まりのワールドカップ日記

ネットのお友達・まりさんの2002年ワールドカップ観戦日記





6月10日 チョンジュ再び、眩くランデブ〜 その2 



 スタジアムまでタクシーを拾う。雨がポツポツ落ちてきた。

予報は雨のち曇り。スタジアムでは降られるかもしれないなぁ。屋根下だといいなぁ。

いつもパレオにしているポルトガル国旗を傘代わりにして、ゲートまで急ぐ。



 席はゴール裏、23列目。屋根がある。なんてラッキーなの。

えみさん達とは手が届きそうな距離だ。二人は一列前、5〜6席右側に座っている。

雨は止みそうもないわぁ。だんだんと強まる中、選手のアップが始まった。

一番最初にGKのバイーア登場。軽いストレッチのあとボールを使った練習開始。

なんかぁ、バイーア、かっこいいわぁ!!

今日は、キラキラして見えるわぁ。集中力もある感じ。

濡れた髪が、キリリと引き締まったお顔に良いわぁ。あらぁ、まずいわぁ。



 ○○を見に行って、○○に惚れて帰ってくる。というのが私の傾向と法則。



 続いてフィーゴを囲みながら、スタメン選手登場。

ルイちゃんがいない…。ヌーノもいない。

ヌーノはわかるにしても、ルイちゃんは? どうした?



 「おお、どれ?どこ? フィーゴどこ?」と隣に座ったお兄さん。

「今、左サイドでボール触った人よー」と慣れ慣れしく私。

「おお、感激だなぁ。ルイコスタは? どこ?」

「いませんねー」

「なんでや!?」

そんなん、こっちが聞きたいよー!?



 ひととおり選手を案内(?)したが、アメリカ戦のスタメンとどう違うかわからない。

誰が代わったのかな。作シーズンリーグで散々見かけたプレシャアゥか…?

ペティは? 二人ともボアヴィスタ躍進からの人で最近知った。頑張れ〜。



 しかしさぁ、コウト殿。あなた様のそのストレッチは何?

ラツィオバージョンですか? ひとりだけ、いやに派手な動きに見える。

一勝懸命というか、なんかゴロゴロ&バンバン。

あんまりリズム感がなさそうなところがグーですよ。今日はしっかり頼みますよ。

フィーゴを先頭にダッシュなどやると、誰が目立つってジョルジェ・コスタじゃなぁい?

そのドンとしたお顔にドンとした身体は! 自然に目に入るわぁ。

それに比べるとジョアン・ピントは華奢に感じる。中でもひときわ小柄に見える。

今日もかき回してねー。

パウレタ〜、得点王、おめでとう。W杯でも得点王になってよ!

セルジオ、次シーズンはどうするの? 心配だわぁ。まずは今日なんだけどさ。

パウロ・ベント、ルイ・ジョルジェは、え〜、スポルティングです?よね?

ごめんなさい、日頃あまり見てなくて…。



 アップを終え、選手が下がると、サブの選手が出てくる。けどルイはまだいない。

ヌーノが振り返ってずっと自国の応援団を見ている。誰か知り合いでもいるの?

ポルトガルベンチのすぐ上に、小さなかたまりとなっているポルトガルサポは可愛い。

ルイがでてきて、ベンチに座った。

ん? ビブスつけてる? ジャビの隣に座った。



 国歌斉唱。もーいい。唄わない。アルマゲドンとは、唄えないもの。



 キックオフ。



前半、あっちのゴールへ攻めていく。バイーアがこっちで守る。

うは〜、やっぱりカッコイイ〜。黒のユニが似合う〜。

眉間のシワも(見えていない。勝手な想像)ス・テ・キ。

しかし、正直ビックリした。もしかしたら今日はリカルドかな、とも思っていた。

隣のお兄さん「なんでバイーアなん!?」

うるさい。だまらっしゃい!



 開始早々、アメリカ戦とは打って変わったチーム状況が感じられる。

ボールが落ち着かないまでも、なんか違う、なんか違う。うんうん大丈夫。

自分自身に言い聞かせる。



 シュートチャンスも多い。雨は止みかけている。

今のうちに一点取っておくれー。早い時間帯に!

こっちに来なくていいよ。後半じっくり見るからさ。

バイーアの活躍も今日はいいよ。見たいけど、遠慮しておくわ。

ポルトで見ることにするから。



 思いが通じたのか、ペナルティエリア左側、フリーでボールを受けたパウレタが思いきりシュート! 

1点先制!! やったぁ〜〜〜!! パウレタ〜、オブリガ〜ダ!!

ひらりんに抱きつき、なんか知んないけどお隣のお兄さんとも握手。

前後左右とも喜びあってオーロラを確認。15分くらいか?

よし、落ち着こう! まだまだこれからでしょ。



 このゴールが決まってすぐに、雨の勢いが急激に強まる。

そういえば、さっきオーロラにエメ・ジャケが映っていた。カッパ着て濡れネズミのジャケ。

どこら辺にいるのか? ともかく一般席にちょこんと座っていたのだ。



 雨足が強くてボールが滑るだろう。セットプレイは与えないでほしいな。

バイーアの活躍は見なくて良いんだからーーー。と思った矢先にFKだ。

バイーア、しっかりキャッチ。ホッ。



 激しい雨の中、プレイも雑になる。相手GKドュディク(元フェイエ)に誰かが突っ込む。

嫌だー、イエロー&レッドは困るよ。これは見逃してくれたようだ。しかし、その後

立て続けにポルトガル選手が黄紙をもらう。あうう。イタタ。



 しかし…、ゲームとともに気になるのがフィーゴのパンツめくりだ…。

雨に濡れたパンツが嫌なのね。パンツの裾をお尻が見えるくらいめくりあげる。前も。

クルクルと丸めて上手にしまうんだけど、決してセクシーとは言い難い。(ーー;)

おまけにすぐに落ちてくる。それをまためくりあげるの繰り返し。

ちょっと〜、何よ〜。止めようよ〜。

これを今度はコウトとコンセイソンも始める。

3人もやるとさー、気になって仕方ないじゃんよ!

