「『自然の権利』シンポジュームへのメッセージ」(2000年12/2) | 「国際世論でジュゴンの保護を」(2000年9/27)


2000月12月2日(土)

「自然の権利」シンポジュームへのメッセージ

ジュゴンネットワーク沖縄

 自然の権利シンポジューム「沖縄ジュゴンは生き残れるのか」の開催は、沖縄産ジュゴンの絶滅寸前の、時宜をえた企画だと喜んでおります。

 わたしたちジュゴンネットワーク沖縄は、結成(1997年11月)から3年余、沖縄のジュゴンを保護しようと、研究者や自然保護団体などのご協力をえながら、調査研究と啓蒙の二本の柱で活動を進めてまいりました。

 調査の結果は、ジュゴンは名護市辺野古を中心とした沖縄東海岸の海で今も生きており、しかもこどもを産み育てているということです。

 わたしたちの再三の、ジュゴンの調査と保護の申し入れに対して、腰をあげようとしなかった日本政府もIUCNの保護勧告採択という国際世論におされて、ようやく調査を始めました。しかし、それは、アメリカ軍の新基地の建設担当の部署である防衛施設局が、ジュゴンの生息地の辺野古沖に建設する計画を具体的に進めながら、専門家や自然保護団体の参加もないまま秘密裡に行っています。

 それは、ジュゴンの保全の調査を行い、保全のための対策を立てるという、IUCNの勧告の趣旨に反するものといえましょう。

 政府の今の調査のやり方を許してはいけないと思いますが、このシンポジュームで対案が具体的に検討されるものと、期待しております。

 繰り返しになりますが、沖縄産ジュゴンは絶滅寸前です。確認された個体数もそう多くありませんが、この2年に5頭のジュゴンが屍体が記録されています。それまでは2〜3年に一度ぐらいの屍体発見ですから、異常な事といえるでしょう。そのうち、生まれて1ヶ月余りの赤ちゃんジュゴンを含む2頭は、明確な漁網による混獲によるものです。3頭は死因不明です。このまま推移すると、数年で絶滅してしまうでしょう。

 沖縄産ジュゴンの生存の環境は危機的状況にあるのです。
 今、政府が急いでやらなければならないことは、ジュゴンの生息が確認されている海域に対する保護海域の設定と開発・軍事演習の中止でしょう。

 保護海域の設定は、漁業活動のうち漁網を伴う漁業について何らかの制約を伴いますから、漁業者にとって、死活問題です。当然、その補償をしなければ、漁業者は納得しないでしょう。わたしたちも、この問題に緊急に取組を強めることが重要でしょう。漁業者と率直に話し合い、政府が補償するまでなんらかの補償基金を用意することも必要かもしれません。

 開発と軍事演習による藻場の破壊は、ジュゴンの食料である海草を著しく減少させています。この海域での特殊部隊の海上・海中戦闘訓練の犠牲にならないともかぎりません。

 わたしたちは、最近、辺野古の海底で、水陸両用戦車が藻場を踏み荒らした轍の跡を発見し、改めて、軍事演習を全面的に禁止しなければジュゴンの生存は保証されないと確信しました。

 今、わたしたちがこうして議論をしている間にも、人間活動によって死の危機に直面しているジュゴンがいるのです。
 このようなことも念頭にいれられて、シンポジュームが成功されることを願っています。

】2000年12月2日に開催された「『自然の権利』シンポジウム2000 沖縄ジュゴンは生き残れるのか」に寄せられたメッセージ。比嘉弘世話人が同シンポに寄せた。【】2000年9月27日に開催された第4回ジュゴンネットワーク沖縄総会決議。10月4〜11日開催のIUCN主催・第2回世界自然保護会議(アンマン、ヨルダン)に派遣された細川太郎事務局次長の壮行会でもあった。


ジュゴン保護のための緊急アピール
国際世論でジュゴンの保護を

 ジュゴンは国の天然記念物で、国際条約で保護が義務づけられています。
 沖縄産ジュゴンは、沖縄島の辺野古を中心に沖縄鳥東海岸などに生息する東アジアの北限の孤立したジュゴンとして、きわめて貴重な生き物です。その数も少なく、絶滅の危機に瀕しています。

 ジュゴン目撃の情報が寄せられる度に、人間活動の活発な海域でよく生きていてくれたと、沖縄の人々に大きな感動を与えてくれてましたが、この1、2年はジュゴンの死体での漂着が目立ち、ジュゴンの最後の叫びのように思えてなりません。

 それは、陸域、海域での頻繁な軍事演習、刺し網などによる漁、乱開発による海草餌場の滅少など、人間活動による環境の悪化がいっそう進行していることを訴えているようです。

 こんな危急の段階に入っていても、環境庁や水産庁、文化庁、県などの関係機関は生息数や生息環境の調査すら手をつけていません。それには理由があるからです。

 それは、アメリカ政府と日本政府のジュゴン絶滅作戦としかいいようのない、軍事基地を、ジュゴンの生息域の中心である辺野古沿岸域に建設しようという計画が進めれらているからです。

 埋め立てであれ、海上であれ、餌場である藻場を破壊しますし、休息や回遊海域を奪います。それに、演習による騒音、油による海面汚濁、さらに増加される軍事演習は、身体的、心理的被害を大きくします。15年という期限付きの議論がありますが、ジュゴンにとっては、この1年、いや1日、1日が大切なのです。

 調査捕鯨の問題で、経済制裁さえちらつかせて日本政府に圧力をかけるアメリカ政府が、自国で手厚く保護をしているマナティと同じ海牛目に属し、国際的な保護が義務づけられているこのジュゴンを絶滅させる計画に(マナティと同様の保護を日本政府に対して意見すべきところなのに)、外国にアメリカの基地を建設するためとはいえ、荷担していることは、アメリカ政府の環境に対する考えが、身勝手でいいかげんなものであることを世界に公表していると言えるでしょう。

 わたしたちは、国際的な環境会議(10月4〜11日、国際自然保護連合IUCN主催、第2回世界自然保護会議)がアンマンで開かれるのを機会に、沖縄から国際世論に訴えます。

 沖縄産ジュゴンが絶滅の危機にあります。さらに、その危機に手をかしているのが、アメリカ政府と日本政府であること。
 絶滅の危機にある野生生物を助け、共生することこそ、人類の未来はある、と。
 そして、アメリカ政府と甘木政府にも、真剣に環境問題を考えてはしいと。

2000年9月27日

ジュゴンネットワーク沖縄 第4回総会


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