|
2001年10月6日
序章
今回は家内の承諾も得て再度「熊野古道」を歩く為に自宅を午前3時30分に出発する。 予定では、前回の終了地点の「近露」をスタートにしたかったのであるが、歩く距離が
前回の倍近くある為、できるだけ早くスタートしたかったので、例によってインターネット・ 前回の資料そして「本宮町のHP」等を参考にしてバスの時刻(JR)を基準にした結果、逆
になるが「熊野大社」をスタート地点とすることにきめたのである。
また、本宮町産業観光課様のご紹介で駐車場も確保することが出来
たのが前回に続いて意外に早く今回実現することになった大きな要因
だと感謝しております。
熊野大社(祓戸王子)⇒伏拝王子 (3.1km)
思っていたよりも早く、本宮町「山村開発センター」に到着、早速準備を整えて朝靄に霞 む「熊野川」の土手に上がってみる。誰もいない河原は、日の出前の靄につつまれて静 寂そのものである右手すこし開けたところに「本宮大社旧地」に建つ大鳥居が見える。
写真を撮った後、「本宮大社」へ戻りいよいよ24kmの旅のスタートである。 6時15分に鳥居をくぐり158段の階段を上って本殿の前へ、一応旅の安全を祈願した後、 社務所の横を抜けて裏の鳥居より出てすぐ左手に「祓戸王子」の祠がある。 ここにも、例の「熊野古道距離標識」があり、その番号は#75で、今日は#27になる迄歩く 事になる。
「祓戸王子」を後にして、250m程住宅街を通り案内標識に従って、いよいよ山道へと
入る比較的緩やかなアップダウンを繰り返しながら進んでいく、25分位行
くと「三軒茶屋跡」の休憩所に到着、橋を渡り進むとやがて村道に出ると
やたら「のぼり」が立っており民家の前には、NHKの中継車が止まってい
た。「伏拝王子」のすぐ横の民家が、NHK朝のテレビ小説「ほんまもん」の
ヒロイン「山中木葉」の生家との事で、家の前には立派な?? 看板が立ち、空き地には、見学者用の駐車場まで用意されているのには
驚いた。 中継車の横を通って「伏拝王子」の休憩所で一息ついていると、おじさんが声をかけて きたので聞いてみると「9時から、籠かきレースのイベントと午後NHK
の放送がある」との事とりあえず10分程休んで、7時25分に次の「
水呑王子」に向けて出発する。
伏拝王子⇒水呑王子 (1.9km)
村道を行くと、右手に桧皮葺の屋根に覆われた「井戸」がある。横の立て札に「菊水井 戸」と記されており、つるべで井戸水を自由に飲めるようだ。歩いていると、あちこちに 「ほんまもんロケ地」の看板があり、そのひとつ「炭焼き小屋」の看板の横をまっすぐ すすんで行くとやがてもと小学校分校の跡地の広場のような所に出てくると、側の建物 の横に「水呑王子」の祠が他の地蔵と一緒に祀られている。
水呑王子⇒発心門王子 (1.8km)
再び古道は山道に入り、すぐの道端に「歯痛の地蔵さん」がある。 村道と交わりながら全体に上りの道を進んで行くとやがて「発心門王子」に到着、時間 は8時5分、出発してから1時間50分である。立派な社殿があり整備されているので暫 し休憩。
発心門王子⇒猪鼻王子 (0.8km)
8時20分、次の「猪鼻王子」に向けて、社殿前の、急な坂道一気に下っていく、途中は 道幅も狭く、下りきって平坦な道をしばらく進むと、左手に川へ下っていく細い道と合流 古道はこの下へ進むように案内されている。 水音も大きくなってきた所の道端に「猪鼻王子」の祠がある。元の道に戻り5,6分行くと 「船玉神社」の社があり、いよいよこれから今日の難関の一つ「三越峠」への上りである。
猪鼻王子⇒三越峠⇒湯川王子 (3.8km)
スタート時の予定では、三越峠に10時に着ければと考えていたが、この調子だと何とか 行けそうである、8時35分「船玉神社」を後にして歩いていくが、30分程進んでも一向 に上り坂の様子ではなく、道幅も広く緩い上りで拍子抜けしてしまうようであったが、三 越峠までの残り約800m位から、急勾配のツヅラ折れの道となり今日はじめての苦行に なった。必死の思いの30分ようやく「三越峠」の休憩所に着いたのが9時25分、予定よ り約30分早く到着、峠付近は広場のようになっており、数台の車があったが、人影は 見当たらなかった。
この「三越峠」が群界となって「本宮町」から「中辺路町」へと入った事になる。 ここで、残りの行程を確認、次の目標を「小広王子」到着12時20分頃に定める。 10分程休んだ後、下り道を軽快に進んで行く、約800m程10分位で「湯川王子」に到着。
湯川王子⇒岩神王子 (2.2km)
