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Veterinary  Medicine     
〜 動物医学の豆ちしき 〜

事典的な動物の病気説明は他の獣医学サイトにお任せしまして
ここではぼく的に興味深い疾病をピックアップ できるだけやさしい内容で紹介していこうと思います

■  動物からヒトへの感染症・疾病予防対策  ■

まずは動物が病気にならないような飼育環境を整えること
・・・
その動物種における適切な給餌内容・量とストレスの少ない生活空間の提供・・・

・ 糞・尿などで飼育環境が汚れたらなるべく早めに掃除をし、
清潔な環境を整える
・ 動物の衛生・・・毛の汚れの除去・伸びすぎた爪は切るなど
・ 濃厚な接触は厳禁・・・特に口移しの餌やり・食器を共有するなどは最も危険
・ 動物に触れた後の洗剤による
手洗いをこまめに行う
・ ヒトは日頃から健康な身体づくりをし、抵抗力をつける・・・適度に食べ適度に運動し適度に休息するなど

Vet.Med. 〜Inside  動物内部の画像集

★ 動物の身体の内側の画像を見ても大丈夫な方へ ★
( 苦手な方はとばして下さい )
動物の内臓を撮影した画像があります    ← マーククリックで臓器画像ページへ


上は動脈を流れる血液 ・ 下は静脈を流れる血液
同個体からほぼ同時間に採血したものであり、比較すると動脈血は鮮やかな赤色をしている
これは酸素含有量の違いから血色素「ヘモグロビン」の色調が異なるためである

動物の病気 ピックアップ
黄色の項目をクリックするとその詳細までジャンプします
動 物 の 種 類 一般的な病気の名前・症候名 主 な 症 状 備  考
動物全般 皮膚真菌症 脱毛・皮膚炎・痂皮
齧歯目 カニバリズム 被毛断裂 等
動物全般 膀胱炎 血尿・頻尿・混濁尿
動物全般 角膜潰瘍 流涙・角膜白濁・角膜潰瘍 点眼剤でほぼ完治
動物全般 消化管内寄生虫 下痢・嘔吐・血便・貧血・脱水
ニホンカモシカ パラボックスウイルス感染症 皮膚に腫瘤
カイウサギ ウサギのエンセファリトゾーン症 神経症状 斜頚・ローリング 抗体チェックは可能
動物全般 寄生虫性皮膚炎 脱毛・皮膚炎・痒がる・擦り付ける
動物全般 鼻涙管閉塞のための流涙症 片側の眼の流涙の継続 薬効のない目ヤニ
カイウサギ ウサギのパスツレラ感染症 くしゃみ・鼻汁・鼻周囲の汚れ
動物全般 変形性関節症 歩きたがらない・ロボット様歩行 等
動物全般 椎体間狭窄による脊髄神経障害 うまく歩けない・開脚傾向 等
動物全般 細菌性肺炎 呼吸困難・食欲不振・発熱 等
ネコ科 過長爪 出血・足を挙げる・舐める 等 たまには爪のチェックを
野生鳥類 釣針の飲込み 嘴から釣糸・衰弱で発見
フェレット・サル類 インフルエンザ 風邪様症状(食欲不振・高熱・元気消失)
フェレットなどイタチ科 エストロゲン誘発性貧血症 食欲減退・元気消失 避妊手術
フェレットなどイタチ科 ミンクアリューシャン病 食欲不振・元気消失・神経症状
モルモット 壊血病 関節の腫脹・疼痛 ビタミンCは必須ビタミン
ネコ科 リンパ球形質細胞性歯肉炎・口内炎 口内炎による食欲不振
偶蹄目・ニホンカモシカなど 悪性カタル熱 粘膜の糜爛 ヤギ・ヒツジとの同居禁忌
幼獣全般 クル病 運動器異常・関節湾曲 栄養バランス
動物全般 筋ジストロフィー 運動器異常
動物全般 甲状腺機能亢進症 多食・体重減少・虚弱・脱毛
動物全般 甲状腺機能低下症 肥満・食欲不振・脱毛
動物全般 膣過形成 性周期に伴う膣粘膜の露出 繁殖障害
  ☆掲載内容の二次転載や流用を固くお断りいたします
皮膚真菌症

 
皮膚には様々な細菌や真菌が存在しています。
しかし気温や動物の体調などによりそれが悪さをする場合もあるのです。
画像はゴマフアザラシですが唇に脱毛・発赤が見られたので採材をして染色してみました。
すると右の画像のような楕円形のマラセチア(真菌の一種)が沢山認められました。

