2008/04/12
時を経て、わが家にもついにあこがれの「Technics SP-10」がやってきました。
ちょうど今年、松下グループは会社名を全てパナソニックにするそうですが、この記念すべき年にわが家に来たのは初代「MK-1」ではなく2代目の「MK-2」です。
最初は「MK-1」を捜していたのですが、程度の良いのがなかなか見つからないのと、WEB上で諸先輩方の話を聞くとFGに苦労されているようですので、ターゲットを「SP-10mk2」に切り替えました。
届いた箱の梱包を開け、はやる気持ちを抑えつつ早速通電テストを行います。33・45・78回転とも全て正常に回ります。そして30年前に電気屋さんで行ったようにターンテーブルの上に手をのせて回転を止めてみます。止まっているのはゴムシートだけでターンテーブルは正常回転を行っています。
これ、これです。このトルクの太さが当時あこがれだったのですが、当時のお給金ではとても手にすることなど出来ずに、ただ指をくわえて眺めているだけでした。
ターンテーブルシートにオーディオテクニカの「AT-666」を使用する予定ですが、実際に乗っけてみるとターンテーブルの縁の突起部分のせいで紙1枚分ぐらい「AT-666」が浮いています。
この縁を旋盤で切り取るように言われていますが、そのような作業が出来るわけがなく、諸先輩の中にはヤスリで削り落とされている方もいらっしゃいますが、それも加工精度を考えるとマネは出来そうもありません。
悩んだあげく、紙1枚分ぐらいなら紙ヤスリでどうにかなるだろうと思い、ブッといモーターのトルクを利用して紙ヤスリを当てながらモーターを回し放しにして削っちゃいました。
苦労の甲斐あって、「AT-666」の外側に軽く紙が入るようになりました。これでターンテーブルと「AT-666」がピッタリと付いているはずです。「SL-1200mk3D」では「AT-666」は重たそうな回転をしていたのですが、さすがにこのモーターでは余裕です。
これから、回転系に手を加えて行くわけですが現在DACのケージングや作成途中のパワーアンプがあるので、この続きはちょっと先になりそうです。
制御基板も現在在庫はありませんので再度作成することにします。
2008/05/11
TT制御のためにSP-10mk2のモーターを取り出してみます。
いろいろな先人の方のHPを覗いても、モーター自体の写真は掲載されているのですがモーターの取り出し方法が記載されていませんので、どこから手をつけましょう。
と、言うことでまず裏面から挑戦してみます。カバーを外すと制御基板が現れますが、IC化が余り進んでいないようでパーツがびっしりと付いています。この部分に相当コストがかかっているようです。
基板には松下の汎用トランジスタでしょうか「2SA564」とか「2SC828」がびっしりと付いています。これがA726やC1400だったらなんておバカなことを考えながら、ドライブトランジスタらしき物をみると、惜しいですね。
銘石D388と一字違いの「2SD389」が付いています。でもD388はTO-3でこちらに付いているのはTO-220。(しょうもなっ!)
基板を外してもモーターは裏からのネジ止めではありませんでした。(残念!)ここで出来たのはモーターからのコネクターを外すことだけ!
今度は表面から行います。ターンテーブルを外し、ネジ止めしている黒っぽいカバーを外します。なんと、そこに現れたのはメカニカル・ブレーキでした。
SL-1200MK3では電子ブレーキだったのですが、この当時はまだメカ式のブレーキだったのですね。
ブレーキ回りのパーツを全て取り外すと、やっとモーターを固定しているネジ4本が見えてきました。そしてやっと念願のモーターユニットとご対面です。
使用されているモーターは当然Technicsの20極15スロットのブラシレス3相DCモーター「MJX-12A」で1977年生まれでしょうか?すでに30年以上経過していることになります。
ここまで来れば当然、中を覗いて見たくなります。ネジ2本をはずしローター部分とステーター部分を離します。
いつもWEB上でしか見なかった中身と初対面です。ステーター部分には15個のステーターコイルと3組の位置検出コイルが確認できます。
ここからは、ぼちぼちと制御部分に取りかかりますか。
2008/06/01
まず現段階で出来るところとして手始めに、モータードライブアンプ用の電源Regの試作とテストを行います。前回のSL-1200MK3の時も結構安定させるのに苦労しましたが、今回は出来ることなら更なる安定を目指したいと思います。
使用している基板は、前回の試作に使用した物で今回もこれを使用して行います。まずは+側電源をザックリと組み立てて約12vに調整し、出力にオシロを接続して無負荷で発振が無いことを確認します。
ここまでは順調ですが、30mA程の軽い負荷をかけたとたんに発振です。出力のデカップリングCの値を前回の2.2μより4.7μに増やして、この時点での発振はどうにか止まりました。
