資格の現状
現代日本は,空前の資格ブームです。現職ホワイトカラーでも,税理士,社会保険労務士,中小企業診断士等の取得を目指す人が増えています。公認会計士,税理士,簿記検定,情報処理技術者,宅地建物取引主任者,社会保険労務士,行政書士,中小企業診断士,不動産鑑定士といった,サラリーマンや学生が目指す主要資格の年間総受験者数は80万人超といわれています。
以上の主要資格の性格を分析してみましょう。公認会計士は合格者の約半数が25歳以下であり,若年型資格といえます。逆に社会保険労務士は合格者の6割程度が30,40歳代であり,中高年型資格といえます。同様に税理士,中小企業診断士も中高年型資格といえるでしょう。
現在勉強している資格をみてみると,社会人においては社会保険労務士が多く,半数以上を占めています。定年後も活かすことができ,現代の高齢化社会を反映しているものだといえます。次に多いのは,男子では中小企業診断士,女子では税理士が多くなっています。これらの資格取得を目指している人の多くは,既に資格を取得しており,社会人においては簿記検定と宅地建物取引主任者が多く,学生においては簿記検定が半数以上です。
次に,最近の各資格の平均学習期間をみると,公認会計士は半年未満が6割以上,半年以上1年未満が2割以上を占め,平均的には半年程度であり,短期決戦型です。税理士の場合は半年未満は1割に満たず,5年以上も2割以上で,平均的には3年から5年であり,長期型です。社会保険労務士は半年未満が約6割,1年以上2年未満が約2割であり,平均的には1年半程度であろうと思われます。中小企業診断士は,7割程度が半年未満であり,平均的には1年程度であると思われます。
資格の性格を大きく2つに分けると,現在の会社で資格を活かしていくという「キャリア型」と,資格取得後に開業・転職を目指すという「開業型」に分けることができます。資格取得者の職業をみてみると,中小企業診断士は現職のホワイトカラーである場合が多く,キャリア型と考えられます。逆に税理士は独立開業する場合が多くなり,開業型といえます。公認会計士は税理士に近く,社会保険労務士は中小企業診断士に近いタイプであると考えられます。
転職について考えてみましょう。現職のホワイトカラーの半数以上の人が,資格取得後は条件がよければ転職したいと考えています。転職希望者の率は正確に把握することは難しいでしょうが,積極的に転職したい人は10人に1人程度,条件が合えば転職してもいいと考えている人は半数程度いると考えられます。転職希望者が考えている転職先は,専門能力が活かせる公認会計士,税理士,社会保険労務士事務所が多く,続いて独立開業となっています。しかしながら,現実の独立開業は難しいといえ,税理士においても企業内キャリアに活用することも多いのが実際です。
資格の免除制度
1つの資格を得ると,他の資格が免除になる制度があります。資格の免除制度は,大きく3つに分けられます。@1つの資格を得ると,他の資格試験を受けなくても届出のみでその資格が得られるもの。そしてA1つの資格を得ると,さらに上級の資格試験を受けることができるもの。またB1つの資格を得ると,他の資格試験の一部あるいは全科目が免除になるもの,です。所定の公務員期間があれば,税理士,司法書士,行政書士などの資格試験がそのまま免除になることも,その1つです。また,所定の資格試験にパスすれば,他の資格試験の一部試験を免除する制度はかなり複雑で,ここでは取り上げません。
ここでは,主な資格について,@の全免除となるものについてまとめてみました。
資格 免除になる資格 弁護士 弁理士 税理士 司法書士 行政書士 社会保険労務士 公認会計士 税理士 行政書士 弁理士 行政書士 税理士 行政書士 医師 衛生管理者(第1種) 船舶に乗り込む衛生管理者 建築物環境衛生管理者 食品衛生管理者 歯科医師 衛生管理者(第1種) 食品衛生管理者 薬剤師 衛生管理者(第1種) 食品衛生管理者 保健婦 衛生管理者(第1種) 労働衛生コンサルタント 衛生管理者(第2種)