カニバリズム



カニバリズム・・・あまり聞かない名前ですが、これは同居動物により被毛を齧られて体毛の先が切り取られ
見た目にもちょっとひどい状態になってしまうものです。左画像の左個体がそうです。右個体は被毛に異常を認めない個体です。
意外にも皮膚には歯型などは全くなく、体毛のみが齧られています。
原因としては様々ですが、食餌中の繊維分が少ないことや、過密状態による飼育・ストレスなどによることが多いと考えられます。
飼育状況改善により治癒することが多い疾患と思われます。
動物はマーラというテンジクネズミ科の齧歯類です。

膀胱炎

 

膀胱炎になった動物は様々な症状が見られます。すぐに分かる症状としては尿の異常でしょう。
左の画像はかなりひどい血尿です。血液のみではなく膿状の粘液や膀胱粘膜の炎症産物などが混入することもあります。
右の画像は抗生剤投与後血尿が少し治まりましたが、まだ尿に炎症産物が混入している尿です。
原因菌に効果のある抗生物質を投与することで完治することが多いのですが、
炎症がひどく膀胱粘膜が潰瘍を起こし腹腔内に尿が染み出て
尿毒症になることもあるので症状の変化などに注意が必要となります。
今回の画像はアライグマでの症例です。

角 膜 潰 瘍

  
この画像はモルモットの左眼の角膜潰瘍である。角膜の外傷が原因であるので もちろんどの動物種においても発症が見られます。
左の画像は発見時です。眼の表面全体が白濁し、一部潰瘍状になっている部分は白色が濃くなっているのが分かります。
通常は抗生剤の点眼剤だけで瞬く間に治癒していくのですが ここまでひどい白濁はあまり経験がありません
今回は抗生剤の点眼剤に非ステロイド抗炎症作用のある点眼剤をプラス 右の画像までに約一週間を要しました
日に日によくなり 約二週目でほぼ完治にまでにこぎ着けました。

消化管内寄生虫

野生動物の消化管にはさまざまな寄生虫がいることが知られている。
たいがい寄生虫はその動物とは共生の関係にあり、その動物に対して大きな障害を起こすような事はない。
しかしまれに大量に寄生した状態が継続すれば、嘔吐・下痢・栄養不良・脱水・貧血などの症状が見られる場合もある。



  
上の画像左は糞便と共に排泄された線虫類の成虫であり、このような虫が消化管の中に生きている。
画像中央・右はこの成虫が産んだ虫卵であり排泄物を顕微鏡で検査したものである
下痢が続けば検便してこのような卵があるかを調べてみることは初歩的検査のひとつである



これも消化管の中で生きていた寄生虫のひとつであり、条虫と呼ばれる線虫でいわゆるサナダムシである。
条虫類は身体全体は一本の長い虫であるが、同じような短い片節がひとつひとつくっ付いた様な独特の形状である
ホンドタヌキやホンドギツネにはたいていこのような寄生虫が大量に寄生しており、糞便を検査してみると
いろいろな種類の虫卵が検出され、その虫を駆除する薬を投与するとたくさんの成虫が糞と共に排泄されることがある
しかし動物と共生をしている場合が多く、下痢などの発症がない場合がほとんどである


パラボックスウイルス感染症


画像はニホンカモシカの耳介にできた腫瘤であり
パラボックスウイルスに感染してできたものである
野生個体でしばしば見られる感染症である
耳介の他に眼の周囲・口の周囲・蹄付近の四肢皮膚にも腫瘤や潰瘍が見られた。

ウサギのエンセファリトゾーン症

   

ウサギにひどい神経症状を起こす原虫性の寄生虫感染症である
飼育用カイウサギに高率に潜伏感染していると考えられている またパスツレラ症との複合感染も考えられる
ストレス・免疫力低下などで突然発症し、頭が傾く斜頚(上の左画像)など軽い症状のものから
寝転がりながらクルクルと身体を回転させるローリング(上の右画像)など
さまざまな症状が認められるが、軽度のものは寄生虫駆除薬の経口投与で治癒することもある
ただしひどい神経症状が認められる個体は神経組織のダメージ(肉芽腫性脳炎など)が大きく治癒が難しい事もある
自分で餌を食べる事ができれば生命は長期にわたって維持できるが、とても見ていられないひどい症状も確認した