そのまま700mAまで負荷をかけていっても発振しませんが、そこへちょっと正弦波を加えると発振します。その時の発振がけたたましく、測定器が一切無くても分かるような発振です。と言うのも発振が始まると「キーン」と音が聞こえるほど壮大な発振です。
出力電圧は12Vに調整しているのが、デジボル値でDCレンジ11V程に下がります。
位相補正の位置や値をいろいろ変更してみますがなかなか安定はしません。最終的にはダーリントン制御TRのブリーダ抵抗を調整することで安定させることが出来ました。
−側も同じように発振しましたが、位相補正回りは一切さわらずブリーダ抵抗の値のみを調整することで安定しています。前回は制御TRに旧型B600以外は不安定でさらに位相補正を追加したのですが、今回はMJ2955を使用して位相補正は追加していません。
簡単に今回のレギュレーターの10KHzでの過渡応答特性を見てみます。正側の方がリンキングが大きくなっています。
せっかく出来た電源ですので、GOAアンプに接続して調子を見てみたいのですが適当なトランスが無いために、今回は見送ることとします。
制御基板の方も進めなくてはなりませんので、パターンはだいぶ前に出来上がっていた物を間違いがないかチェックします。
パターンの一部を変更しているために、バグが1箇所見つかりました。
前回はコンデンサに指定のQSコンを使用したために、一部かなり無理をしたところがありましたので、今回はフィルムコンはニッセイのAPSにサイズを合わせています。
またDACみたいに高周波回路では無いので不要とは思いますが、各ICにはデカップリングとして積層セラミックを取り付けられるようにしています。
バッテリードライブの方も結構いらっしゃるようなのでバッテリーチェックも入れましたし、フェイズコンパレーターの「4046」で未使用のリニアVCO(Voltage Controlled Oscilator)部分も対策を施しています。
「4059」の分周回路の設定はデフォルトでSP-10mk2用に描いていますが、このパターンをカットすることにより他のモーターにも使用出来るようになっています。
その設定は前回は裏面で行っていましたが、表面からジャンパーすることも出来るようにしてショートピンも使えるようにしています。クリスタルは私の手持ちに合わせて8MHzのクリスタルにしていますが、パターン変更で当然1MHzでも他の周波数でも使用可能です。
SL-1100でのFG検出用フォトトラのエミッタの接続先がGNDなのか-5vなのかで一時もめていましたが、最終的にはプリントミスでGNDは間違いとのことでしたので、それにあわせて-5Vに接続するように修正しました。
電源用のREGも今回は通常の3端子Regに変更しました。ただし実際に作成する時はDACで発表されたディスクリ電源の予定です。
いろいろ修正を加えたて左のイメージのようになりました。サイズは前回より横が7mmほど短くなっています。
2008/06/22
発注した基板が今週末には到着する予定ですが、届いたら少しでも早くテストが行えるようにモーター回りの配線だけでも今週は行っておきます。
モーターから出ている束線をMJ誌の記事と比べてみると、当然ながら全く同じ色彩で出ています。
SL-1200mk3はモーターからの各リード線は直接プリント基板に接続されているため、ケーブルを取り出すためにパターンをカットしたり結構めんどくさかったのですがこれならコネクター部分を作り替えるだけですので楽です。
モーターからのケーブルとの接続はコネクタを使用しないで直接引き出すことが推奨されていますので、中継基板を取り付けるための穴を開けます。
左上の写真の赤丸部分にモーターにキズをつけないようにし、さらにドリルの切り屑がシャフトの穴に入らないように注意しながら3mmのタップを切ります。
モーターの裏側にAT-1の適当な切れ端を利用して、ケーブルを引き出します。基板を止めているシャフトはゆるまないようにペイントマーカーをネジ穴に塗り込んでネジロックの役目をさせています。
今日は左上の写真のところまでです。制御部との接続はSL-1200mk3の時と同じように「日本航空電子」の7ピンのコネクタを2個使用します。
ケーブルの長さは前回の教訓とMJ誌の記事で1mにしています。右上はもったいないけど廃棄処分されることになる基板類です。
そうこうしているうちにえふさんのところでも、前回配布のVer.2基板ではありますが「SP-10mk1(YAMAHAのYP-1000でしょうか?)」が回り出したようです。
なんか焦るのですが基板到着を待ちましょう。
2008/06/29
注文しておいた基板が予定通り28日(土)に届きましたが、土曜日は「中村由利子」ミニミニライブを聴きに行ったために進捗無しでしたが、今日は出来る限りテストを行います。
上の写真は今回の制御基板です。表面処理に金フラッシュを行いましたので幾分高級感が出ています。
