涙、涙の・・・


ハッピーエンドの恋愛映画は多くあるけれど、現実には実らない恋も少なくありません。愛すれど叶わぬ思い、愛する人との別離、引き裂かれる二人の恋・・・悲しい、苦しい結末だからこそ忘れられない恋愛映画の数々・・・。

 お互いの愛がいくら強くても、どうしようもない場合があります。家柄や学歴の差、人種・宗教の違い、家族の反対など・・・。二人の強い意志と努力で克服出来るときはいいのですが、どうにもならないときもあります。それは、人のものを盗ること。つまり、不倫の場合、知らずに愛した相手が既婚者だった場合、また自分自身に配偶者がいながら他の人を好きになってしまった場合・・・まるく収まるわけはありません。ですから、二人以外の周りの人をも巻き込んで悲劇が起こるのですね。


 まず、最初はあまりにも有名なフランコ・ゼッフィレッリ監督の「ロミオとジュリエット」(1968年)、そして「ロミオ&ジュリエット」(現代版1996年)です。シェークスピアのラブ・ストーリーの映画化ですが、いがみ合うモンタギュー家とキャピュレット家の息子と娘が恋におちる話です。一目惚れした若い二人だけれど、両家の憎しみの中での結婚は許されない。神父の手助けで一緒になれるはずが、運命のいたずらによりロミオには死が・・・。そして、それを知ったジュリエットも自ら命を絶つ。

 これは、上手くいけば二人の駆け落ちというハッピーエンドになり得た話ですが、運悪く最悪のパターンの二人の死をもってラストは涙、涙の作品になりました。67年版はオリビア・ハッシー、レナード・ホワイティングの最年少カップルでしたが、現代版はレオナルド・ディカプリオ、クレア・ディーンズで、ロミオも神父もアロハシャツを着ている大胆なファッションと斬新な音楽と共にひと味違う作品になっています。

 

 観るたびに号泣するのは「イングリッシュ・ペイシェント」(1996年)です。友人の妻キャサリンを愛してしまった地図作製家のアルマシーは寡黙な男。夫がいるにもかかわらず惹かれ合う不倫愛にハッピーエンドはありません。出口の見えない愛、狂おしいほどの大人の恋は砂漠の砂より熱く燃え、激しく愛しながらも叶うことのないふたりの愛の犠牲者はまわりをも巻き込んで、悲劇のラストへと向かいます・・・。端正なレイフ・ファインズの熱いまなざしに応えるのは同じくイギリス人女優のクリスティン・スコット・トーマス。そして、この命を懸けたラブストーリーを死の間際で語る男(イングリッシュ・ペイシェント)を看病する看護婦ハナ(ジュリエット・ビノシュ)の新たな恋物語も同時並行してストーリーはやや複雑です。雄大な砂漠を眼下に飛ぶ飛行機の映像が印象的。監督:アンソニー・ミンゲラ (アカデミー賞受賞作品)

相手の死により、永遠の別れをしなければならないラブストーリーがあります。どうしようもない病気や事故・・・別れは突然やってきたり、覚悟の上の死・・・というのもあります。

「慕情」(1955年)では、戦争の取材中に急死したウィリアム・ホールデンとの愛を忍んで思い出の丘にたたずむジェニファー・ジョーンズがいました。

「マイ・ライフ」(1993年)では、ガンで余命を宣告された夫役マイケル・キートンと妊娠中の妻ニコール・キッドマンの愛が描かれました。同じくガンで亡くなるデブラ・ウィンガーとの年令と文化を越えた愛のストーリーはアンソニー・ホプキンスの「永遠の愛に生きて」(1993年)

「誰がために鐘は鳴る」(1943年)では、スペイン動乱の中で命を失うことになるゲーリー・クーパーと美しいイングリッド・バ−グマンが恋に落ちました。

そして、「タイタニック」(1997年)では、愛する人を見守りながら氷の海で息絶えるレオナルド・ディカプリオがいました。

白血病の彼女との愛を綴った「ある愛の詩」(1970年)、人間と恋におちた天使の話「シティ・オブ・エンジェル」(1998年)など、悲しい別れは幸せな恋人たちを引き裂きます。