以下の文書は2000年8月8日、赤土流出問題研究ネットワーク(ML)世話人宛メイルからの転載です。筆者の伊東さんは、「赤土汚染問題研究班」のメンバー(沖大地域研特別研究員)です。「八重山・白保の海を守る会」会報「エーネナラヌ」44号(2000年8月)に掲載予定の原稿です。
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「赤土汚染問題研究班」が沖縄大学地域研究所内に発足!
― 青いサンゴの海を甦らせるために・故吉嶺氏の遺志を引き継いで―
伊東徹雄
スーパーのダイエーが発行しているOMCエコロジーカードというのがあります。このカードは、利用金額の〇・五%が地球環境保護基金に寄付され、(財)緑の地球防衛基金を通じて保護・研究団体に寄付されます。カードには、地球温暖化防止をはじめ約二〇種類のテーマがあり、「白保のサンゴを守る」というのもその一つです。このテーマを受けて今年の四月、沖縄大学地域研究所内に「赤土汚染問題研究班」が発足しました。
白保海域には、北半球で最大規模のアオサンゴ群落をはじめ、さまざまな海の生きもの達が生息しています。この海域のほぼ中央部には、轟川の河口があります。轟川の周囲は、土地改良事業の行われた農地も多く、赤土を含む水が流れ込む事も少なくありません。轟川から流出する赤土が白保海域に最も影響を与えていると考えられています。轟川からの赤土流出は、以前から問題視されており、沖縄県では一九九三年度に調査を委託し「轟川流域赤土流出実態調査」という報告書にまとめています。この報告書によれば、パインやキビ等の畑から一九,一六〇トン、休耕地や裸地、その他から一三,七二〇トン、合計三二,八八〇トンもの赤土が毎年流出していると推定しています。二万トン近くに上る大量の赤土が畑から流出し、清浄な水を好むサンゴの海に注ぎ込んでいることが明らかになったにも関わらず、その後、具体的な流出防止対策は全くといっていいほど行われていません。
そんな状況の中で今年四月二八日、沖縄県は、新石垣空港建設予定地として、白保海域に隣接するカラ岳陸上案を選定したのです。予定地は、白保海域に近いため、空港建設工事による赤土(土砂)流出が懸念されます。
この研究班では、新石垣空港建設に伴う問題を含め、赤土流出問題を解決するための調査・研究などを行う予定です。
班の代表は、故吉嶺全二氏と一緒に赤土問題に関わっていた沖縄大学の土田武信助教授です。そしてメンバーには、宇井先生をはじめ、赤土訴訟の莇さん、白保・サンゴと赤土の調査団長である高橋さん等、主要な人物がおります。しかし、いずれもボランティアとして本業の合間でしか活動できない方ばかりです。私も同じ境遇ですが、この問題に関心があるため、入れていただきました。
なお、今回の助成金は、二年で約三百万円であり、少数のメンバーが調査活動する程度の費用しかありません。赤土流出を防止するためには、広大な土地に手を加える必要があり、今回の僅かな助成金では実験すら困難です。それゆえ、今回の助成を受ける研究班を核として、市民、行政、企業、研究機関の協力のもと、真に意義のある公共事業や、赤土流出防止事業のありかたを提案し、実行させて行きたいと考えています。
一方、ハード的な対策の外に、例えば一九九五年に施行された沖縄県赤土等流出防止条例の改正も必要です。条例の細則で設定された濃度基準は二〇〇ppmと非常に甘く、実質的な効果が薄いばかりか、基準以下の濃度であれば幾らでも赤土の含まれた水を流してもいいというお墨付きを与えてしまい、根本的な解決を遅らせている要因と考えています。
更に赤土問題は県内各地で慢性的に発生しているため、マスコミ報道は減少し、住民も「慣れて」しまいつつあるように思います。
これらの課題解決の為には、研究班のメンバーだけでは全くもって力不足であり、一人でも多くの方の協力が必要です。どんなご協力でも構いません、是非下記までお問い合わせください。
問い合わせ先
伊東徹雄:E-mail:29041094@people.or.jp
土田武信:E-mail:tsuchida@okinawa-u.ac.jp
土田研究室TEL 098-832-2948
FAX 098-831-7924
沖大地域研 TEL 098-832-5599
FAX 098-832-3220
赤土流出問題研究ネットワークのホームページ:http://www.okinawa-u.ac.jp/~tsuchida/akatsuchi/mlguide.html