右上が「4059」の分周部分の裏面(ハンダ面)になりますが、パターンは入力1MHzで「SP-10mk2」に合わせていますが細いパターンをカットして、ジャンパーを行う事により他のモーターにも使えるようになっています。
前回までは、ジャンパーは裏面でしか出来なかったのですが今回は一部は表面(部品面)より出来るようにしています。また裏面にも分かりやすいようにシルク文字を入れています。
まず手始めに電源ラインがGND間とショートしていないかテスターにてチェックを行っておきます。問題なさそうなので「位置信号発振器」から組み上げることにして、使用する部品をかき集めます。オペアンプは1回路入りの「TL071」を使用し、デカップリングはニッセイの「ASP」。
コンデンサに高価なSEコンは当然使用せずにディップマイカを使用します。「SOSHIN」製を使用しているのが一応こだわりではありますが(笑)
「位置信号発振器」ですが、この部分はパターンを大きく変更していませんので、問題なく発振しました。ただし発振周波数が「78.2KHz」となっています。発振することは確認出来たので、このまま先へ進みます。
デジタル用±5vの電源部も確認しておきます。今回は可変型ではなく固定型の3端子レギュレーター「7805/7905」を使用しています。
電源部も問題なく動作しましたので、「位置検出・ゲインコントロールアンプ」を組み立てます。この部分のテストは実際にモーターを接続して回るかのテストになります。
モーターを回すにはドライブアンプが必要となりますが、最終的にはディスクリートで作成予定で既にプリント基板も届いているのですが、制御基板のテストを優先するためにディスクリートでの作成は後回しにして、前回作成した「LM675T」によるテスト基板がジャンク箱に
転がっていますので、これを使用してみます。この基板自体は「SL1100」の内蔵型を一時考え前回基板作成時に面付けした物で、動作確認のテストは行っているのですが結局日の目を見なかった基板です。
電源もSL1200mk3のテストの時と同じように、テスト用にスイッチングレギュレーターを使用しています。
モーターのFG以外の全てのケーブルとコントロール基板・ドライブアンプ基板を接続して、ゲインコントロールアンプ(LM13600N)のコントロールピンと正負5v電源間とに左図の点線内の「調整用VR(1kΩ)」を接続して電源を投入します。
緊張の一瞬ですがVRをゆっくりと回すとモーターが回り始めました。あとドライブアンプの出力波形の正負のピーク値を揃える作業と3台のドライブアンプのゲインを揃える作業が残っていますが、モーターが回ったところで本日はここまで!
2008/07/06
先週ゲインコントロールアンプとドライブアンプは正常に動作することが確認出来ましたので、その続きを行います。出来ることであれば最終調整まで行い、制御基板のテストだけでも終了したいと思います。
ドライブアンプ出力波形の正負ピーク値の調整を、上の回路図のレベルシフトのC1775のエミッタ側のVRでピーク値が正負同じようになるように調整するのですが、SL1200mk3の経験よりVRの500Ωだけでは調整出来ないだろうと思い、最初からVRにシリーズに560Ωを接続していたのですが、 それでも調整しきれずにシリーズに入れた抵抗を910Ωとして左写真のようにピークを揃えることが出来ました。この波形がよく言われる「ふたこぶらくだ」なのでしょうか?
調整方法は過去の記事ではターンテーブルを手でゆっくりと回し、正負各々のピーク値を探しながら規定値に調整するようですが、最近の記事(179「SL1100」)ではドライブアンプの出力波形をオシロで観て正負同じようになるように調整するように記載されていますので、今回もその方法で行いました。 波形を見ながら行うだけですので、3chあわせてもものの数分で完了です。
次にドライブアンプのゲイン調整を行いますが、ドライブアンプの出力波形を3回路比較すると1回路だけ幾分レベルが低いのがあったので記事通りに一番高いChにゲインを合わせます。今回の使用しているテスト用「LM675T」ドライブ基板はゲイン調整用VRを設けていますので、オシロで波形を確認しながら行いますが調整は簡単です。
次は基準クロックパルスの発振器部分を作成します。記事で使用される1MHzの水晶はここ最近なかなか入手出来ないために、今回は手持ちより8MHzの水晶を使用しました。
1MHzの水晶を無理して入手するより、簡単に入手出来るより高周波の方が、この後ろに分周用のICを入れてICの価格を追加してもトータルで安くなりますし、高周波の方が精度が高いと聞いたこともあります。4000シリーズのC-MOSのせいか波形はちょっとなまっていますが、発振周波数も8MHzで問題なく発振しています。
CD4059の入力周波数として、8MHzのままでは「SP-10mk2」に必要な105.5Hzと142.4Hzの目的の周波数までは分周出来ませんので、7ステージのBinaryCounter4024を用いて1MHzまで分周します。
