北師大短期漢語培訓班風景 〜 上課!



   1 プロローグ

  7月30日(月)午後3時55分(日本時間)、福岡国際空港発の中国国際航空(CA)で出発。
 途中、上海虹橋空港経由のため、上海虹橋空港で入国審査を受けた。
 はじめての一人旅のため、ちょっぴりドキドキしたが、何のことはないパスポートとENTRY CARD
 を審査官に出すと、上目遣いに顔を確認されると、はい、とパスポートが返ってくる。
 一言も、言葉を交わすこともない。緊張したのが、何だったのかと・・・!

  ところが、ところが、乗り換えのため(同じ飛行機に乗るのだが・・・)空港係員からもらった
 カードの搭乗口で待っていると、何だか変だ!
 みんなが、慌てて移動し始めている。
 何とカード記載の12番搭乗口とCAの出発口が違うのだ!
 8番搭乗口なのだ! 慌てた!慌てた! 出発10分前に搭乗。ひやりと肝を冷やした。

  指定された座席に向かうと、う〜ん! 小姐が既に座っているではないか!
 とにかく、「這座我的!」と言ってみた。
  すると、何と早口か! どうも男朋友と一緒に北京に行くけど、座席が離れているので、変わっ
 てくれとのことのようだ。
 よし! かっこよく、明白了!というと、男朋友がにこにこしてやってくる。
 こちらは、一人で。。。。! ヒヤリとしたところだから、無事に北京で出迎えの人に会えるかと
 ちょっと不安が・・・・。

  ほぼ定刻どおり午後7時35分(現地時間 1時間の時差 北京が遅い。以下、時間は北京
 時間)に、北京空港に到着。
 ここでは入国審査がないので、手荷物受取所までスムーズに運んだ。
 手荷物を無事に受け取り、出口に向かって歩き出していくと・・・!
 あっ! 見えた! 見えた! 人混みの中に、「国際交流」のカードを持った小姐が。。。!
 ふぅ〜っと! 気が抜けた。 北京に着いたのだ! 安堵! 安堵!
 出迎えの現地スタッフのYe kou 小姐の笑顔とCun tian 小姐のさわやかさが印象的だった。

  北京空港で、大阪組を待ち、宿舎の牡丹賓館に着いたのは、午後11時近かったと思う。
 ホテルのロビーで、明日の予定の説明を受け、5004部屋へ向かう。
 すでに部屋には、Bian jian君が、荷物を広げていた。
 これから2週間、お世話になる若者だ。
 まずは、好青年と、一応言っておこう!



   2 開学典礼・分班考試〜開講式とクラス分け試験

 ☆ 7月31日(星期二)

     午前9時30分 大学の図書館の5階の大教室で、開講式が始まる。
    開講式には、国際交流ばかりでなく、大手のJ●B、アジア●●など他の団体の参加者を含
    めて総勢70人程度だ。年齢も千差万別、やはり若者が多いが、下は小学6年生から、上
    は退職者、さらに70歳を超える勉学者もいらっしゃる。
    そうなると、ちろりんおじさんは、まだまだ若者には負けられません。
    この参加者が、それぞれ2週間、3週間、4週間の各コースに分かれて学習するのだ。

     開講式では、歓迎のあいさつに引き続き、担当される老師たちの紹介があった。
    それから、すぐれもの三点セットのプレゼント!
何十年振りかの学生証。
学割も効きます。
ずいぶん使いました。 ちょっぴり気恥ずかしい!

    いよいよ、分班考試だ!
    A4判のペーパー1枚。これを書き終えたら、担当の老師のところに行って口頭試問とのこと!

     ペーパーを見ると、もちろん全部漢語。。。。!
    ピンインを付けたり、漢語で文章を書いたり・・・・、いならぶ生詞(単語)は、とんと
    お目にかかったことのない生詞だ。
    はい! ほとんどできません!
    15分ほどして、諦めて(もっと早く諦めろ!)、張老師のところにもって行く!

    張老師は、やさしいまなざしで、差し出したペーパーにチ♪ラ♪リと・・・
     〔イ尓〕貴姓?
     〔イ尓〕是几次来中国?
    など、簡単な質問があって、それに答えると
    はい! 初級コースに決定!