寄生虫性皮膚炎
寄生虫が原因で脱毛したり、皮膚炎になったりすることがよくある
眼に見える寄生虫から毛や皮膚を採取して顕微鏡で見てやっと分かる位の小さな寄生虫もいる
寄生虫の駆除薬投与で徐々に治癒していくことがほとんどだが、重度のものは貧血・脱水症状でひどく衰弱しているものもいる

  
● ホンドタヌキの疥癬症
脱毛がひどく、初めて見る人は何の動物か分からないくらいである
右は疥癬ダニの顕微鏡写真である



   
● モルモットのモルモットズツキダニ症
モルモットにも脱毛とフケが見られることがあり、顕微鏡を覗くと右のようにダニや卵が確認できることがある



● ホンドギツネのマダニ寄生
左はホンドギツネの耳介に付いたマダニであり、まだ血液をあまり吸っておらず小さいが
血液を吸いだすと右画像のような血液で充満した大きな身体となる。一見大豆がくっついているのかと思うくらいである
一匹でこれだけ血液を吸うので沢山付着することで貧血になることもあるだろう



● ドバトの嘴周囲の羽毛の中で動めいている多くのナガハジラミ

● ドバトの羽毛の中に沢山確認されたハジラミの仲間たち(顕微鏡写真)
この寄生虫は羽毛の脱落カス・フケなどを主に食べて生活しているので害を及ぼすことはほとんどないと思われるが
やはり多量寄生だと鳥の精神衛生上問題が発生することがある

鼻涙管閉塞のための流涙症

   
左はモルモット・右はカピバラ
片側の眼だけ目ヤニが付いたり、涙を流しており、さまざまな点眼剤の効果がない場合がある
ひとつの原因として眼から鼻につながる導管(鼻涙管)が涙の成分でつまったり、炎症を起こして閉塞していることがあり
そのため涙が鼻に流れずに、眼からあふれ出してくることがある
そんな場合はマブタの横の小さな穴から生理食塩水などを通すことで、うまく涙が流れるようになり
翌日からは涙があふれず、目ヤニもなくなるということもある

ウサギのパスツレラ感染症

   
写真は左右共にカイウサギの鼻であり共に鼻水が認められる・右は白い膿性の鼻水である

カイウサギでよく見られる症状のひとつとして「スナッフル」という症状がある
これは鼻水・連発するくしゃみ・鼻周囲の汚れ・食欲不振などの症状が現れるのだが
おそらく潜伏感染していたパスツレラという細菌が抵抗力の弱まったウサギの体内で
増殖して発症させるものと思われる
有効な抗生物質の長期投与で完治する場合もあるようだが、再発することもあるので
その後の健康状態は要チェックである

変形性関節症

老齢性疾患のひとつと考えられるが過労である若い個体でも起こりうる
特に老齢個体で後肢の歩様がぎこちなくなってきたらまず考えられる病気のひとつである

関節内の軟骨が磨り減る事で痛みを伴い、通常は疼痛がひどい時に痛み止めの薬を頓服させる事でうまく維持できる
また最近では関節成分を経口投与することで症状が緩和されることが多いようだ
市販薬でもあるコンドロイチンやグルコサミンなどは個体によっては
かなり効果があるようで、動物専用のものも以前から販売されている



左はアライグマで歩き方が非常にぎこちないが、歩いている間に徐々に症状が軽くなっていく独特の症状である


      
変形性関節症のアライグマの踵(かかと)関節のレントゲン写真である
踵関節の周囲には骨増成が認められ、関節の可動域は狭くなっている
下の異常の認められないアライグマの踵関節と比較するとよく分かる



   
この2枚のレントゲン写真は異常の認められないアライグマの踵関節を中心にしたレントゲン写真である



椎体間狭窄による脊髄神経障害


プレーリードッグの脊椎のレントゲン写真(ラテラル像)
脊椎間の幅がそれぞれ大きく異なり、脊髄神経が圧迫されていると考えられる
症状はうまく歩く事ができない不完全麻痺を認め、開脚傾向であることが多い
この個体は手術せずに副腎皮質ホルモン剤とビタミンB群の継続投与によく反応した


細菌性肺炎


細菌性肺炎のレントゲン写真である(ラテラル像)
左側が頭側・右側が尾側である
肺は通常空気が入っており、黒く撮影されるが、心臓の形も不明なくらい胸部が白くくもって写っている
努力性呼吸のために空気を飲み込み、胃の中にも空気が入っているのが分かる