あー、もぉー、ポルトガル代表のクセにぃぃぃ。



 も一つおまけ。やはり国民性の違いかな?

ポーランド代表サブはどんなに雨が降ろうと、きちんとひざ頭揃えてベンチに座っている。

愛しいくらい、ずぶ濡れだ。で、ポルトガルベンチ…。

監督・コーチ以外は全員、ベンチの上に上がって、跳ね返る雨を避けている。

背もたれの上にお尻。座面に足。あんど、ほぼ全員ほお杖の姿勢。

まー、仲よろしいこと。あなたたちってば…。(^^;)



 追加点のチャンスがありながら、前半は終了した。

ハーフタイム。トイレだけ済ませる。



 後半、雨は小ぶりに。けれど、止む様子はない。

選手はユニを着替えたのか、乾いたのか。ポツポツと受ける雨をユニがはじく。

オーロラに映る様子で、選手の志気も感じられる。



 開始早々、ポーランドが積極的にやってくる。

一度、ゴールネットも揺れた。

どうやら直前にファウルがあったらしくノーゴールだったが、その瞬間、心臓がきゅーんと痛んだ。

スタジアムはノーゴールの判定にブーイング。

ふむふむ、テーハミングの連中だね。実際、前半にそんなコールも聞こえた。

お恥ずかしい…。



 その直後、ジョアン・ピントに代わりルイちゃん登場。

すぐにまた、プレシャアゥに代わりベトちん登場。

よかった、ルイだ。来てよかった、達也君。

ひらりんはベトを気に入ってくれている。



 ルイが入って違うリズムができる。

ルイを拠点にパスが繋がり2点目ゲット! パウレタ〜! 65分である。

例のフライングポーズで、ポルトガルサポへ走り寄って行く姿がほほ笑ましい。

追いかけたコンセイソンが看板の向こうから戻ってくるパウレタを待っている。

あはは〜、イエロー気にしているのかな。

さらに勢いは衰えず、30分過ぎ、ルイの鮮やかなピンポイントパスが見れた!

走り込んでいたパウレタが綺麗に受けて、3点目が入る。ハットトリックだよ!! 凄い!!



 パスが繋がると「これだよ、これ!」。皆が口々に言う。

ポルトガルのサッカーが好きな人達なんだね。



 極め付けは、ルイのゴールだ。

何かと思った。



 ルイが出したパスをカプーショが受け、フリーでクロスをあげる。

それをめがけて走り込んできたルイが滑り込みながらも右か左の足で押し込んだ。

う、うわぁ〜、鳥肌!!

まさか、ルイのゴールが見れるなんて…。しかも、目の前で!! 涙〜。

決めてすぐに「君だよ!」とカプーショを指さしながら、抱きつくに行くルイ。

相変わらず、お口あんぐりで迎えるカプーショ。(ーー;)

カプーショの喜びの表情に比べたら、ルイはかたい。

まだまだ予断を許さないといったメッセージにも受け取れる。



 4-0でポルトガルの勝利。

望みは繋がった。

勝ち点3がプラスされ、少し安堵の人々の顔がゆるむ。



 しかーし、私たちはゆっくりしていられない。

選手たちと喜びの余韻に浸る間もなく、スタジアムからダッシュ! ターミナルへ急ぐ。

23時36分のバスなんだから。

えみさんはチョンジュ泊まりなので、手を振ってここでお別れ。

私たち3人はシャトルバス乗り場へ急いだ。



 相変わらずの状況に加え、雨が振っているから今まで以上の混乱ぶりだ。

ターミナル行きのバスにうまく行き当たらず、列もわからない。

ここで何十分もロスするより、歩いたほうがいいのか?

ともかく歩いてタクシーがいたらつかまえよう。戦術変更だ。

歩きながら、ソウル行きのバスには間に合わないかも。

でも、明日の飛行機に乗れればいいのさ、と最悪のシナリオまで描いた。

それでも勝負は最後まであきらめてはダメなんだなぁ。

タイミングはタイミングでやってくる。

雨の中、黙々と歩く私たちの前に一台のバスが泊まった。普通の市バスのようだ。

「高速バスターミナルへ行く?」

誰も応えない。運転手は首を振る。

一番手前の女性が小さい声で「イエス」と応えてくれたのを達也君が聞き逃さなかった。

よかった。乗っちゃえー。運転手が嫌がるところを無理やり乗り込む。



 こうして、なんとか無事、高速バスターミナルへ到着。

ギリギリでソウルへ向かうバスに間に合った。



 高速バスはソウルへ向けて走り出す。

もう遅いから、車内は明かりが消され、おやすみモードだ。

スタジアム脇を通る。



 たったさっき、何万人という人々を飲み込み、吐き出したスタジアム。

美しくライトアップされた姿には、その疲れなど感じられない。



 選手は帰ったかな…。

勝利の余韻に浸れなかった分、静まり返ったスタジアムにお礼を言いたくなる。

けれど今日は、大きな歓喜がある中で、小さな涙もあったはず。

そんな喜びも痛みも、いつかは伝説になるんだろうなぁ。

スタジアムだけが知っているんだろうなぁ。



 今夜はここで、見送ってくれるの?

そう、17日に、またここで…。それまで、Adeus…。





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