いじめ研究室 いじめ考察
いじめ相談掲示板| いじめ事件考察 | いじめ対処法 | 自殺| 偏見 | 人間関係 | 幸福について | 書籍 | コラム

思いやりの無い正義

最近、たまに全国童貞連合の掲示板を覗いています。
ここに来ると、非常に勉強になることが書かれています。

しかし、たまに童貞を誹謗中傷する人も現れます。彼らの言うことは、
「お前らには努力と我慢、理解、勇気が足りねえんだよ」
といった、童貞の人間は、行動していない、努力していない、
それでウジウジ悩んでいるのだからダメなんだ、といったワンパターンの批判です。
いつも思うのですが、

こういった批判は正論なのですが、まったく思いやりがありません。
( ̄へ ̄; ムムム

会社や組織の中で、体罰や罵声といった厳しく指導する方法を採用する人の中には、
「私は嫌われ者を買って出ているのです」とか、「本人のためです」と言う人がいます。
しかし、本音では、偉そうに振舞うことを楽しく感じていたり、相手を見下す喜びに震えているものです。

相撲界では、時津風部屋に入門した序ノ口力士の時太山が稽古中に倒れ死亡する事件がありました。
当初、親方は、稽古中の事故だと言い張っていましたが、実は集団リンチによる暴行死でした。

時太山に付いた通常あり得ない傷や、「死亡した力士にはマリファナの使用歴があった」等、
死亡した力士に責任転嫁する時津風親方の発言などから、時太山の両親が死因を不審に思い、
愛知県警察(巡業先管轄)に行政解剖を求め、警察が実施したことから発覚しました。

時太山がけいこの厳しさに脱走をしたことに憤慨し、
時津風親方がビール瓶で頭を殴りさらに数人の力士に「かわいがってやれ」と暴行を指示、
翌26日も通常は5分程度のぶつかり稽古を30分に渡り強い、
倒れた後も蹴りを入れたり金属バットで殴打するなど集団暴行したのです。

しかし、事件発覚後も、時津風親方は、これは通常の稽古の一環だったと主張し続けました。
相撲界はでは、「かわいがり」といった制裁に近い猛稽古をつける伝統があり、この「かいわいがり」だったというのです。

私がかつていた自衛隊にも、相撲界の「かわいがり」に似た伝統があります。
後輩は奴隷、先輩は神で、絶対服従です。
自衛隊の自殺率は他の職業の2倍以上という統計があり、指導と言う美辞麗句に包まれたイジメやしごきが、
どれほど人間の精神を破壊するか実感しています。

また、ネット上のやりとりを見ていると、間違った発言をした人間や、無知な人間に対しては、
その誤りを正すだけではなく、感情的な圧力をかける。
そういう劣った人間は人格や存在を否定されても当然だ、黙っていろ、と言いたげな発言も多い。
人の心に焼きごてをあてるような短い罵倒辞に熟達した人々が目に付きます。

どうも今の社会には、このような思いやりのない正義がはびこっているように思います。

褒められると、安心したり元気が出る快楽物質であるβエンドルフィンやドーパミンが脳内で大量に分泌され、
逆にしかられると、この分泌量が減るということが科学的に証明されています。
人間は、正義という錦の御旗を掲げたバッシングを受けると、奮い立つどころか、
ますます自己否定感が強まり、自信を失い、やる気を無くしてしまうのです。

正義が中傷のために使われ、正義の意味や価値が失われていくとしたら、恐ろしいことです。


『いじめ研究』の目次へ戻る

トップへ戻る

ページの先頭へ