いじめ研究室 幸福に生きるには?
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●犯罪者への偏見

2006年の2月、 AP通信によると、米アーカンソー州ベントン郡に住んでいる女性が、
「この家には性犯罪者が住んでいる」というビラを全く無関係の隣人宅の玄関ドアに貼ってしまい、
警察沙汰になるという、笑うに笑えない事件がありました。
 
アーカンソー州の犯罪情報センターのウェブサイトには、
第3級、第4級の性犯罪者全ての名前、住所と写真が開示されており、
その開示情報に名前のある性犯罪者が、彼女の近くに引っ越してきたのです。
娘から、そのことを聞かされた女性は、玄関ドアだけでなく、ご丁寧に近くの公園にも
「子供に性的いたずらをする人がいるので、子供を公園で遊ばせないこと」などと書いた貼り紙をしました。

この貼り紙は、嫌がらせ被害の報告を受けた警察の手でいったんは回収されたものの、
女性は懲りずに隣人宅に貼り紙を貼り直そうとしました。
そこを警察が見つけ、止めさせたといいます。
彼女はようやく、家を間違って全く関係のない人の家に貼り紙をしてしまったことが分かり、ビックリ仰天しました。
慌ててその家の住人に謝って、起訴は免れましたが、気付くのが遅すぎました。

さてさて、この事件は犯罪者に対する偏見が、人をとんでもなく傷つけてしまうことがあるという典型例です。

アメリカでは子供に対する性犯罪が大きな問題になっております。
性犯罪者には常習性があり、一度、刑務所に送られたくらいじゃ、その性根は治りません。
何度でも繰り返し性犯罪を行う野獣のような人間が多いのです。

そのため、付近住人に注意を促すために、警察は性犯罪者の情報を公開しているのですが……
性犯罪者を過剰に恐れるあまり、彼らに対して嫌がらせをしてしまう人が多いのですね(汗)。
 
性犯罪を犯した者=モンスター

という方程式が頭の中に出来上がっていて、多くの人は彼らを心ある人間とは思わなくなってしまっているのです。
性犯罪を犯した者が近くにいるだけで、不安で不安でたまらなくなる人がいます。
そこで、彼(彼女)過剰な防衛策を取ったり、先制攻撃を加えて彼らを排除しようとするのです。
もちろん、悪の怪物をやっつける行為なのですから、そこに罪悪感は発生しません。

ただ、性犯罪者の中には、罪を償って更生して、もう犯罪には手を出さないと決めている人もいるはずです。
もし、そんな人が、
「この性犯罪者!」
「こっちに来るな女の敵!」
と扱われたら、どうなるでしょうか?

良くてノイローゼ。悪くて、再び性犯罪に手を出してしまうでしょう。
腹が立って悔しくて、そんなに俺を性犯罪者として扱いたいなら、性犯罪者らしくしてやろうじゃないか!
と、それまでの決心が崩れて、野獣に逆戻りしてしまう可能性が高いのです。
 
人の子の親なら、娘を守りたい、子供たちを守りたいと願うのは当然でしょう。
そのためにあらゆる手段を尽くしたいというのも理解できます。
しかし、やりすぎは禁物なのです。
それじゃ、正義の味方どころか、ただの嫌がらせ魔になってしまいます。

警察は、ウェブの情報はあくまでも犯罪者から市民を守るためのものであり、
犯罪者に対して嫌がらせをするものではない、コメントしています。 


まこと、偏見というのは怖いですよね。

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