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●ネットいじめ いじめとは、他人から「攻撃」を受け、精神的な苦痛を感じている状態を言います。 「攻撃」には暴力だけでなく、心理的な嫌がらせも含まれます。 最近急増しているのが、インターネットを利用したいじめです。 携帯電話端末からの書き込みが簡単に出来るようになったことが、この種のいじめが急増した原因だと言われています。 悪質なケースでは、被害者を誹謗中傷するだけでなく、個人情報をネット中にばら撒いて、嫌がらせする場合まであります。 ネット上に個人情報が晒されると、例え、それ以上の実害はなくても、被害者はとても不安な気持ちにさせられます。 ネットいじめは中傷等が目に見える形でネット上に記録されてしまう為、 いじめ被害者が癒されずに苦しみ続けるという性質を持ちます。 特に2ちゃんねるのような掲示板サイトやブログは記録を半永久に保存し続けるというシステムを採用しており、 管理者が削除しない限り中傷等の記録(ログ)がいつまでも残り続けてしまう為、ネットいじめの温床になっています。 また、従来の誹謗中傷だけでなく、ネットの発展と共により巧妙な方法を取るケースが散見され、多様化が進んでいます。 全国webカウンセリング協議会によれば2005年辺りから 「(自分を)盗撮した写真をメール送信された」 「自己紹介用のホームページに勝手に顔写真を載せられた上、『援助交際をしたい』と書かれた」 といった相談が連日が寄せられているそうです。 他にも悪口を書いたメールが次々と同級生の間で転送される「チェーンメール」や、 名前やアドレスを偽ってメールを送る「なりすましメール」などもあります。 また、教師や保護者が知らないうちに、学校の名前をつけた掲示板がネット上に開設され、 生徒を中傷する書き込みが行われるという事例も後を絶たちません。 これは「学校裏サイト」と呼ばれ、開設者はその学校の生徒と見られます。 「きもいきもいきもい」「マジうぜえ、調子乗ってやがる」 そこでは複数の人間が、特定の生徒の実名を挙げ、悪口を書き連ねるなどの行為を行っています。 標的になる生徒は一人ではなく、ある生徒の悪口で数日間盛り上がった後、ほかの生徒のうわさ話に移っていくそうです。 またネットいじめは子どもたちだけの問題ではなく、大人のネットいじめも起きています。 いじめ問題に詳しいメディアジャーナリストの渡辺真由子氏は、 「大人の場合は、不特定多数が見る大型掲示板に企業別のスレッドを立て、 個人情報を書き込んで中傷するケースが多いですね。 また、仕事中にチャットで特定個人の陰口をみんなで言い合ったり、 上司が部下の失敗談を社内の一斉メールで送信するケースもあります」と述べています。 ネットいじめを行なう側はあらかじめ痕跡を消すために、 インターネットカフェやプロキシサーバー経由で書き込みを行なうことも多いため、 警察ですら書き込んだ人間の特定が難しいケースがあります。 また、海外のホスティングプロバイダを使った場合は日本の法令が適用されないケースもあることから、 違法性の高い掲示板を海外のサーバーに置くことにより、 管理人の責任を免れようとする者も多く、管理人が誰なのかすら判明しないこともあります。 なお、この問題の性質上、悪質なサイトにアクセスしないように利用者が各自でフィルタリングを行なうのは、 ネットいじめに関しては効果が薄いです。 現時点でのインターネットに関する法規制はプロバイダ責任制限法以外に無いことから、 被害者の対応は非常に限られたものとなっています。 他にも、検索エンジンからの個人名での検索で容易に誹謗中傷が発見できるという状況に対する規制も存在しないことから、 検索結果に表示される内容についても検索エンジン運営会社に対応を求めることは難しいです。 なお、ヤフーをはじめとする検索エンジン運営会社の多くは、検索結果に表示される内容についての削除依頼は、 依頼内容の正当性や削除権限の有無を確かめることができないとして、削除依頼自体を受け付けていない会社も多いです。 いじめの調査法の制度が変更となり、実質上の初の調査となった2006年度は4883件ネットいじめが確認されています。 被害者が不安と孤立感に陥り、抑うつ状態や不登校に追いこまれる例もります。 全国webカウンセリング協議会でカウンセリングをしている安川雅史理事(41)は 「普通のいじめなら、相手の生徒を避けるという対処法もあるが、匿名で行われるネットいじめには相手が見えない恐怖がある。 いじめられていることを早めに察知し、手を打つことが肝心だ」と強調します。 協議会では、ネットいじめを受けている無言のサイン、 いじめがわかった時の親や学校の対応などを記したマニュアルを無料配布しています。 また、安川さんが評議員を務めるNPO法人の次世代育成ネットワーク機構では、 いじめを受けていないか判定できる心理テスト「CVCL」を開発し、4月から提供しています。 ●学校裏サイトについて インターネットの掲示板に、自分たちが通う学校のサイトをいつの間にか誰かが立ち上げている。それが「学校裏サイト」です。 