尻尾まで食べるとミネラルも十分に採れる。その辺の商店街でもシードオイル
(葡萄)などを一本百円で売っているが、紫蘇の実オイルと同様ミネラルも十分で、油を使う場合はこういう自然油を使う工夫をする。私の場合、外食をやむを得ずする時は、てんぷらなら衣を剥がして、中身だけを戴くとかの、身体に対する気遣いもする。
お米は、白米に限るという方もいる。なんといっても美味しいからである。しかし、精白米は身体のカルシュームや、ミネラルを吸収してしまう疑いもあるから、どうしても白米を食べたい方は、別に豆類や、粟、麦、赤米などを炊いて召し上がれ。雑穀数種類をパックにしたものを、自然食の店などで売っている。これに胡麻塩を振りかけると、結構いける。
玄米は、普通の電気釜で炊いてみると、仕上がりが固い。それは、玄米用の電気釜を用意した方が上手く炊ける。炊飯、おかゆ、保温の三機能つきのものが、七千円以下で買える。これは漬け置きもせずに美味しく炊ける。それを保温にしてから、ゆっくり食べる。といっても、そんなに大変ではないから、自分で楽しみながら炊事をすることだ。
水道水に炭を入れておくと、カルキも抜けて水が美味しくなる。ご飯炊きに使ってみると、味がよくなる。炭は時々、水から出して洗って使う。我が家では、主人と二人暮らしであるが、食生活を変えることで、二人とも明らかに健康になった。主人の体重も理想体重に近い。主人は最近、若い人達に「君!太っているよ」と注意するほどである。
主人は、台所のことは何にもできない人だったが、最低、お蕎麦のゆで方ができるように、指導した。私が外出するときは、余分なものを置いておくと食べるから、何にも冷蔵庫には置かないようにしている。主人は仕方なく、お蕎麦を茹でて、かけ蕎麦にして食べている。
私は、むかし何万円もする化粧品を肌にすり込んでも、肌はいつもザラザラしていた。ところが食生活を改善してからは、「ちふれ」という百円化粧品で十分である。肌もツヤツヤして、もうサメ肌とはいわれなくなった。「論より証拠」に、雑穀で炊いたオコワを持参したので召し上れ。これは竹の子の煮物。梅干。とろろ昆布。つねに食べ物とミネラルの関係を考える。
吉祥寺でのお奨めは、伊勢丹隣のロフトの七階、焼肉の大黒屋のランチに「麦飯とろろ」というのがある。これはヘルシーで、美味しい。しかも、食べたあと、ロビーの豪華なソファーに座って、食後のサービスのお茶でゆっくりくつろげるのがいい。お値段は確か、コーヒーもついて七百円くらいで安い。
健康薬として、にんにくと唐辛子をお酒に漬けたものを、時々飲む。梅干は、良否の評価が分かれているが、よく分析してみると、塩分に問題があると思う。塩は一口にシオといっても、天然のミネラル一杯のものもあれば、化学合成の塩化ナトリュムの塩もある。化学塩はコストが安いから、安い梅干は、ほとんどこれを使っている。その塩分が悪者なのである。いい梅に天然塩を使った梅干は、血液のPHをアリカリ性に保つ作用をする。
「私はコレステロールが多くて、お医者からはチーズがいけない、バターがいけないといわれている」という人もいる。チーズは確かにおいしい食品だが、一生食べないでいてもいいものである。脂肪の塊であるから、どうしてもチーズが食べたいときは、カッテーズチーズという脂肪分をカットしたチーズを召し上がるのがいい。結構おいしい。
お酒のつまみは、チーズよりはミネラルの豊富な海苔が、理想的である。食べ物は、「胃袋で食べるのではなく、頭で食べなくてはいけない」。たとえば、パンを食べるときは、美味しいパンにはバターが沢山入っていることを、思い出して戴きたい。
家では、なるべく脂肪分のない調理をして、たまにごま油を使った料理を夕食に出すと、主人は「美味しいね」という。私は主人に「パパ。判ったでしょう。油を使った料理は美味しいのだけれど、身体にはよくないのよ」と子供に諭すようなことをいうのである。太く、短く生きるのも人生だが、身体が気持ちよく、長く生きられるということは、どなたの人生にとっても、いいことではないかと思う。
糖分取りすぎになるため評判の悪いコカコーラなども、最近はダイエット・コーラという新製品出した。でも精糖を使っているから、身体のカルシューム破壊にはやはり、悪影響が残る。そばつゆなどでも、市販のものは甘味料に精糖を使用していているから、自分で作り置きしたものを使った方がいい。日高昆布と椎茸とかつお節を、煮詰めて冷蔵庫に保存しておく。
日本の主婦は、夕飯の間際にならないと支度しない人が多いが、それでは忙しくて大変だから、時間の配分を上手にして考える。たとえば掃除機をかけているときに、タイマーをかけてめんつゆを作るとかをすると、まったく苦痛にならない。薬草を煎じるときも同様である。枇杷の葉をきれいに洗って、乾燥させて保存しておく。その葉を、暇を見て煮出しておく。
枇杷の葉の煮汁は、末期ガンの患者の痛みなども柔げる。よく枇杷の木があると病人が出るという俗説があるが、あれは病人がある家の人が、枇杷の葉を採りにくるのを嫌がって、枇杷を植えるのを忌避した、ということからきている。枇杷の葉は、傷の痛み止めの常備薬にもなる。種の粉末はもっと効く。
男性の脂肪食をする人がよくなる病気に、前立腺肥大がある。この場合、同じ食生活をしている奥さんが、子宮筋腫になることが多いといわれる。脂肪食を止めると子宮筋腫も徐々に小さくなり、前立腺肥大も遅らすことができるといわれている。とにかく脂肪というものは、美味しいけれど、身体にはよくない。
いろいろ、素人の独断と偏見による健康食の話を申しあげたが、何よりの現物見本は私自身である。健康に疑いのある方々は、だまされたと思って玄米食に挑戦し、美食を粗食に切りかえることだ。長生きしたけりゃ、むかしながらの日本食・・・…である。
終わり
(文責 三上卓治) [ホームページに戻る]