REPORT
■概要 日 時: 平成20年11月9日(日)13:30〜16:00
場 所: 天竜区二俣公民館 2F 中央集会室
参加費: 無料
主 催: 浜松市天竜区・多利野冒険学校
参加者:31人(一般19人、行政9人、スタッフ3人)

■内容 【13:30 司会進行あいさつ 多利野冒険学校代表 小粥康正】
【13:35 あいさつ 天竜区地域振興課 課長 佐藤氏】
天竜区がんばる地域応援事業の協働事業としての取り組み
20の廃校の利活用などを推進したい
人材育成やキャンプが今後、予定されている。



【13:40 講演1 時安和行氏】
主旨
・現代の子どもの状況
(1)負の連鎖
小学生の肥満が広がっている。寝るのも遅くなり、朝食をとらない子どもも増えている。朝食をとらないとだるさを感じることが分かっている。遊びの時間が減り、決まった相手としか遊ばない傾向がある。ここ10年くらいで悪循環がひどくなっている。体を使って遊ぶことは、心も育てる。
(2)自然体験が減っている
自然体験が少ない親ほど子どもの自然体験が少ないというデータがある。自然体験のチャンスである夏休みでも同様の結果が出ている。自然の中での遊びはおのずと、自分からやろうという気持ちにさせる。子どもたちと一緒に親が体験することが求められている。

・自然体験活動の教育的効果
(1)心を育てる
道徳感や責任感を育てたりと、子どもの成長にとってなくてはならないもの。
(2)科学的裏付け
脳科学者、人類学者、解剖学者がそれぞれ自然体験の大切さを訴えている。

・国の動向
(1)歴史
セカンド・スクール構想、自然教室推進事業、全国子どもプランなどが実施され、近年では、子どもの重大犯罪が続き、得に危機感を持っている。平成18年では、教育基本法と学校教育法が改正され、自然体験活動が強化された。平成14年の豊かな体験活動推進事業、平成19年に教育再生会議からの提唱を受け、小学校で1週間程度の自然体験活動の方向性が打ち出された。
(2)現在の取り組み
総務省・文部科学省・農林水産省の合同で「子ども農山漁村交流プロジェクト」が始動、今年度「ふるさと子ども夢学校」とネーミングされて、現在、モデル地区として全国で50地区が選定、事業を進めている。

・体験活動を取り戻す取組みの事例
(1)山村留学
長野県や山梨県で年間を通じた取組みを行っている。平成14年で110ケ所、780人の小学生が参加、保護者の7割が有効、2割が将来役立つとのアンケート結果を得て、効果をあげている。
(2)通学合宿
国立妙高青少年の家で合併に伴い、妙高市の全6年生を対象に実施。満足度がほぼ100%という結果を得ている。
(3)武蔵野市のセカンド・スクール
1995年から、長野県や山形県で6泊から9泊の自然体験や共同生活体験を行っている。
(4)兵庫県の自然学校
昭和63年から実施。全県の小学5年生が体験する。教員が2泊ごとに交代して引率している。ここの取り組みが「ふるさと子ども夢学校」のひとつのモデルとなると思われる。

・子ども農山漁村交流プロジェクト「ふるさと子ども夢学校」
1週間ほどの農漁村での体験を行う「ふるさと子ども夢学校」では、今後5年間の間に全国2万3千校での実施をするべく、受け入れ体制の整備と、協議会の整備をすすめる。

・「ふるさと子ども夢学校」の実施に向けて
教員の自然体験への理解が求められる。教員免許の更新講習でやれるではないか。
「ふるさと子ども夢学校」の地域のサポートが必要。専門家のネットワークも必要。