分周後の周波数を測定してみると「999.973KHz」となり、これならかなりの精度でターンテーブルを回転させることが出来そうです。
1MHzのクロックも準備できたので、分周用プログラマブルデバイダー「CD4059」を取り付けてSP10mk2のクロック「105.5Hz」と「142.4Hz」が出力されるか確認しますが、これは出力されるのは入力に使用したクロックの半サイクル分が指定したクロックの周波数毎に出てくるだけですので、オシロで見えるかどうかのヒゲ上のパルスですので、
確認は大変で、どうにからしき物が出力されているので先へ進みます。
クロックも順調にいったので、あとは残りのパーツをFG用のオペアンプを除いて全て取り付けます。今回モノステーブル用の「555」は手持ちの関係上C-MOSタイプを使用しました。あと加算アンプには「LF411」を使用しています。
前も書いていますが、今回各ICの正負電源にパスコンとして積層セラミックを入れていますので、結構な使用量になるためにパーツ買い出しにいたところ500個入りが格安で販売されていたために購入してきました。
また、今回積分や加速回路などに使用する時定数を決めるコンデンサにニッセイのAPSを使用していますが、精度を求めて「Fクラス(±1%)」を購入してきました。でもよくよく考えると大失敗です。
なぜならば通常の「Jクラス(±5%)」の104が@40なのに比較して「Fクラス」は@200と5倍もします。「Jクラス」はたくさん購入していて容量計も持ち合わせているので選別するべきでした・・・(;涙)
ここまでは全て順調に調整も行え、パーツもオペアンプ1個を除いて全て実装完了しましたので、最後の取り付けパーツのFGアンプ用オペアンプを選別したいと思います。
SL1200mk3の時にFGに使用するオペアンプのオフセットにより、再スタートがうまくいかない時があり原因追及まで結構苦労しましたので、今回は前もってオフセットの少ない物を選別しておくために右の写真のようにテスト用のボードを別途こしらえました。
表には抵抗1本しか写っていませんが、その他の部品は全て裏面に取り付けて、ICソケットを使用してオペアンプを交換出来るようにしています。増幅率は本番と同じ34dBです。
準備したオペアンプは、と言うよりも前回(SL1200mk3時)の余りの「LF356」「TL081」「TL071」、NECの「071」、バーブラウンの「OPA604」「OPA134」と今回は「LF411」を追加しました。
手始めに指定通り「LF356」を装着してみます。ところがオペアンプの出力を観るととんでもないノイズらしき物がのっかています。左上がターンテーブル無回転状態で2Vほどあり、ターンテーブルを回転させると右上のようにFGの出力は出ているのですが、ノイズらしき物がそのまま乗っかっています。
オペアンプを交換してみても同じですので、オペアンプの問題ではなさそうです。
このままではFGとしての役には全く立ちませんので、原因追及と対策を行わなければなりません。今回作成した制御ボードの確認どころではなくなってきました。FGの出力ケーブルに金田先生はSONYを指定していますが、手持ちの関係でVICTORを使用したのがまずかったのでしょうか・・・ってことは無いか!
ターンテーブル回転中のまま、オシロの時間軸をのばしていくとノイズらしき物の正体が出てきました。正弦波がのっかています。にじんでいるのはFG出力波形のレベルが加算されているためですが、よく観測してみると 周波数が「位置信号発振器」の周波数そのものです。ターンテーブルの回転を止めると「位置信号発振器」の波形そのものがFG出力にのっています。試しに、このままFGケーブルを制御基板につないでモーターを回してみると、超低速回転で回り速度制御は全く効きません。 念のため「位置信号発振器」からモーターへのケーブルを外すと、ピタリとノイズとして現れていた「位置信号発振器」の波形は消えます。発振器からのケーブルを外したまま、ターンテーブルを手で回すと回転に対応したFG出力が取り出せます。 原因は分かったのですが、どのように対策するか悩みます。ここまで回ったのでモーターからの配線ミスは考えられませんし、モーターが壊れていることも考えられません。
よくよく考えてみるとここはFG信号さえ取り出せば良いので、ノイズと化している「位置信号発振器」の波形を取り除けば良いことになります。FG信号は45回転でも142Hzそこそこの周波数で、位置信号検出用の周波数は80KHzほどですからフィルターでカットすれば良いのではないでしょうか。
そこで物は試しとFG信号のケーブルに6800pfのコンデンサをパラってみると、位置信号検出信号のレベルがだいぶ減ります。最終的に0.022μのコンデンサをパラにすることにより、右上のようなきれいなFG出力を得ることが出来ましたが、このような処置で良いのでしょうか?