   3 北京師範大学とは。。。

 北京師範大学は、簡称「北師大」と呼ばれています。
 天安門を北京の中心とすると、地下鉄環状線の外側、
 北側に位置しています。
 前門へも公共汽車(バス)で乗り換えなしで行けます。

 1902年創建され、あの魯迅も教鞭を取った大学で
 す。来年は、100年祭を迎える中国の重点大学です。
 校訓”学為人師、行為世範”が、威風堂々と校内に
 掲げられています。

 ちろりんおじさん流に解すると、
 ”人のために学んで師(手本)となり、世のために
  行い範を示すべし”ということでしょうか??
  これからも、校訓のごとく中国にとって有為な人材が
 輩出することを期待しましょう!
 こちらは、毎日授業に通った「教七楼」です。
 教室は、5階にあります。もちろんエレベータは
 ありません。
 最初は、5階までの階段がきっかったことか!

 入口には、売店もありますよ!
 学生たちも、飲み水(開水)のボトル持参で、朝早く
 から空き教室で学習に力を入れています。
 很努力!!

 校内は、柳の緑が鮮やかです。夏の暑さを和らげます。木陰では、学生たちが
ベンチで本を広げたり、老人たちがゆったりとくつろいでいます。
写真は、左から毎日通った通学路の東門から入ったところ、次が留学生楼の前、
最後が、教七楼の前から南門に向かう通学路です。



   4 さて、さて上課は。。。

 ☆  第1班は、2週間コースの初級班で、全員で13人です。
   授業は、午前8時に開始、午前11時30分に終了し、午前中の4時限です。
   4時限のうち2時限が会話、2時限が听力(ヒヤリング)です。1時限は45分程度です。
  これが、会話の課本です。
 課文の内容は、あいさつから始まり、中国語の初歩的なものです。
 日常の生活会話が中心で、実践的な内容です。まったくの初心者であっ
 ても、十分に学べるように配慮されています。
 中国に関心があって、ちょつと中国語をはじめてみようかなあ、という人
 でも、OKですよ!
 もちろん、老師の教え方に負うところが大きいのです。

  ちなみに、中級班の課本も、表紙が藍色の違いはあっても、内容は、
 初級とほぼ同じでした。ただし、会話のレベルが違います!!
  これが、听力の課本です。
 こちらは、会話とほぼ連動した形で進んでいきます。
 出てくる生詞(単語)も、日常生活に密着したものです。

  第1班の老師たちは、実に熱心でした。
 


 それでは、これから授業風景のひとこまを紹介しましょう!! どうぞご覧ください!

 ☆ 漢語会話
    先生は王老師です。すごく丁寧な教え方です。
    落ち着いておられ、口元の笑顔がステキでした。 
    (* 写真の掲載は王老師の了解を得ていません。削除すること
     もあります。)

   
    さて、上課で〜す。
   みなさぁ〜ん! 私の後に続いて読んでください!
   それでは、各自三回読んでみてください。
   は〜い! 本を閉じて、Zhong chuan yuan 前に!
   すぐに当てられちゃうなぁ〜あ!
   黒板の前に出て、頭の中を整理してっと・・・!
   なんと、憶えが悪いことか! なかなか続いて出てこない。

  教壇に立って、一人でのロールプレイ、あるいは同学と二人、三人でのロールプレイと・・・!
 ついつい日語が口をつきます。みんなも分からないと、日語がでます。
 王老師は漢語を使いなさい、と注意をされますが、なにせ初級コース・・・! まぁ〜、寛大で黙認です。

  みなさん、昨日はどこに行きましたか。今日は、昨日のことを発表してください。
 同学たちは、一人一人前に出て発表します。
  ちろりんおじさんは、というと

    昨日は、私と同学と一緒に、地下鉄に乗って、前門で降りて、中国歴史博物館に行きました。
    天安門広場を見ると、毛主席紀念堂の周りは、すごい人が並んでいました。
    歴史博物館では、”珍蔵特展”を参観し、中国の古代文物のすばらしさにひどく感動しました。
    その後、まっすぐ長安街を大約15分くらい歩いて王府井に行きました。
    王府井の女子百貨店で、同学がチャイナドレスを買い、私は愛人に櫛を買いました。
    櫛には、”愛情”の”愛”が刻まれていました。
    それから外文書店に行って、中国電影VCD”菊豆”を買いました。
    ”鞏俐”(コン・リー)は大好きです。

  とか発表し、王老師の質問にも、何とか切り抜け、この日は、ことのほか熱が入りました。
 ロールプレイは、難しいことを言うわけではないので、おもしろいし、楽しいでぇ〜す!

