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| 闘病記 |
| その1 きっかけ |
調子が悪くなったのは97年の9月から。それまでの仕事では中心的な一人として仕事をこなしていた自負があった。仕事は残業も多く忙しい仕事だったけど、希望していた海外関係の仕事でやりがいがあったし、おもしろくも感じていた。 その前から自分に付加価値をつけようと英語を勉強していて、仕事でもアメリカや台湾、カナダなど海外出張を任されることが多かった。自分の目指している方向と仕事のベクトルが一致して、きつかったけど「仕事の喜び」を実感していた頃だった。その仕事に自分の10年後をイメージすることが出来ていた。 マラソンで言うと、35km地点で、苦しいんだけどもう少し頑張ればゴールらしきものが見えてくる。ランナーズハイも迎えていた。このレースを完走すれば次の大きなレースにエントリーできるという期待感を持って走っていた。 それがいきなり暗転した。突然異動の話があった。「今日かうちの仕事をやってもらうから」と自分の課の課長から言われた。 異動といってもちょっとややこしいのは、以前の仕事はプロジェクトのようなもので、隣の部がメインの仕事で、それに一人レンタルの形で関わっていた。だから異動は、自分の部下に対して自分の部署に戻ってこいと言われたことになる。 突然でびっくりした。最初は異動の話を断った。しかし最後に言われたのは「君は企業の歯車や。言われた方向にクルクル回っとれ」という冷たい言葉だった。考慮する猶予があるわけでなく、今日からやれと取り付く島も無かった。 先ほどのマラソンで例えると、35km地点でいきなりストップされて、さぁ別の42kmを走れと言う。 そりゃね、ボクらは企業の歯車よ。でもね、上司から言われたくなかった。自分で言う分にはいいけど。飲み屋で「しょせん俺たちゃ歯車だからなぁ」なんて愚痴り合うのはいかにもサラリーマン的だけど、ストレス発散にはいいだろう。 でも上司からだと「総会屋に利益供与しろ」「できません」「お前は歯車だろう」。何でも言えちゃう。 |
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