ネコ科動物の過長爪

   
トラの伸びすぎた爪 右は爪を切った後で傷は消毒をする

通常ネコ科動物は木の幹などに爪を立てて爪をといでいる
しかし爪とぎをあまりしないような個体あるいは下手な個体はどんどん爪が伸びてしまい
しまいには自分の指の肉に刺さってしまい出血したり、痛くて足を挙げるようになる
そんな場合は麻酔銃によって全身麻酔をかけてから伸び過ぎた爪を切りをしなければならない
この場合、切るというよりも古い爪をはがしていくといった感覚だ
猫を飼育している方は分かると思うが、爪きりした後の爪はきれいにとがった新しい爪が下にもうすでにできている


野生鳥類の釣針の飲込み


釣針を飲込んでしまった野生鳥類のレントゲン写真 (ラテラル像)

野生鳥類の保護をしていると 時に嘴から釣糸が垂れているものを見ることがある
釣り場には鳥類にとっても豊富な餌があり採食している
ところが心無い釣り人の捨てた餌付き釣針の餌に食いついたのは野生鳥類
そのまま餌もとれずに衰弱死している個体も多いのではないだろうか?


インフルエンザ

 ヒトのインフルエンザはフェレットやもちろん近縁のサル類にも感染する。
症状は同様にくしゃみ・鼻水・発熱・食欲不振などである。
インフルエンザや風邪症状がある時は動物に近づかないようにする。
世話は別の人にかわってもらえるといい。


エストロゲン誘発性貧血症

 フェレットの発情雌を交配させないとエストロゲンが放出され続けて骨髄抑制を起こし、ひどい貧血状態となる。
症状として呼吸困難・粘膜蒼白・食欲減退などがある。
卵巣・子宮摘出術をしてある個体を選んで購入するか、それ以外では摘出手術を受けるといいと思われる。


ミンクアリューシャン病

 ミンク・フェレットなどイタチ科の動物に感染するパルボウイルスによる。
イヌのパルボウイルスとは異なるため犬用予防ワクチンは全く効果がない。
発熱・食欲不振・神経症状を起こす。


壊血病

 モルモットはビタミンCを体内で合成できないため、餌内のビタミンC低下で発症する。
飼料内のビタミンCの含有量が低すぎるか、もしくは飼料変質によりビタミンCが摂取できない状態になっていることが考えられる。
症状として関節の腫脹とそれに伴う痛み、また跛行を呈した情況で放置すると死亡することもある。
ビタミンCの飲水投与を連日行うとよいと思われる。

リンパ球形質細胞性歯肉炎・口内炎

 猫の臼歯周囲の歯肉にみられる慢性の炎症である。
発症原因については不明で、免疫不全や感染症が考えられている。
症状は強い炎症がみられ発赤が顕著で、出血しやすい状態である。
決定的な治療法はないと思われるが、
広範囲の抗菌剤・コルチコステロイド・メトロニダゾールなどの投与により
効果の見られることがあるが、再発を繰り返す事が多いようだ。

悪性カタル熱

ウシ・カモシカ・シカなどの偶蹄目の動物に発症する感染症である。
眼・鼻・口腔・咽喉など粘膜の糜爛、角膜の混濁などが主症状で致死率が高い疾病であるがヒトには感染しない。
ヒツジ属・ヤギ属では自然宿主として効率にこのウイルスを保有しており、感染していても発症せず、感染源となる。
特に出産前後の取扱いは注意が必要である。
 そのためヒツジ・ヤギ類と野生動物などのカモシカ・エランドなどを同居させると発症することがあるので、
動物園界・飼育業界ではこれらの同居は禁忌として定着している。

クル病

 幼若な個体に発生する病気です。食餌中のカルシウム量が少ない事により、成長していくべき手足の骨などが
うまく成長できずに関節が変形したり、関節周囲に軟骨成分だけが増加して太くなるなど、骨の異常な発育が起こります。
骨の変形が原因で神経にも影響がある場合もあり、その時は排尿困難や排便困難が起こることもあります。
 また食餌中のビタミンD不足でも起こる事があり、日光浴によりビタミンDが皮膚で作られる事を考えると、
日光浴が極端に少ない個体で発症する場合もあります。
 初期症状としては歩き方が少しおかしくなったり、身体の柔軟性がなくなったような動作が見られます。
その後身体に痛みも伴ってくるので、触られたり抱かれたりする事を嫌がるようになります。
 若い個体という事と歩き方等の症状でおおよその見当はつくと思われます。
関節周囲の骨を触る事で正常個体にはないような骨の腫脹を確認する。
エックス線検査・血液検査によるカルシウム値の低下・ビタミンDの低下などで確定診断する。
治療法として
 ・カルシウム剤の投与・ビタミンDの投与(ビタミンDには過剰症があるので特に投与量を注意する)
 ・食餌改善(カルシウム濃度の高い小骨など入った餌を与える・リン濃度の高い生肉やレバーは控える)
 ・日光浴をして皮膚によるビタミンDの生成を促すようにする

