Update:2004/04/01 「'83 911SC エンジン調整」

 No.37

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 '83 911SC エンジン調整

 今回は、私の愛車チャッピー('83 911SC)の基本エンジン調整を見ていきましょう。車検の時や定期点検時などで調整する箇所です。SCのようなKジェトロ車の場合、私が以前、「嗚呼!!ポルシェへの道2」でも書きましたが、できれば季節毎の調整が望ましいのですが、そうも言ってられないので、年2回夏前、冬前の調整がもっとも有効でしょう。

エンジン調整は『エンジンが掛かっている状態』に行ないますので、ク−リングファンやファンベルトなどが動いてますので、指などを巻き込まれないよう細心の注意が必要です。バキュームホースの脱着やデストリュビューターのネジ調整時などは、1度エンジンを停止させた方が安全です。各種テスターも使いますし、慣れていないと危ない事もありますので、こういう作業はサービス工場などに任せた方が良いと思います。なぜ、今回この内容を当サイトに掲載したかと言いますと、車のトラブルの質問で1度エンジン調整をやってみてからでないとトラブルがよくわからない様な内容を頂くのですが、そのエンジン調整を1度説明しておいた方がいいかな、と考えました。今回はKジェトロですが、機会があればLジェトロなども紹介したいと思います。

 '83SCの場合、点火タイミングとCO調整です。いずれもエンジン温度80度〜90度が基本です。順序的には点火タイミングから点検します。

 '83SCは、イグニションディストリュビュータ−に、進角と遅角のバキュームホースが点火タイミングを微調整するために付いているのですが、まず 遅角のバキュームホースを外します。下の写真で赤矢印が示す赤いホースが『進角』、青矢印が示す黒いホースが『遅角』です。

 外すバキュームホースは、『遅角』側だけで『進角』側は繋いだままで構いません。

 下の写真で赤矢印が示すナットは、点火タイミングを調整する時に緩めるディストリビューターのナットです。

 『遅角』側バキュームホースを外すと勝手にアイドリングが上がってしまうので、規定値の950rpmに調整します。アイドルアジャストスクリューは、下の写真の位置にあります。硬くなければ、手で回せるくらいです。

 アイドリングを規定値に調整したら、エンジン回転はアイドリング状態で、タイミングライトを取り出し、#1点火コードにセットし、クランクプーリーの合わせマーク狙って照射します。ファンシュラウドには、下の写真では赤線で示しましたが、切り欠きがあり、回転するクランクプーリーの点火位置を合わせます。

 '83 911SC日本仕様の点火タイミングの基準値は「5度BTDC/950rpm」です。「BTDC」とは、上死点前という意味です。下の写真でファンシュラウド側にある切り欠き(黄色)とクランクプーリーに切り欠かれたNo,1かNo4シリンダーの圧縮上死点『Z1』(赤色)を合わせたとこです。その横にBTDC5度の切り欠き(白色)があります。規定値に調整するには、タイミングライトの照射がファンシュラウドの切り欠きとクランクプーリーのBTDC5度の切り欠きを合わせればいいのです。タイミング自体は、エンジンの構造上、それほど頻繁に狂ってしまうとこでもないので、大抵、点検で終わらす事が多いです。

 私のSCは点検の結果、5度BTDCだったのですが、SCは夏場や高負荷時にノッキングが発生しやすいので、ちょっとタイミングを遅らせ、4度BTDC位に調整しました。点火タイミングの調整は、点火ディストリビューターを動かし調整します。

 調整後、外した遅角バキュームホースをデスビに接続。この時、ホースを繋げると今度はアイドリングが下がってしまうので、基準値950rpmに調整します。

 次はCO調整です。
 '83SCは、O2センサー付きのKEジェトロのため、まずは触媒に付いているO2センサーのコネクターを外します。CO(排ガス)測定時、O2センサーを作動させないためです。O2センサーは、排気ガスの濃度を検知し、ガスを濃くしたり、薄くしたりするシステムですので、その動きを止めておかないと正確なCO値が測定できないのです。O2センサーのコネクターを外す時は、マニュアルではエンジン停止時です。エンジンをかけたまま、O2センサーのコネクターを外すと、O2センサー関係ラムダコントロールのコントロールユニットに悪影響を及ぼすとか。

 SCのO2センサーのコネクターは、エンジンルーム向って左奥の、フューエルフィルター下あたりにあります。

 コネクターを外したら、触媒前方にあるCO点検用のサービスホールのナットを外しておきます。エンジン調整では触媒で浄化される前の排ガスを測定するのです。エンジン始動後、アイドリングが安定したら、サービスホールにCOテスターを入れ、CO、HCを測定します。サービスホールは触媒前ですので、左リヤタイヤの後から覗き込めば確認できます。下の写真で赤矢印ガ示すナットがサービスホールです。3,2カレラですと場所が同じですが、ボルトタイプの車種もあります。

 測定の結果、私のSCはCO 4、5%。HC 80ppm。でした。基準値が0、6〜1、0%ですので、かなり濃いです(笑)COを基準値1、0%まで下げたら、あら不思議?なんとなくエンジン音が静かになった気がする。

 COの調整ですが、下の写真で黄色矢印が示すKジェトロユニットのエアクリーナー上の奥に、普段はエア、ゴミなどの侵入を防ぐためのプラグが付いてます。これは簡単に手で抜けます、抜くと穴が開いていてその奥に調整用のスクリューが隠れてます。

 ちょっとわかりづらくなってますが、調整用のT型レンチを入れたとこです。ここは、右に回すとCO値が濃くなり、左に回すと薄くなります。

 下の写真がCO調整に欠かせないCOテスターです。上に乗せてあるのがCO調整レンチです、このレンチは先が3mmの六角レンチになってます。

 COテスターがないと、正確なエンジン調整ができませんので必需品なのですが、よくツーリング先やサーキットなどCOテスターのないとこで、調整をすることもありますが、そういう時は、エンジン音、排気音、排気圧、排気温度などで判断して、とりあえず調整してみることもありますが、熟練の勘とテクニックが必要になりますね。最終的には帰ってからテスターで確認した方がいいです。

 調整後、マフラー出口(触媒で排ガスが浄化された状態)で測定したら、アイドリングでCO 0、1%。HC 10ppm。でした。車検規定ではCOは4、5%以下ですので、全然OK、楽勝です。
 ちなみに、HCとはガソリン、生ガスの事なので、失火などで何気筒か死んでない限り、それほど上がるものではありません。(注:キャブ車等除く)
 ところで、何故にCO調整が必要かというと、メーカーが出してるエンジンの調子の良いトコって事もありますが、触媒、O2センサーには反応しやすい範囲があって、それが 基準値が0、6〜1、0%なんです。


 今回はあくまでも標準調整を書きましたが、触媒抜いて直管になってる、マフラーを変えている、などなどでは、その都度、調整自体が別物になってしまいますので、ご参考までに。


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