(上側:FGアンプInPut[10mv/div]、下側:FGアンプOutPut[200mv/div])
FGアンプ用のオペアンプは、最終的に今回もバーブラウンの「OPA134」を採用することにしました。
FG出力も取り出せるようになったので、あとは最終調整のみです。ターンテーブルにストロボスコープを乗せますが、ストロボ用の光源を準備しなくてはなりませんのでそれも作成します。
オシロで「Clock」と「FG」のチェックポイントの「Clock」にトリガをかけ、「FG」を観測しながら速度調整VRを回して、「FG」の波形の流れが少ないように33回転・45回転ともに速度調整を行います。
速度調整では、静止するように調整しても時間とともにふらつきますが気にしません。それでもSL1200mk3と違いターンテーブルが重たいせいか、ふらつきが少ないような気がします。
速度調整が終わったところでいよいよ位相調整を行います。まず33回転から行いましたが、こちらも何の問題なくロックしました。「FG」のかすかに流れている波形が、「位相調整VR」を回していくとクロックに吸い込まれるようにロックします。
これは何回やっても感激します。45回転に切り替えると、前もって調整している「FG」が流れていますのでロックするように、今度は速度調整をさわりながら調整を行います。完成後、このHPの更新用のテキストを書きながら数時間回しっぱなしにしていますが
別に異常発熱している素子もなく、どうやらターンテール制御はとりあえず完成しました。ストロボスコープもピタリと静止しています。
手前ミソではありますが、パーツの取り付けから調整まで、途中でストロボ用光源やオペアンプテスト基板を作りながらも、わずか2日ほどで完成しましたので、さすがプリント基板ならではと思います。
あとは、残りのドライブ基板用の電源とディスクリート型ドライブ基板の検証を兼ねた作成です。
2008/07/11
FGにどうも納得がいかず、古い記事を捜していると108しか残っていないと思っていたのですが、なんと95「SP-10MK2 用ターンテーブル制御アンプの設計と製作」が見つかりました。
するとそこには「モーターのFGコイルには微弱なFG正弦波に大振幅の位置検出用高周波が混ざっている。FG信号は高周波の1/10振幅だ。つまり大事な信号の方が弱いのだ。幸い周波数が1000倍も違うので両者は分離出来る。
まず、FGコイルを1kΩという低い抵抗で受けFGコイルに誘導する高周波分を押さえ、RIAAイコライザのようにNFBで高域を減衰させ、コンパレーターのヒステリシスレベルで高周波を完全に取り除く」と書いてあります。
出てきている信号はまさにその通りです。しかしこの注意書きは108には書いてありませんし、制御基板作成の手本にした単行本「オーディオDCアンプ製作の全て」の中にも記載されていません。
FG信号に位置検出信号が飛びついているのは、別に異常でないことが分かったらFGアンプを95を見習って右のように作り替えます。
FGラインにパラに取り付けていた0.022μを取り外し、入力抵抗を1kΩに変更してNFBのコンデンサも510pFより1000pFにするとかすかに飛び込みは無くなるようですが、スタートをかけても超定速回転を行うだけで、定期の回転数は得られずまだ実用に耐えられません。
さらにNFBのコンデンサを1800pFにしましたが、幾分良くなるだけです。左の写真がその時の波形で(上側:FGアンプInPut[20mv/div]、下側:FGアンプOutPut[200mv/div])FGアンプ出力は幾分ましなのですが、FG信号ラインそのものの波形は相変わらずです。
この時点でスタートをかけると、定速回転に入るのに1回転ぐらい要しますので、SP-10の1/4回転で定速が泣きます。
そこでFGラインに4700pFほどのコンデンサをパラってみると、オシロで見る限りFGアンプ出力の波形はある程度きれいになったのですが、それでもスタート時に正規のコンパレーター出力が瞬時に得られないために、定速回転に入るのにちょっととろいような時があります。
コンパレーターのヒステリシスの定数を変更しても良いのでしょうが、飛び込みの位置信号波形さえ取り除けば良いと言うことで、FGアンプの定数は最初の戻しFG信号ラインに0.022μのコンデンサをパラに接続した最初の方法に戻しました。
FGの調整を行った事により、再度速度調整および位相調整を行っておきます。
2008/07/21
先週は恒例のオフミ開催で、急遽SL-1200mk3を持ち込むことになり、ベストなセッティングではなかったのですが、それでも参加者の方も古き良き時代をなつかしみつつ、アナログ音を堪能して頂けたようです。
その前は、FGで悩んでしまいましたが先に進むことにします。