中高生の間で急速に広まり、そこがいじめの温床にもなっているのはよく知られています。 生徒間でサイトのURLを携帯電話で転送し合っているので、公に探そうとしてもすぐには行きつけないようです。 生徒の実名をあげて誹謗中傷する。「祭り」と称して個人攻撃を激化させる。 エスカレートして盛り上がることを“ストレス発散”の手段だと思っている子どももいるようです。 集団によるいじめにすぎないことは、彼らも本当は知っているはずです。 いじめの場としてだけでなく、携帯電話で撮影した、 わいせつな画像が多く登場することも学校裏サイトの特徴となってしまっています。 ●ネットいじめの内容 ・インターネットの掲示板や学校の裏サイト、ブログ、チャットなどに誹謗中傷を書かれる。 誹謗中傷目的で実名や個人を特定できる情報、顔写真などを出される。 ・本人になりすまして、個人情報や本人にとって不利益となる情報を流される。 ・携帯電話のメールなどで悪口などを流される。 ・自分宛に差出人を詐称した攻撃的なメールが届く。 ●ネットいじめと、リアルでのいじめの違い ・実社会での暴力によるいじめの場合は、体力の勝っているほうが弱いものをいじめることが多いのです。 しかし、ネットいじめでは力の強い・弱いは関係ありません。 ・悪口が短時間で多くの人に広まりやすいです。 また、一度出回ってしまうと、コピーしていろいろな掲示板やブログなどに貼り付けられ回収が不可能となり、 半永久的にネット上に残るケースがあります。 ・物理的な学校敷地内でなく、ネットの中で起こっていることとして、 学校側にとっては管轄外ともいえ、知らん顔されやすいです。 ●事例(2007年5月30日 読売新聞より抜粋) 「(いじめメールを送ってくるのが)学校の生徒全員だったら、と思うと、とても怖かった」 東京都内に住む店員の男性(19)は、2年前の不安と恐怖を語り始めた。 高校2年だった。異変は、勉強に身を入れるため、夏休み前、バレーボール部を退部した直後に起きた。 出会い系サイトなどからとみられる迷惑メールが携帯電話に1日、30〜40通も入るようになったのだ。 しばらくすると、メールは1日100通以上に。怖くなってアドレスを変えたが、同じことの繰り返し。 「アドレスを知っているのは友達だけなのに」。その友人のだれかの仕業に違いなかった。 退部でトラブルがあったわけではないが、 夏休みの終わりには「裏切りもの」「もう学校へ来るな」といったメールも来るようになった。 「死ね」と何度も繰り返したり、おどろおどろしい装飾を施したり。 メールが届くのは夜。送信元アドレスをみても、偽装されていてわからない。 「最初は、こんなもの、と思ったが、3日でだめ。2学期からは怖くて学校に行けなくなった」 ネット上の掲示板でも名指しされている自分を見つけた。 男性は軽いうつ症状になり、秋には携帯電話を解約した。 補習や試験の時には勇気を振り絞って登校したが「静かな、いつも通りの学校の様子が、かえって恐怖だった」。 3年進級だけはしたいとの思いが、かろうじて支えになった。 進級が決まった昨春、ネットで全国webカウンセリング協議会を見つけ、電子メールで相談したのが転機になった。 人と会うのは怖かったが、メールなら相談ができた。 そこで、親しい友人に打ちあけて力になってもらうこと、 進級でクラスや友人など環境が変わったことを前向きにとらえることといった助言を得て、再び登校できるようになった。 「いじめられたのも、助けられたのもネットだった」と男性は振り返る。 ●事例2(2007年5月30日 読売新聞より抜粋) 仙台市内の中学3年の男子生徒は、ネット上の掲示板で「死ね」「この世から消えろ」などと中傷された。 警察が捜査に乗り出し、書き込みをした2人の生徒が家裁送致されたが、男子生徒は不登校になり、結果的に転校した。 2006年11月には、秋田市内の中学3年の男子生徒がネット上のポルノ小説の投稿サイトに主人公として実名を書き込まれ、 その後、一時登校出来なくなった。警察が名誉棄損の疑いで調べたが、誰が書き込んだかは特定できなかった。 「全国webカウンセリング協議会」(事務局・東京)の安川雅史理事長は、 「ネットを使ったいじめは、ここ2006年から急速に悪質になった」と話します。 ●事例3 2007年、神戸の私立高校で自殺した男子生徒が、 同級生から金品を要求されていた事件においても、ネットを使ったいじめが起きていました。 逮捕された加害者三人は自殺した生徒と球技チームを作り、「仲のいい友人」とみられていました。 しかし、裏では、男子生徒の携帯電話に現金を要求する「督促」メールを送り付けていたのです。 さらに、この生徒が服を脱がされる画像を掲載したホームページを作成するなど、 2006年の秋からさまざまな嫌がらせをしていました。 ●海外の事例 ネットを利用したいじめ、嫌がらせは海外でも深刻化し、社会問題に発展しています。 イギリスの政府が実施した調査によると、英国の12歳から15歳の34%は、 何らかのネットいじめを経験したことがあると回答しました。 『いじめの内容』の目次へ戻る トップへ戻る▲ページの先頭へ |
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