*プレゼントは花*

 外国の人々はプレゼント上手です。行事に合わせて家族や恋人にプレゼントを買い求める姿は映画の中でもよく見かけます。男性が女性に渡すものひとつに花束がありますが、お花をもらってうれしくない人はいませんね。記念日に花束を贈るのは、ごく自然に行われていますし、記念日でなくても挨拶がわりにお花を持っていくことはよくあることです。

 お花というと日本人は仏事用の花を思い浮かべるのではないでしょうか?うちの母は仏壇に飾る花だけはこだわりを持っているようですが、ギフトとして花に興味を示さない人も少なくありません。なにせ、酔っぱらったお父さんの手みやげはTVドラマでは寿司折りだったりする日本です。

 ちょっとロマンチックな我が夫は、私の誕生日と結婚記念日には必ず花を買って帰ります。この話をすると、友人は皆うらやましがるのですが、よその夫はこういうことをしないんだなあ、と不思議です。年にたった2回のことで、夫婦間の良い関係が保たれるのなら安いものだと思いますが、「釣った魚にエサはやらない」という日本人男性の考え方は未だに深く浸透しているのでしょうか? 花と団子・・・両方あれば言うことナシ・・・(笑)

「女性へのプレゼントは普通、花とか香水でしょ」と、掃除機をプレゼントに買ってきたジェームズ・スペイダーを責め、追い出すスーザン・サランドン主演の「僕の美しい人だから」(1990年)では、スペイダーが花束を買って出直すシーンがあります。夫婦ならいざ知らず、恋人に掃除機はないよなあ・・・と私も思いました。いくつになってもステキな夢と花が欲しい女心を理解できる男性はステキです。

 「微笑みをもう一度」(1997年)で使われる花は、野に咲く素朴な花。大げさなラッピングもリボンもないけれど、ちょっと家を訪れたとき、さりげなく渡すのがポイント。それも、本命の相手に送るのではなく、この映画では娘に渡したところがミソ。同様に「オータム・イン・ニューヨーク」(2000年)では、R・ギアはデートに誘ウィノナ・ライダーのおばあさん役の女性に可愛い花束を渡しています。

手ぶらより何かがあったほうが効果的な場合、迷ったら小さな花束にしてみませんか?

 これが、大統領にもなると「素朴な花」ではすみません。個人的に「さりげなく渡す」ということがどんなに特別で大変なことかが描かれているのが「アメリカン・プレジデント」(1994年)です。マイケル・ダグラス扮する大統領が秘書を通さず、ひとりの男として好きな女性に花を贈りたい、という気持ちが痛いほど伝わります。最初のデートで花を贈りたかったのに失敗した後もことごとく失敗。最後にやっと愛する人に届けた花束・・・誠実で人間くさい大統領の役がとても可愛く見えたM・ダグラスでした。

 「プリティ・ウーマン」(1990年)でのラストでは、リムジンに乗った王子が姫を迎えに行きますが、これが予定されたことではなかったので、通りすがりの街角の花屋で小さなバラの花束を買います。紙に簡単にくるまれた花にはリボンはありませんが、コレをくわえてはしご階段をのぼる高所恐怖症のリチャード・ギアの姿は微笑ましく、花があるのとないのではこのシーンは随分違ってくるように思いました。求婚に花は欠かせません。

タイトルそのまんまの「マンハッタン花物語」(1966年)は、花屋を経営するクリスチャン・スレーターが一目ぼれした女性に花束を贈り続けるお話です。部屋が花でいっぱいになるほど数時間おきに届けられるバラの花・・・。あっ、もちろん、ストーリーはそう単純ではなく、男と女・・・心を寄せ合うまでには時間がかかります。メアリー・スチュワート・マスターソン共演