張 芸 謀 監 督: 大いに語る!!




          張芸謀は、第13回福岡アジア文化賞大賞を受賞しました。


 その受賞を記念して、9月20日に、アジア映画セミナー「張芸謀が描く民衆の生命と希望」
 21日に、受賞者フォーラム「Asia,My Global Community 〜アジア、地球社会〜」が、福岡市
 において開催されました。

 生の張芸謀に会え、しかも生の話が聞けるということで、両日のトークに参加してきました。
 すべてを紹介することはできませんが、このすばらしい機会をご紹介しましょう!!

 (話の内容は1日目と2日目と、重なるところがずいぶんあったような印象です。以下の紹介文
  は、ちろりんおじさんが理解したところを記載しています。文責:ちろりんおじさん)




 ★ 9月20日(金)午後6時 「張芸謀が描く民衆の生命と希望」

    張芸謀が、颯爽と登場しました。
    撮影現場にいるような映画監督の出で立ちです。
    トークのコーディネーターは、評論家佐藤忠男氏です。


   北京電影学院に入学するまでは、文化大革命の下放政策で、農村の農業に従事
   その後、綿紡績工場労働での労働と語っていきます。
   この農村生活は、張芸謀の作品に深く影響を与えている、と言っています。
   ”紅高梁”(紅いコーリャン)が、その代表作です。
   北京電影学院への入学は、文化部部長(日本の文部科学省の大臣に当たる。)に
   自分が撮った写真を同封して、直訴したと言っています。

   彼が自分の作品を語るときは、何とも生き生きとしています。
   根っからの映画監督なんでしょう。
   彼は、初期の作品、例えば、彼がはじめてカメラを撮った”一人と八人”には
   相当の思い入れがあるようです。
   彼自身が好きな作品には、”紅高梁”への思い入れが強い、ようです。


   中国では、若手の映画監督が、どんどん登場してきている。
   だれでもが、映画を撮れるような時代になってきた、と言っています。
   しかし、これからは、時代に生き残って行くには、”商業主義の視点”も必要になってくると
   とも語っています。

   張芸謀の最新作の武侠を取り上げた”英雄”の年末公開(予定らしい)を期待したい。

   張芸謀が、大いに語ったあっという間の2時間だった。




 ★ 9月21日(土)午後1時30分 「Asia,My Global Community 〜アジア、地球社会〜」


    受賞者フオーラムは、
      中  国:    張 芸 謀(大賞)
      スリランカ:   キングスレー・ムトゥムニ・デ・シルワ (学術研究賞)
      オーストラリア: アンソニー・リード (学術研究賞)
      マレーシア:   ラット (芸術・文化賞)
    の4氏によるトークです。コーディネーターは、小倉貞男中部大学教授です。
    アジアの各分野におけるプロフェッショナルのアジアについての語りです。

    張芸謀は語る(趣旨):
      父親は、国民党軍の軍人だった。だから、文化大革命時代は大変だった。
      (両手を後ろ向きにした仕草で、表現した。)
      だけど、農村への下放では、農民たちは、どういう出身だとかは問題にしなかった。
      農村での生活は、自分の中に大きく影響を与えた。

      文化大革命が終わって、本当に勉強をしたかった。
      大学も、いくつか受験したが、全部だめだった。
      そしたら、友人が、お前は写真がうまいじゃないか?と言ってくれ、
      それで、北京電影学院の試験を受けようとしたが、受験資格の年齢を超えていた。
      なんとかしようと、文化部部長に手紙を出して直訴することにした。
      当時は、まだ、名もない一般民衆の手紙が、直接、幹部のところに届くことがあった。
      その文化部部長が、自分の声に耳を傾けてくれ、文化部部長の一声で、入学できるよ
      うになった。
      だから、学院の入学試験は受けていないし、政治資格審査も受けなかった。
      政治資格審査を受けたら、父親が国民党の軍人だったから、多分入学はだめだった
      ろう。


    張芸謀は、昔を振り返るかのように語る:
      ”紅”とは、民間、民衆の色なんだ。
      民間では、結婚式やおめでたいことに、”紅”は付き物なんだ。
      女の子は、”紅”い服を着ると、かわいいだろう!!

      自分は、最初から今日まで、”紅”をよく使ってきている。
      ”紅高梁”、”紅夢”などなど。。。。
      そして、今度の”英雄”も、”紅”が基調になっているんだ。
      今度の”英雄”の”紅”は、あの黒沢監督と一緒に仕事をした和田エミさんが
      作ってくれたんだ。
      自分も、学生のころは黒沢作品を見て勉強したし、黒沢監督の影響も大だ!!
      その和田エミさんが、北京の郊外で、染色をしてくれ、100種類くらいの”紅”
      を染めてくれた。
      その中のひとつが古代の”紅”で、主演女優が身につけているんだ。

 質問(質問者 ちろりんおじさん):
  アジアにおける中国映画の発展をどう考えているか?
  また、今後、中国映画は、どういう方向へ向かうのか?

 張芸謀:
  大きく言えば、中国映画の方向性ということになるだろ
  う。これは大変難しい問題だ。
  今は、いろんな国でいろんな映画が撮れるようになって
  きた。これからは、それぞれの国の民族の特徴をどう
  出していくかだろう!!




   そして、受賞者らは語らう! 創造性とは!!

     アジアには、独特のもの、個性がある。
     難しいこと、困難なことに挑戦してこそ、はじめてそこから創造性が生まれてくるのだ。
     困難なことに努力した結果が、アメリカのまねだったら、何にもならない。
     自らが、自らの特性を保つことだろう。
     そのためには、アジアの人々が、相互尊重で学びあうことだろう!!



 (感想)
    あっという間の時間でした。
    いろんな想いがありますが、張芸謀は、実に、どっしりとしていました。
    能弁ではありませんが、ひとつひとつ丁寧に答えていました。
    農村や”紅”に対する張芸謀の想い、こだわりが、少しばかり理解できたような気がします。
    それにしても、1日目の張芸謀って、表情豊かなおっさんでしたね!!

    彼から”商業主義の視点”という言葉があり、今後の中国映画について、ひとつの見方を
    サジェストしてくれたような気がします。
    さて、中国映画、どういう方向に向かっていくのだろうか??

    また、張芸謀は、どういう原作を映像作品に取り上げるのだろうか??
    さらに、張芸謀監督の下で、演員たちは、どういう演技をしてくれるのだろうか??
    これからも、中国映画には興味が尽きませんね!!





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