ディスクリート型ドライブアンプの作成からはじめます。回路は108,112の物で、初段は入手の都合により2SK30を使用し、171で行われた終段にもゲインを持たせる方法を採用しています。2SK30を初段に使用した場合はカスコードは不要のようですが、今回も前回と同じように入れています。
終段のトランジスタはモトローラの2N3055/MJ2955を使用する予定でしたが、パーツボックスに眠っている2SB541/2SD388を採用することにします。この石はHfeの揃いがあまり良くないために、パワーアンプへの採用を戸惑っていたのですが、ターンテーブル制御アンプでは、「Hfeにバラツキがあっても問題ない」
と書かれていますので、今回の目的にぴったしと言うわけで採用です。
終段にNECの石を採用する場合は、前段の2SA606/2SC959のベース・コレクタ間に位相補正用の220pFを取り付けることになっていますが、今回もその部分はパターン作成時に考慮していなかったので、裏面への取り付けとなりました。
ただし、このコンデンサを取り付けなくても発振の様子はありませんが、安全のために取り付けておきます。実際に音を出してみたら変わるのかもそれませんが、現在は音の出るような状況ではありませんので、作業はこのまま続けます。
1台だけ組み上げて、異常がないことを確認しオフセットとアイドリングを20mAほどに調整し、残り2台も一挙に組み上げて調整を行い、今まで使用していた「LM675T」と接続し直します。緊張の一瞬ですが、問題なく回転しますし発振の様子もありません。
パスコンはQSコン買い忘れにために、パーツボックスよりマルコンのフィルムを引っ張り出してきて使用しています。
回転することが確認出来たので、再度ゲインコントロールアンプ(LM13600N)のコントロールピンと正負5v電源間に1KΩのVRを接続して、モーターを回しながらレベルシフトと各ドライブアンプのゲイン調整を行います。
調整方法は、「えふさん」より頂いた112の調整法を見ると、この号よりオシロで行う方法に完全に移行されています。
新しいドライブアンプでターンテーブルを回して様子を見ながら、その間に電源部を作成します。出来上がったところで、出力電圧を今回は±13.5vとちょっと中途半端な電圧に調整し、いろいろと負荷をかけてみて発振しないかのテストを行います。
出力電圧はSL1200mk3の時は±12vで製作したのですが、今回もAC電源以外は想定していないので±15vにしたかったのですが、±5vに使用している3端子Regのヒートシンクのサイズにより、若干低めの±13.5vにしました。
今回は試作で定数の見直しやテストを行っているために、ひじょうに安定しています。
今回の基板は、正負に分けずに1種類で正負両方使用出来るようにしました。また制御TRは完全に外付けとしてサイズの節約を測っています。
調整・テストが終わったところでスイッチングRegより、新ディスクリート電源に接続し直して電源を投入します。スタートをかけると問題なく回転をはじめます。
ターンテーブルに接続した状態で電源が発振していないか確認のために±13.5vにオシロを繋いでみると、左上の様な波形(ACレンジ・50mV/DIV、上:+側、下:-側)が確認されます。周波数は「位置信号発振器」の周波数そのもので、電源にも飛び込んでいるようです。
そしてこの状態で回転を切り替えたり、スタート・ストップを繰り返したりすると、時々+側が発振を起こします。
電源のパスコンの容量を4.7μから2〜3倍の容量に増やしてみましたが、少しレベルが下がるだけで相変わらず時々発振します。今度は、電源の出力にOSコンの47μを付けてみましたが、たいして改善されません。アースの引き回しを変えたりしても同じです。
もしやと思い、制御基板の電源入力部分にAPSの0.22μをデカップリングとして入れているのですが、そこにOSコンの10μを並列に接続すると右上の写真のようにピタリと止まりました。
現在テスト的にEIコアの容量少なめのトランスを使用しているために、回しっぱなしにしているとトランスがアッチアッチ状態ですので、注文中のトランスが届くまでテストはこれぐらいにしておきましょう。
また、掲示板でも突っこまれましたが(笑)、キャビネットをどうするかをいよいよマジで考えなくてはならなくなってきたようです。
2008/08/31
このターンテーブル製作記も前の更新より既に40日経過していて、前の更新時には外で「ミーン・ミーン」とセミが耳をつんざくようにうるさかったのですが、今年はお盆を過ぎたころより急に涼しくなり、気が付けば時折セミも交代してツクツクボウシが鳴くようになっています。
今年の夏の暑さも厳しいものがあり、真夏の間は全くはんだごてをにぎる気がしなくて、このターンテーブルも全く進捗がありませんでしたが、やっと動き出せるような気候になってきましたので、制御部のケーシングを行います。
