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●偏見・差別を作り出すテレビ 2004年10月19日、大阪市の男性(36歳)が、自宅で両親を殺したと警察に自首しました。 父親は66歳、母親は61歳で数年前から寝たきりの状態。一家の収入は父親の年金だけでした。 犯人の男性は、いわゆる「ひきこもり」で、20年以上も家の中に閉じこもったままだったそうです。 彼は、「自分にかい性がなく、家族3人の将来が不安だった」と供述しました。 テレビは、当然この事件を「ひきこもり男、両親を殺害!」というように扱いました。 ひきこもりは危ない! ひきこもりは犯罪を犯す可能性がある! と、センセーショナルな見出しをつけた報道をして、世間の関心を集めました。 同じようにひきこもりで悩んでいる人や、その家族は、どんな思いでこの報道に触れたでしょうか? 俗にニート、ひきこもりとされる人は、こういった報道がされるごとに傷つき、 嘆き、そのストレスで家庭で暴れる人、ヤケになって軽率な犯罪を犯す人、自殺する人もいます。 また、当人以外の家族にとっても大変な苦痛とストレスを与え、 家庭の不和を起こしてより、ニート、ひきこもり化を加速させています。 テレビが、「ひきこもりは危ない。ニートは社会の厄介者だ!」と喚くたびに、 ニートやひきこもりは、社会復帰しづらくなっているのです。 まさに本末転倒って奴です。 テレビは、彼らを救おうなんて正義面して訴えますが、 「ニート」「ひきこもり」を単に就職しない者、ドロップアウトした者というより、 社会の厄介者、甘えて自立することのできない日本の恥みたいな扱い方をしてきました。 これらの報道によって「ニート」「ひきこもり」は徹底的に悪いイメージを持たれ、新たな社会差別を生み出してしまったのです。 実際、バイトや会社の面接で、履歴書の空白期間を指摘され、「ニートやっていました、ひきもりやっていました」と言うと、 コミュニケーション能力に難アリと判断されて、落とされる可能性がかなり高くなるようです。 また、ネットの世界でも巨大匿名掲示板などでは、誰かを攻撃する際に「ニート必死だな」と言って、 相手にニートのレッテルを貼って貶めるという手法が見られるようになりました。 世間の目も厳しく、「ひきこもりがいる家」などとわかると、家族全員が、近所の人から白い目で見られることになります。 ニートやひきこもりになる原因は、すべて本人がだらしないから、甘えているからというのは間違いです。 先進諸国である、欧米、日本、韓国はどこの国でも若者のドロップアウトに悩まされています。 急速に近代化、高学歴化が進んだ中国でも、大学を卒業したのに就職できない若者が激増しました。 2005年7月7日の「北京青年報」によると、成人した若者のうち30%は両親に養ってもらう「すねかじり族」、 日本でいうと、ニートやひきこもりなのだそうです。 つまり若者全員が、みごとに適応している社会など存在しないのです。 そういったことを考慮に入れず、ひたすら、「ひきこもりは危険」「ニートは人生の落伍者」、 「若者はもっと努力しろ」とテレビが喚き立てても、状況は改善されません。 ただ、差別を助長するだけです。 差別を作り出すような報道は、今後一切して欲しくないものです。 『管理人コラム』の目次へ戻る トップへ戻る▲ページの先頭へ |
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