筋ジストロフィー

進行性に筋繊維が変性・壊死し、筋力の低下や筋萎縮となる遺伝性疾患である。
出生直後から数ヶ月の個体で、持続的に筋の脱力などが認められれば、この症例が疑う必要がある。
犬や猫でも原因不明の筋ジストロフィーが数多く報告されている。
筋繊維が繊維化と石灰沈着もみられる。疾患の進行に伴い筋電図、心電図の異常所見も認められるようになる。
血液検査ではCPKが2000IU/l以上という著しい増加を示す。
 治療法はなく、予後は不良である。発症個体を繁殖に用いないようにする。

重症筋無力症は運動不全の状態となり、神経からの筋肉収縮の信号がうまく筋肉に伝わらないために発症するものである。

甲状腺機能亢進症

 甲状腺ホルモンの血中濃度の増加により基礎代謝が亢進することで発症する。
症状としては多食・体重減少・脱毛・虚弱・甲状腺の腫大などが認められる。
血液検査では甲状腺ホルモンであるサイロキシン(T4)やトリヨードサイロニン(T3)・遊離T4・遊離T3などは増加し、
TSH(甲状腺ホルモン刺激ホルモン)濃度減少が認められる。ただこれだけでは完全ではなく、TSH刺激試験・TRH刺激試験という
追加検査もおこなう事でより正しい判断ができる。
 治療は腫大した甲状腺切除、抗甲状腺薬の経口投与がある。

甲状腺機能低下症

 甲状腺の機能低下により血中甲状腺ホルモン濃度が低下する。
細胞の代謝が低下し、多くの器官が影響を受ける。
 症状としては食欲減退・元気がなくなる・運動後疲れやすい・肥満傾向・粘液水腫()・寒がる・被毛粗剛および脱毛などがある。
皮膚の色素沈着・両側対称性の脱毛・ネズミのような毛のない尾などは特徴的である。
 血液検査所見としは高コレステロール血症・高トリグリセリド血症などが認められる事が多い。
甲状腺ホルモンであるサイロキシン(T4)やトリヨードサイロニン(T3)・遊離T4・遊離T3などは低下し、
TSH(甲状腺ホルモン刺激ホルモン)濃度増加が認められる。ただこれだけでは完全ではなく、
TSH刺激試験という追加検査もおこなう事でより正しい判断ができる。
 治療は甲状腺ホルモン製剤の投与が行われる。これは生涯にわたるもので、
一般的には投与後数週間で症状の改善が認められる。


膣過形成

 犬における膣の過形成は発情周期にあわせて膣粘膜の一部が外陰部に露出する状態で、
発情前期から発情期にかけて露出のピークを確認できる。
 性ホルモン・エストロジェンが優勢になる時期に影響を受ける膣粘膜が肥大するために起き、
発情期が終われば元の正常な状態に戻る。
 しかし露出してしまった粘膜が乾燥したり、外傷を受けたりするので、ひどい場合は処置が必要である。
黄体ホルモンなどの薬物を用いたり、露出を防ぐために外陰部をゆるく縫合して膣の出口を狭めたりして、
粘膜の損傷を防ぐ方法がとられる事が多いが、それでも無理な場合は膣粘膜の整復のため
切除をしなければならない場合もある。
 正常な交尾を妨げるので繁殖目的であれば、人工授精や整復後の交尾が必要となる。
同一家系で発生が多いため、遺伝的要因が関係する事が考えられている。

膣脱は上記の膣過形成と同様にエストロジェンの影響を受けた膣粘膜が肥大し外陰部より露出する状態であり、
膣壁全体が露出するため膣過形成よりも重症である。


        
                     上の画像のように膣粘膜の過剰な形成が外部に露出して1性周期の中で次第に進んでいく
                                          これはオランウータン(10歳♀)の1例である