![]() |
『図南の翼』(小野不由美) / 珠晶と頑丘 頑丘、珠晶にげんなりモードの為、人相悪くて申し訳ありません(笑)。青筋立ってます。 山田画伯の頑丘は素晴らしいですね! 利広もこれ以外あるか!という感じで素晴らしいんですけども。 そして頑丘を描きだされる小野主上の筆も素晴らしい。 利広のような掴み所の難しいタイプは、大枠で言えば、 他の作家さんの作品でも見られると言えば、そうだと思うのです。 頑丘のようなキャラクターを、確かな存在感をもって、魅力的に描き出せるところにこそ、 小野さんの力量があると思います。少女小説には希有なキャラクターですよね。 彼の存在で、『図南の翼』という作品には非常に世界の幅が出ているし、 珠晶・頑丘・利広の3人のキャラクターバランスも素敵。 珠晶と頑丘の食い違いぶりも、 (珠晶に同調しがちで)腹が立つけど(笑)、奥行きがあって良いです。 頑丘は「大人」の目で、珠晶を現実の見えない「子供」と見て、 彼女の考えを切り捨てるのだけど、 だからといって、確かに子供には違いない珠晶の目には、何ひとつ見えていない、 というつくりにはならないのが、この作品の小気味良さなのです。 「…落としなさい」 「珠晶」 「結論だけ言われて、はいそうですかとおとなしく言うことを聞くのは、 言葉の通じない家畜だけよ。ひとを家畜あつかいするのなら、ここから突き落とすなり、 妖魔の鼻先に放り出すなり、すればいいでしょう!」 (ホワイトハート版 p.431) すごく好きなシーン。張りつめる緊張感と、珠晶の強い視線と同時に、 凝縮された彼女の怒りとか悔しさとかを感じて、一気に気持ちを持っていかれます。 泣きたいような、言葉に言い尽くせない腹立たしさと悔しさなのだと思うのです。 ここで「珠晶」と名を呼ぶ頑丘がまた好き。ラストを間近にして、この辺りの遣り取りは、 2人の関係というか、それぞれの在り方が凝縮されてると思う。 犬狼真君が絡んだこの後の展開も含めて、後半の2人の遣り取りがとても好きです。 十二国記シリーズでは、この『図南の翼』がマイベスト。大好きです。 BACK NEXT |