ちょうど8月発売のMJ誌9月号で、198のAC電源採用の対称型ドライブアンプを採用したTT制御が発表されましたが、読むうちに作り替えようかと部品箱をあさったりもしましたが、終段に150mAも流すとなるとパワーアンプ3台を収めることになり、結構放熱が大がかりになりそうなので今回はGOAのまま進めることにします。
今回ケースはSL-1200mk3の制御部と同じタカチのOSシリーズより「OS-49-32-43SS」を使用しました。右の写真のように結構ゆったりと組むことが出来ました。
電源トランスは、テクサンの既製品「TS-15」で15V0.6Aが2回路のRコアです。平滑用のコンデンサはちょっと大げさすぎるようですが、手持ちより15000μのKMHを使用しました。最初の予定では制御部の±5v電源はディスクリート型で行う予定で、MJ誌にもちょうど−側のREGが発表されグッドタイミングだったのですが、夏の暑さに負けどうもやる気が起こらないので、3端子REGのままです。
今回は全て自作基板を使用しているために、裏にアクセスすることが少ないので各パーツはケースの底板に直接取り付けています。
まず電源部を組み立てて電圧の確認を行います。
電圧の確認が出来たら、電源と各基板の配線を行いモーターを接続します。そして電源を投入してスタートSWを入れますとモーターが回転をはじめます。バラック状態のテスト段階で回っているので、配線ミスさえなければ回るはずなのですが、40日ぶりということもあり緊張の一瞬でした。
ただし最初のスタートがもたつきます。SP-10mk2の特長である6kg-cmのぶっとい起動トルクにより、わずか起動時間0.25秒・回転角度25°(33 1/3rpm)の瞬時スタートのカタログ値が泣くようなスタートでひどい時は1/4回転ぐらいはゆ〜っくりと回り、それから定速にはいるような駆動です。
実はこののろまスタートはバラック状態でテストを行っている時、電源をテスト用のスッチングREGより交換したころからあり、おそらくトランスの容量不足だろうとタカをくくっていたのですが、そうではなさそうですので何とか解決しなくてはなりません。
いろいろと調べてみると、モータードライブアンプの出力波形が0Vを中心に正負同じぐらいの電圧で振幅しなければならないのに、3chとも高い所でも0Vに届くか届かないかの出力波形です。そう言えばレベルシフトの調整を行ったあとに、なぜか抵抗を交換したような記憶がかすかに残っています。
位置検出後のレベルシフトを再度調整しますが、調整しきれませんので思い切って左上の回路図のようにVRを500Ωより1kΩへ、シリーズに入れている抵抗を1.1kΩに変更しました。
この部分は、金田先生はいつも500ΩのVRだけのようですが、本当にその値で調整出来るのでしょうか?
また今まで作成されている諸先輩方はいかがなものでしょうか?
瞬時スタートを行うようになったついでに、スタート・ストップ(ST/SP)回りも気持ち変更しました。私の作成している基板のST/SPは179の「SL-1100を用いた制御アンプ」の方法で、加算アンプとゲインコントロールアンプ(トランスコンダクタンスアンプ「LM13600N」)間のコントロール信号を
ON/Offする方法をとっていますが、124と198では加算アンプの入力側をプルアップする方法でストップしています。これでストップ時に電子ブレーキがかかるそうですが、試してみるとストップ状態にすると止まるどころか、超スロー状態で回転を続けます。
そこで、いままではストップ時にはコントロール部はオープン状態だったのを-5vに接続しました。結果は・・・、あんまり今まで変わらないような・・・! それでも33回転のストップ時はターンテーブルは1回転ほどで停止ます。回転中に電源段では停止するのに4回転以上かかっています。
コントール入力をオープンにしておくより、マイナスに繋いだ方が「ノイズに強いかな」と自分に言い聞かせます。間違って+5vに接続するとおそらく超高速回転をはじめるでしょう。
もう一つ気になっていたのが、FG信号へ位置検出用信号の飛び込みです。
112・124で「ツインTトラップ」による位置検出信号のカットがありますが、そこでテストしてみるとやはり効果があります。そこで「ツインTトラップ」経由後の信号を当時の記事と異なり、コンパレーターではなくFGアンプに加えることにします。作成した「ツインTトラップ」基板を制御部ではなく、モーター側に取り付けました。モーターと制御部間の長いケーブルに少しでもノイズを乗せたくないので、「臭いものにはフタ!」いや「臭いものは元から絶たなきゃダメ!」の精神です。
再度一通りの再調整をすませ、何気なくドライブアンプの出力をオシロで見てみると、ここにも位置検出用信号が飛び込んでいます。調べてみるとドライブアンプの入力信号にすでに飛び込んで、ドライブアンプが忠実に増幅しています。まるでエイリアンみたいにあちこちに飛び回っています。たしかに位置検出コイルと共振している状態では30vほどの振幅ですから強烈です。