【14:20 講演2 大武圭介氏】
・ホールアースの紹介
(1)概要
スタッフは28人、拠点は芝川町の他4ケ所。全国2000ほどある自然学校の草分け的存在。民間の自然学校では国内最大。1998年 ホールアース自然学校沖縄校(名護)開校。 富士山本校(西富士・芝川町)を建設 2000年 環境庁直轄施設「田貫湖ふれあい自然塾」がオープンし、管理を委託されている。2000年より、行政や企業とのタイアップのため、NPO法人ホールアース研究所を設立。今年、10月には旅行業許可を取得し、エコツアーの企画・実施を行えるようになった。修学旅行の受け入れは年間400校、25,000人になる。2007年、環境省「エコツーリズム大賞」を受賞した。
(2)成功例
2005年度より、「ろうきん森の学校」を開始。労働金庫連合会の50周年記念社会貢献事業として、NPO法人ホールアース研究所が主管となって行うもの。「ろうきん森の学校」は、「日本の里山再生」をテーマに、全国3地区で 森・人・地域を育てる10年間のプロジェクト。毎月、3地区でプログラムを実施している。

・ ホールアースとして「ふるさと夢学校」に向けた取組み
(1)協議会の機能
最近、ふじ食農体験交流協議会を立ち上げた。「ふるさと夢学校」を地域で実現するためには協議会の設立が求められている。協議会をどこにつくるかが課題。協議会には事務局機能として、窓口機能・旅行代理機能・PR機能・コーディネート機能・プログラムデザイン機能などが必要。行政主導ではなく、民間主導で行う必要がある。地域の宝物を発掘し、プログラム化していく。地域でバラバラにやっていることをネットワーク化することで、地域のポテンシャルを高めることができる。何ができるのか、受け入れ人数、費用などの一覧表を作成し、受け入れをスムーズにしていく。

(2)ポイント
4つの確かなこと
1.問い合わせ窓口
 誰に聞いたらいいのかはっきりしていること
2.時間・最大受け入れ人数・料金
 全体の行程やクラスごとでの行動を考慮したわかりやすい一覧表
3.雨天時の代替プログラム
 天候に関わらずプログラムを実施できること
4.安全対策
万全の対策と万が一の対応をしておく



【15:05 講演3 山本薫久氏】
・山の問題は都市がつくった。
都市の負の問題を山村で解決しようとしている。これまで、いろいろと協力してきたが、もう都市のために、何かやるのはうんざりしている。都市のために山村を利用するのはやめてほしい。やりたくない。

・仕組みとしての交流事業
どうして「山を維持しないといけないのか」を伝えることが大切。まちは山に支えられている。行政は森の実態が把握できていない。森林組合も同じ。森の健康診断で実態把握をした。その結果、人工林の約7割が災害につながる危険のある荒廃した森だった。2000年の東海豪雨で河川が氾濫し、大きな被害を出した。森林の荒廃が原因だった。対策の必要性を認識した豊田市で、森の健康診断を始める。ボランティアが2000人も組織され、市民が森へ入り、森林整備の方向性を示すことができた。これが森林行政を動かしていった。水系のネットワークづくりとして矢作川水系森林ボランティア協議会がつくられる。農も水が不可欠。森づくりと統一的に行うことが必要だった。山とまちをつなぎ、すべてを統一的に推進するための「司令塔」と自治的な機能を山村が持つことが課題となっている。また、山村に必要なこと、やらなければならないことを交流プログラムとし、作業を手伝ってもらう企画とすること。お客さん扱いはしない。

・役割
企業は口を出さずに支援をする。行政はやるべきことをやる。山村は専門家に思いをぶつける。行政や援助に頼るのではなく、山村が誇りを持ち主体とならなければ再生はない。

・山村再生のポイント
1.本当にやりたいこと(本気さ)
本当に情熱を持ってやれるかどうかにかかっている。
2.自然とのかかわり
自然とひととの共生を目指す取組み
3.自治的な営み
山村に必要なこと、自分たちのためにやる。
4.田舎が都市を助ける
田舎は宝の山。私は田舎に住み働くようになって感情が豊かになった。
これからは、田舎が都市を助ける時代。
千年持続可能な社会を目指す「千年センター」をつくった。新エネルギーや里山耕、交流居住などに取り組む。新エネルギーといっても、バイオマスなどスローなもの。交流居住はまちとめる山を往復しながら住むということ。
今後、持続可能な社会をつくっていくために天竜区が果たす役割は大きい。浜松市は合併して上下流が一体となり、やれる条件がある。

【15:50 今後について 多利野冒険学校代表 小粥康正】
【16:00 あいさつ 天竜区地域振興課 課長 佐藤氏】
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