「湯川王子」を出てから7,8分の所に立派な建物が有り、10数本ののぼりが立つ「蛇形 地蔵」がある。 名前だけ聞くと恐ろしいが、実態は赤い前掛けをした結構大きな地蔵さんである。 古道の方といえば、これから第二の難所「岩神峠」への上りである。 湯川王子の標高400mから峠の655mまでの約250mの上り道、最初の方は緩やかな 坂道で歩き易く、道端の「おぎん地蔵」を見ながら進んでいたが、途中から遅々として 進まなくなってしまった。100歩行っては休み、50歩行っては振り返りしながら歩いてい ると上の方から、3〜4名のパーティーが降りてこられた。聞くと「とちのき小屋」を7時す ぎに出たとかで、私と同年代の方々で、本宮へ向かうとの事、この会話で約5分休めた ので、気を取り直して100歩行っては休み、50歩行っては振り返りを繰り返しながらやっ との思いで「岩神王子」の祠にお目にかかる、時はすでに10時50分、出発してからす でに約5時間弱となっている。 このあたりが今日の中間点??、という事はまだ、5時間も歩くのかとの考えが頭を掠める。
岩神王子⇒熊瀬川王子⇒小広王子 (4.3km)
色々な資料によると、今下っている坂が難所の一つの「男坂」との事で、下りながら 「上りはきついだろうな」と思いつつ、ゴロゴロ石のある歩きにくいみちを下っていると、 1組の夫婦らしいパーティーがもくもくと登ってこられるのと無言ですれ違う。今日は結構 ハイカーとすれ違うことが多いようである。 坂を下りきったところに「仲人茶屋跡」があり、それによると「男坂」「女坂」の間にあるか ら、この名がついたとのこと??、さてこの「女坂」であるが、やはり女はいけずである。 「わらじ峠」に至るこの坂、だらだら続くきつい上り坂である。 最後の難所と思って上りきるとそこに「草鞋峠」の説明板が建ててあるだけであった。 峠を過ぎて下っていくと右手に「熊瀬川王子」の跡がある。 そのまま5分程下ると、休憩所があり、すぐ上の方に旧国道があるので公衆トイレの横か ら国道に出て右へ50mほど進み再び山道へ、300m程行くと又国道に出るので、100m 位行くと右手に「小広王子」の祠が少し奥まったところにあった。 予定より10分程早い12時10分に到着。
小広王子⇒中ノ河王子 (2.0km)
ここからは、行程の殆どが、村道か旧国道である、歩き易いのはありがたいのであるが 足の疲れがひどくなったように感じられた。途中約1kmあたりの木陰で休憩。 前回と同じように、コンビニで買ったおにぎりとお茶で昼食を済ます。 秋も深まってきたのにこの辺りの山々は、まだ紅葉には時間がかかりそうである。 30分程休んで12時50分再び出発、急に足の疲れが倍増したように痛
むが、国道を1km位行くと「中ノ河王子」の標示、祠は、国道より200m程
上に登った所にあるので、とりあえず行ってみる。
中ノ河王子⇒継桜王子 (0.9km)
「中ノ河王子」を過ぎて暫く進んでから国道と別れ、村道へと入っていくと「秀衝桜」 「野中一方杉」の名所があり「熊野古道」を紹介する雑誌には必ず写真入りで出てくる 「とちのき茶屋」を過ぎて、「野中の清水」に行く手前に「継桜王子」が周囲から忘れら れたように祀られている。 村道から、私有地の細い道を下った所の洞窟のような場所に「池」が
あり、その水は、透明できれいな色をしており、池の下からは、湧水が
あふれ、誰もが自由に飲めるようになっており、早速ためしてみると、
ほんとうに水がこんなにおいしいものであるのかと改めて実感した。
丁度ポリタンクを持ってこられた人もおられたが、こんなにおいしいのな
ら少々遠方でも、足を運ぼうという気にもなるのだろう。 ちなみにその人の車のナンバーは「和泉」となっていた。
継桜王子⇒比曽原王子⇒近露 (3.4km)
さて、清水で喉を潤していよいよ最終「比曽原王子」へ。 村道を進み再び旧国道に合流し、しばらく行った右側にあるのが「比曽原王子」で、到着 は、14時丁度である。あとは、前回終了した「近露王子」までの約2kmをゆっくり村内の 旧跡「安倍晴明とめ岩」「近露伝馬所跡」等を見ながら、14時35分に目的地「近露王 子」に到着した。
終章
前回に比べて、倍の距離約24kmを歩いた訳であるが、所要時間8時間20分と、比較的 早いペースで歩けたのではと思っている。 計画段階では、10時間の予定をしていた 為、到着後、前回疲れすぎて行けなかった「熊野古道なかへち美術館」にも立ち寄るこ とができ、行燈画展を鑑賞することが出来た。 帰りには、湯の峰で、温泉に入るつもりであったが、バスで通過するときに人出の多さに 即あきらめて本宮大社終点で下車、到着は17時20分。 これで、「熊野古道」のメインルートの3/2は完歩し、残るは「大雲取・小雲取越え」・「大 日越え」となった。 前者のコースは、どうしても途中「小口」で1泊の必要がありそうなので、実現には少々 時間がかかりそうであるが是非ともチャレンジしてみたいと思っている。
そんな事を考えながら、国道168号線を奈良に向かって車を走らせ、途中、十津川温泉郷 「昴の里」で汗を流し無事、自宅に帰り着いたのが20時50分であった。
|