  課文の朗読が毎日続くと、やはり授業もだらけてきます。
 そこは、心得たものでしょう。
 王老師は、唱歌を披露します。

          ♪〜♪大海〔口阿〕故郷♪〜♪

     小 時 候 媽 媽 対 我 講    大 海 就 是 我 故 郷

     海 辺 出 生  海 里 成 長

     大 海 〔口阿〕 大 海     是 我 生 活 的 地 方

     海 風 吹  海 浪 涌     随 我 飄 流 四 方

     大 海 〔口阿〕 大 海     就 象 媽 媽 一 様

     走 遍 天 涯 海 角      總 在 我 的 身 旁

  さぁ〜あ! みなさん! 一緒に大きな声で! 一♪二♪、はい!

    しゃお♪ しぃほぉ♪ まま♪ どぅい♪ うぉ♪ じぁ〜ん♪  だぁ〜 はぁ〜い♪ 

    だぁ〜♪ はぁ〜い♪ あ〜ぁ♪ だぁ〜♪ はぁ〜い♪

  と朗々と歌い上げます。

  中国では、みんなが知っている歌だそうです。
  同学の Da chu 小姐と Chuan jin 小姐のデュエットのハーモニーはステキでした。
  背筋を伸ばし、大きな声で、力いっぱい唱うと、大海のような大きな気持ちになります。

  この歌は、ちろりんおじさんのテーマ曲にしょうと思います。
  今度、職場でも、披露しようっと・・・!!
  それから、「一二三四五六七」の歌も、很好! よかったですよ!

  王老師は、授業ではいろんな工夫をされました。
 カードを使っての生詞を覚えるとか、初級のレベルに応じた工夫です。
 それから、漢詩 李白の「静夜思」の朗読もありました。

 実に、楽しい漢語会話の上課でした。2週間、いっときも退屈しませんでした。
 王老師! 多謝!! 多謝!! 


 ☆ 漢語听力
     先生は張老師です。中国の大地のように、何ごとも包み込
    むような大きな媽媽の笑顔です。
    暑いからと言って、このように髪がショートカットになりました。
    (* 写真の掲載は張老師の了解を得ていません。削除する
     ことがあります。)


  Zhong chuan yuan 前へ!
  当たりますね! これも楽しみか??
  張老師が、朗読されます。それを黒板に書き取るのです。

  チョークを握って、黒板に向かって、耳を澄まします。
 張老師の朗読が始まります。

  うっ〜つ! 漢字が出てこない。なんと覚えが悪いことか! 漢字に気を取られ、張老師の声が吹っ飛
  んでしまう。
  三度も朗読してもらって、やっと書き終わる。
  黒板を見て、張老師説 ”対〔口馬〕?” と問いかけられます。
  ”対”
  しかし、Zhong chuan yuan 遅いです、と・・・!

  あるときは、Zhong chuan yuan!  an  不 ang と発音を注意される。
  分かりますか! 不一様、明白〔口馬〕?
  この an と ang の違いは、本当によく注意をされました。

  宿題もあります。
  今日は、帰ったらテレビを見て、どんな番組があっていたか調べてきてください。

  翌日のこと!
  最喜愛的電視節目は、何ですか?

  Bian jian君に、どんな映画が好きかという質問があった。
  Bian jian君は、ジャッキー・チェンを言いたくて、拳を突きだして、身振り手振りで伝える。
  張老師には、なかなか伝わらないようだ。
  そこで、すかさず、大声で!

    張老師!  我最喜愛張芸謀! ”菊豆” ”漂亮媽媽” ”我的父親母親”! 

    我最喜歓”鞏俐”和”章子怡”!

  張老師は、うなずき、黒板に”鞏俐”と力強く書かれ、中国で最も人気のある明星だと
  話される。こんな電影の話ができるとは、う♪れ♪し♪い♪でぇ〜す。
  中国電影になると、ついつい、口数が多くなります。
  Bian jian君に悪かったなぁ〜あ!

  こんなこともありました。
  なんと、同学のJi tian君が、20歳の誕生日だったのです。
  張老師は、ちゃんと覚えておられて、今日はステキな日を迎えられた人がいます、と言って
  Ji tian君を指さされました。
  Ji tian 生日快楽!
  張老師は、きっと、初級クラスひとり一人のことをよく知ろうとされてたのだろうと思う。
  そして、みんなで、ハピィバースデーの中国語版を唱い、祝福しました。

  もうひとつ、
  Bian jian君が、ひとりで夜行の強行軍で、大同の雲崗石窟に出かけ、1日見学後、
  また夜行で戻り、その足で授業に参加しました。
  張老師は、若者の勇気と行動力をたたえます。

  張老師のひとり一人への気配りは、やはり中国の媽媽の心の広さでしょう!!
  張老師の上課は、気持ちがすがすがしくなります。

  張老師! 多謝!! 多謝!! 



