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私たちは、国際的な保護動物ジュゴンの生息域である泡瀬干潟の破壊に反対し、その保全を強く訴えます。(泡瀬干潟保全アピール) 海は人間の故郷です。沖縄の人々は、遠い昔から海とともに生きてきました。幸せは海の向こうからやってくるというニライカナイの心は、沖縄の人々の海への感謝の思いでもあります。とりわけ、干潮時、潮が引いてしまう干潟は、海と陸の重なる所です。ここでは陸と海で生まれた多様な生物が行き来しています。私たちもまた身近な、この干潟を行き来し多くの恵みを受けてきました。海の生物で、干潟の砂地に生えるアマモ類を糧に生きているのにジュゴンがいます。ジュゴンは、沖縄の人々にとって神であり、沖縄人発祥物語の主人公でもあるとする地域が少なくありません。それはジュゴンが干潟を接点に、わたしたち沖縄の人々の身近な存在として、生きてきた証しでもあります。 ジュゴンは、国の天然記念物であるとともに、国際的に保護が義務づけられている、絶滅のおそれのある哺乳類です。そのジュゴンの東アジアでの北限が沖縄です。ここ数年の私たちや研究者などの調査で確認されたジュゴンは、日米両政府によって新しい軍事基地が建設されようとしている辺野古を含む沖縄の東海岸で多く、アマモなどの海草の分布と重なっています。その中に中城湾海域が含まれていることはあまり知られていません。実は海草の分布でも三番目に多く、ジュゴン目撃やジュゴンの食み跡目視情報の多い所です。 戦後、久場崎など中城湾一帯でのダイナマイトによる捕獲の話や、一九七五年頃ホワイトビーチと津堅島間の海面でのジュゴン二頭の目視、一九八七年佐敷への死体の漂着、一九九九年のセスナ機による久高島周辺海域での目視、二〇〇〇年、南西石油地先での目撃、泡瀬地先での食み跡の目撃など、泡瀬干潟を含む中城湾一帯がジュゴンの生息域になっているのです。 二◯◯◯年一◯月、世界各国の政府や民間の代表が参加した世界自然保護会議(国際自然保護連合IUCN主催)は、沖縄のジュゴン、ノグチゲラ、ヤンバルクイナの保全を日米両政府に勧告しています。ジュゴンに限れば、「ジュゴン個体群のさらなる減少を食い止め、さらに、その回復に役立つジュゴン保護対策を、できるかぎり早急に実施すること」そして「保全計画を早急に作成し、これらの種と生息地の詳細な調査研究を行うこと」を求めています。そして「ジュゴンが周年生息する範囲は、現在では沖縄島の中部および北部の東海岸に限られ、これは沖縄のジュゴンの保全にとってこの範囲が極めて重要である」と指摘しています。つまり、ジュゴン保護の地域としてここも対象になっているということです。 今、国がやるべきことは、日本政府代表も参加した国際会議での勧告を重く受け止め、泡瀬干潟を含む中城湾を埋め立てて、ジュゴンの命の糧であるアマモ類を消滅させ、ジュゴンを絶滅に導くのではなく、ジュゴン保護のための詳細な調査の早急な実施と個体群回復のための保護対策を作成することでしょう。 ジュゴンを沖縄の海から失うことがあるとすれば、沖縄の人々は、沖縄人発祥物語の主人公を失い、神を失い、沖縄の心の文化を喪失することになります。心と自然の喪失に未来はありません。新しい世紀は自然との共生が課題です。そこで、私たちは訴えます。 泡瀬干潟の埋め立てに反対し、その保全を強く訴えるとともに、ジュゴン保護のための詳細な調査の実施と、さらなる個体群の回復のための保護策を早急に作成するよう、強く求めます。 二〇〇一年七月五日 ジュゴンネットワーク沖縄 連絡先:〒901-2223 沖縄県宜野湾市大山5-3-9 マリンガールプロダイブ気付 |
参照:沖縄島東海岸中城湾のジュゴン情報(2001年5月21日まとめ)