飛び込んでいるのが3回路だったり、1回路のみだったりいろいろと変わります。発振器の出力とケースのコネクター間を、今までダイエイ電線の20芯をよじったもので接続していたのですが、ここをシールド線に交換することにより一応飛び込みは無くなりました。エイリアン退治成功! (^_^)v
制御部が出来上がったところで回しっぱなしにしてみましたが、制御部のTrは室温31℃でもほんのりと暖まっている程度で、波形をオシロで見てみてもきれいにロックされています。
2008/09/06
前回、「最近、涼しくなった。」と書いたとたんに蒸し暑さがぶり返してたまらない状況ですが、その時に一通のメールが届きました。
それはプレーヤーキャビネットの製作を依頼している山根樫材さんからのメールで「土曜日到着予定で発送します。」との、うれしい知らせです。そして本日、待ちに待ったSP-10mk2用のキャビネットが頑丈な梱包に包まれて到着しました。
山根さんとこのブログを見ると、プレーヤーキャビネットの製作実績が多く素人図面でも対応してもらえそうなので、VISIOで図面を書いてメールで問い合わせたのが8/3で翌日には見積もりの返事があり、その後2〜3回のメールのやりとりがありましたが、丁寧に対応して頂き思い通りに仕上がってきました。
作成してもらったのは置き場所の関係で、W510×D385×H75とコンパクトサイズにしています。材質はもちろん「カバ桜材」を使用しています。表面処理は金田式となるとウレタンクリアー塗装が一般的ですが、重厚な感じを出したかったのでご覧のような色のクリア塗装を行って頂きました。
また柔らかみを出したいために、各コーナーはR加工をして頂きましたが、これがまたすばらしい出来です。当然各穴加工もプロの仕事そのもので、文句の付けようがありません。これで○△*円とはひじょうにリーズナブルな価格だと思います。そしてこのキャビネットの重量はと言うと・・・???、「アッ!」測り忘れました・・・!
丁寧な梱包を解いて、一通り見とれたところで早速モーターを取り付けます。モーター部分のくりぬきも固定ビスの穴位置もピッタリです。固定ネジには真ちゅうの4.1*25の木ねじを使用しました。
このプレーヤーに組み合わせるアームはSAECの「WE-308SX」を準備しました。当然中古ですが、ほとんど傷もなくなかなかの美品で、全体の動作も全く問題ありませんし、アームリフターの動きもひじょうにスムーズです。
アームの下に写っているのは、アームスタビライザーですが非磁性体のは無いかと捜していたら、真ちゅう製のものがオークションに出品されていましたので、速ゲットです。これで重量は540グラムと純正と同じ(?)のようです。
このアームに合わせて、ヘッドシェルもSAECのセラミック製を入手しました。トーンアームとヘッドシェルは合わせると、当時の新品価格より高くなってしましたが、当時の安月給のサラリーマンの私は、SAECのアームなんて指をくわえて見ているだけの代物でしたので、やっと念願が叶ったようなものです。
このアームを入手するまでは、今は無き「マイクロ精機」のダイナミック・バランス型の「MA-505」を使用する予定でしたが、「MA-505」はお蔵入りとなりそうです。
アーム取り付けようの穴は、当然このSAECに合わせて30mmの丸穴を開けてもらっています。裏はスタビライザーが取り付けられるように3段にしてもらっています。そしてこの穴にアームを入れて、裏より固定しスタビライザーを入れます。
金田先生は「SAECのWE-308では、ラテラルバランス・ウェイトやインサイドフォースキャンセラーのウェイトは使用しない。」とどこかで書かれていたような気がしますが、これらは全て使用します。
これらが全てバランス良く調和して、このアームの美しさがあると思います。
オーバーハングの調整から始まり、水平バランスや各種調整を一通り行ってはやる気持ちを抑えつつMCプリへ繋ぎます。MCプリの電源を入れレコードをかけVRを上げますが「アレッ!」音が出ません。「あっ! そうか」この間のオフミに持ち込んで、このプレーヤーが出来るまでレコードを聞くことはないと思いMCプリは結線していなかったのでした・・・。
結線し直して、問題なく音が出ることが確認出来たので、SL-1200mk3を引きずり卸してSP-10mk2をメインの座に据え付けます。インシュレーターに「デュポンコーリアン」のスパイクを使用して御影石製のオーディオボード(奥さん曰く「墓石」)。の上にセットしています。
右の写真のオーディボードの下にあるのが、今回の制御部です。
さて、準備が出来たところでお気に入りのレコードをセットして、針を降ろしVRを上げます。「オッ!、まずパワー感が違うような・・・」なかなか良いですね!
前回のオフミでのMCプリ対決で、私の今使用しているこの「GOA」とAさんの「対称型」の音に、あきれるほどの差があったので「対称型」で聞き直してみたいものです。
最終更新日 2008年09月06日