北海道のマンガン土鉱床
旭岳温泉
所在地:東川町旭岳温泉
旭岳温泉(かつては湧駒別温泉と呼ばれた)は旭岳の南西の湧駒別川沿いの標高1020m付近にある。旭岳温泉の湧駒荘付近、熊の沢上流、湧駒別側上流の標高1,300m付近から900m付近まで数カ所にわたって温泉の湧出が報告されている(和気ほか,1978)。この湧駒別温泉沼沢地に堆積したマンガン土鉱床を吉村(1969)は湧駒別鉱山と紹介した。湧駒別川に沿っていくつかの温泉の湧出がありマンガン土が沈澱している。
水質
温度30.0℃、pH5.9、Mn:5.6ppm、Fe:0.20、Na:110ppm、K:31ppm、Ca:175ppm、
Mg:86ppm、SO4:ppm、CO2:ppm、H2S:ppm
構成鉱物
バクテリアによるマンガンの酸化沈殿が行われている(Mita & Miura,論文執筆中)。湿潤な状態での粉末X線回折実験で、7.1Åと9.6Åの底面反射を示すものがあり、それぞれをbirnessiteおよびtodorokiteとした。いずれも2θが20度から35度にかけての幅広いハローを示し、乾燥すると、9.6Åの底面反射が7.1Åに収縮するものもある。またハローは乾燥により消滅した。走査型電子顕微鏡による観察では他の鉱床と類似した特徴的な外形を示す。
分析値の例:Mn:50.7%、Fe:0.0% 、Ca:1.2%、Mg:0.30%、Na:0.04%、K:0.72%、Cu:179ppm、Cr:1.9ppm、Ni:4ppm、Co:6.9ppm、As:95ppm、Sb:<0.5ppm、Pb:0.3ppm、Ag:<0.4ppm、
参考文献
上野三義、五十嵐昭明(1957)石狩国大雪、十勝地区の硫黄褐鉄鉱鉱床調査報告、地下資源調査資料、32、1-24
吉村豊文(1969)日本のマンガン鉱床補遺後編、九州大学
和気 徹、二間瀬洌、松波武雄、松浪文博(1978)東川町管内の温泉実態調査、地下資源調査所報告、50、193-207.
後藤 洋(1993)湯駒別温泉産Mn-Wadについて,
北海道大学理学部地質学鉱物学科卒業論文
Miura H. & Hariya Y.(1997)The recent manganese deposit in Hokkaido,Japan.
Nicholson,K.,Hein,J.R.,Buhn,B. & Dasgupta,S.(eds), Manganese Mineralization:
Geochemistry and Mineralogy of Terrestrial and Marine Deposits, Geological
Society Special Publication No.119, pp.281-299
最終更新日時:1997年8月26日