Dr.コオニ(o2)のカルテ

カルテNo.1

症例

カービングの習得に専念してスキッディングができなくなった

【1.定義】

英和辞書によると


skid
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¨【動】(‐dd‐)|自|〈車・飛行機が〉横
[外]滑りする(off);〈車輪が〉(ブレーキを
かけた時)滑る,スリップする《◆この意味
でslipはまれ》.

¨|他|

1 〈車輪〉に滑り止めをかける.

2 《主に米》〈車〉を横滑りさせる.



carve
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/kIイ(r)v/(類音curb,curve)〔「刻み目をつ
ける(notch)」が原義〕

¨【動】(〜s/‐z/;〜d/‐d/;carv・ing)

¨|他|

1 ゜ [SVO(M)]〈人が〉〈物〉を彫(ほ)る
 ,刻む,彫刻する《◆Oには材料・作品いずれ
も可》

スキー用語てきには、双方とも〜ingで自動詞的な造語になっているが では、その身体の使い分けはどうなっていて実際にはどう見えるか?。

【2.昔の教程】

ターンをSの字で説明していくと運動要領がわかる。 技術が稚拙で双方の使い分けがまだできていない技術水準で、たまに 「舵取り」から「切替」のフェーズで、滑走スピードが高速、かつスキーヤー の技術水準を超えている場合に偶然スキーヤー自身がスキーをクロスオー バーしてしまってターンが破綻せずに繋がりをもって行えた場合に、 技術要素として「スキッディング」しかもっていない者でもこれば 「カービング」的な要素(「ベンディング」要素)をもって「切替」を行って いるといえる。

つまり、「カービング」はその要素を体得していないものにとって「スピード」 が必要になる、技術的にハードルの高い技術であるともいえる。

「スキッディング」と「カービング」の要素の違いを言及する前に、前教程で 技術要素として紹介されていた「ストレッチング」と「ベンディング」につい て述べ、そこからテーマを掘り下げていく。

「ストレッチング」はさらに古い教程では、「伸ばし切替、曲げ舵取り」と 説明されていた。言葉そのままで、切替を身体の伸展による「抜重」で行い 角付けの切り替えたスキーを次ターンへ落とし込み、身体の屈曲による「荷重」 によって舵取りを行っていく技法である。

一方「ベンディング」は「曲げ切替、伸ばし舵取り」と表現され、身体の使い方 は「ストレッチング」の逆を行った。

しかし、ここで肝心なのはスキーの角付けをスキー主体に脚で行う「ストレッチ ング」に対し、「ベンディング」ではターン内側にあった体軸と重心点を、脚を 主とした体の屈曲によって身体の真下に一度戻す操作(「切替」)を行い、そこか ら次のターンの内側に脚を主体とした体の伸展で舵取りを行っていくという違いに ある。

舵取りの質のレベルが低く、十分な角付けと雪面抵抗が得られない場合に「ベンディ ング」技術は習得が困難であり、身体の運動要領が理解できていても滑走スピード による運動エネルギーが不足している場合には表現が困難であった。

また、「ストレッチング」は「回旋」運動を多用し、「ベンディング」は「回転」 運動の要素が必要とされる認識を強く記憶しておいてもらいたい。 ここでいう「回旋」は、体軸や重心点を「舵取り」によって移動させる要素は少なく 脚のヒネリ(ネジレ)を多用することが多くの意味で、「回転」はスキーヤーが 自身を回転弧上を移動することを意味する。

「ストレッチング」がヒネリを自発的に発生させ、ズレを作っていくことで「舵取り」 を行っていき、「ベンディング」は回転弧に沿って身体を移動させていく点が現教程 の「スキッディング」と「カービング」に引き継がれている。

【3.現教程】

「ストレッチング」が「スキッディング」へ変遷し、「ベンディング」が「カービ ング」へ移っていった現教程(本ではなく、指導要領)で、なにが変わっていった か?。

「ストレッチング」、「ベンディング」は運動要領によるターンの表現であり、 「スキッディング」、「カービング」は雪面へのスキーヤーの働きかけについての 表現であることには異論はないだろう。

極論すれば、「ストレッチング」操作、技術、運動要領で「カービング」ターンを 行うことが不可能であるかと問われれば、Noであるは正解でない(のかもしれない。 誰もそんな表現はしない...)。 「ベンディング」操作による「スキッディング」って絶対にある。

そう考えると、現教程は雪面へのスキーヤーの働きかけによって技術レベルを分け ており、つまり「セーフティ」、「コンフォ−ト」、「チャレンジ」と技術レベルを 分割してスキーヤーの技術レベルを当てはめ(このセル分割はある意味正しいと思う) ている。

「セーフティ」は制動要素主体の「スキッディング」であり、制動要素を 残しつつも楽しめる「スキッディング」での「コンフォート」、競技技術やマテリ アル革命(カービングスキーの市場席巻)による「カービング」を多用した「チャ レンジ」では、どうもスキー性能の現状からして、技術レベルのセル分割は困難であ る。

初めてスキーを始めようとカービングスキーを履いた者でも、スキーは体軸に向かって 切れ込んでくる。人間の身体は立つと膝内側(土踏まず)に荷重がかかるようになって いる。

「カービング」には安全な制動要領は存在しない。「スキッディング」でのみ制動 技術を習得できるのなら、カービングの板でもズラシやすいチューニングを検討する 必要がある。

かなり、脇道にそれてしまったので軌道修正。

【4.ポジションと運動要領の違い】

「カービング」を習得する過程で「スキッディング」ができなくなってしまった スキーヤーが回りにいます。 「スキッディング」と「カービング」は先ほど「ストレッチング」「ベンディング」 がその元にあると書きましたが、それぞれに発展した要素はあります。

「ストレッチング」は伸び上がり抜重操作での「切替」でしたが、同時に「舵取り」 は「回旋」を多用するものでした。「落差」とか「ターンスペース」とかって用語 が出てきた頃から、トラディショナルなスキーでもターン弧の質について評価され るようになってきた。

この点に立ち戻ると「スキッディング」技術は「回旋」要素を無視できない。 つまり、「回旋」技術における「ポジション」とスキーへの働きかけを「スキッディ ング」では求められており、「カービング」のスキーを回転弧をつくっていくため に体軸から離していく「横」方向への操作とは、操作要領が違う。 「スキッディング」は「縦」方向への操作である。間違っても「横」方向への 加圧や重心点の移動を伴っては正確な意図したズレを誘発できない。

また、雪面へスキーヤーが鉛直にズレを誘発操作をするが、その操作は継続性が ある必要が大きい。対して「カービング」はその点はわりと曖昧で、スキーなり でも(レベルが上がれば加圧加減によってカービングの操舵要領を理解する)問題 は少ない(「セーフティ」では「カービング」はしない)。 継続性の発揮には「はいテク」を使用する。

症例検討希望の方はDr.コオニまで