   5 番外編 〜 家庭教師の個人授業!

  こちらは、番外です。

  一応、漢語をものにしょうと(殊勝な心がけでしょう!)、国際交流の Ye kou 小姐に、学生の家庭教師
 の紹介をお願いした。
 学生たちも、ちょうど夏休みで、帰省している人も多く、日本語のできる学生がいないが、いいですか、と
 いうことだったが、お願いした。

  日本文学を専攻している”王小姐”と”牛小姐”の二人が見えた。ともに20歳。。。!!
 ちろりんおじさんは、王小姐(これから「小王老師」と呼びます。)から教わることになった。
 1時間 30元です。
 ★ 8月2日午後2時30分 開始

    今日が最初です。学習の場所は、特別に教室があるわけで
   はありません。この留学生楼のロビーホールが学習の場所で
   す。まわりには、アメリカ、アラブ、インド、韓国など、いろんな
   国の留学生たちがいます。

    小王老師が、入ってきます。こちらを見て、手を振ってい
   ます。こういう風景って・・・、何だか30年前の学生時代
   に戻った気分でぇ〜す。わぉ〜〜お!

  1時間のうち、最初は、翌日の課文の予習をすること、時間があれば、あとは雑談です。

  小王老師は、教え方が実にうまい!
 小王老師からも、 an と ang の指摘を受ける。
 an 、安全だ! an 。 発音も、一生懸命に耳を傾けてくれ、声調も、きちんと指摘してくれます。
 不、第二声!!

 これまでも、時間的な使い方の「上」と「下」について、
 とっさに「先週」とか「先月」と聴かれると、「上」か「下」か迷っていたが(本当に頭が悪い!)、
  「上」は、過去、「下」は、将来 と言われると、納得! 納得!
 
 ここで、ちょつと小王老師を紹介しましょう!

  故郷は西安です。学生寮に住み、ひと部屋8人だそうです。牛老師とは、大の仲良しです。
  部屋は、二段ベット、机は、二人に一つ。ただし、引き出しは、一人にひとつあります。
  それから、部屋には、1台のテレビと電話があります。
  テレビは、歌曲や連続テレビ劇を見ています。
  ごく普通の女の子です。 タンクトップも、ステキに似合います。
  だけど、将来は、母校・北師大の老師になりたいという夢があります。

 これまた、雑談がおもしろいのです。

  ・ 中国流行歌曲!
     小王老師は、”田震”が大好きです。 ”謝雨欣”のことも知っていました。
     小雨の”誰”の一節 ♪誰在愛〔イ尓〕  〔イ尓〕在愛着誰”♪と唱歌してみました。

  ・ 中国歴史!
     王昭君の話もしました。 ”昭君出塞”とは、藤水名子先生の小説「王昭君」の場面を
     思い出します。
     虞美人の話もしました。”烏江”のほとり、項羽は失敗者、劉邦は成功者。

  ・ 日本電影!
     黒沢明、山口百恵、そして高倉健が出てきました。
     高倉健は、最初、小王老師は、”高行健”と言います。日本人から教えてもらったと・・・!
     ちゃんと、”高倉健”と教えておきました。

  ・ 日本文学!
     ”夏目漱石”が大好きだそうです。ちろりんおじさんも、漱石が大好きです。
     「心」、「草枕」、「我是猫」と話がはずみます。
     ちゃんと、”なつめ そうせき”と日語読みを教えました。
     源氏物語では、どの姫が好きですか、との質問。
     それから、紀貫之、小林一茶と、次から次です。
     さすがは、日本文学を専攻しています。よく勉強しています。

 ちろりんおじさんのつたない中国語でも、ノートに書いたりと、たのしいひとときでした。

 ★ 8月8日午後7時30分 完了! 全部で5回のレッスンでした。

     小王老師!! 本当に、短い期間に、熱心に付き合ってもらって、多謝! 多謝!
     小王老師と牛老師を招待しての感謝の打ち上げ夕食会。
     (あとの話は食風景にて!)

                                   (2001.8.22記)



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