指導員検定−検定員はどこをみているか(指導種目)

カルテNo.0

渡辺 保さんによる症例検討

指導種目におけるポイントがわからないため点数が出ない

【プロローグ】
検定規定改定後、4シーズンが経過した。
指導員・準指導員検定は示範検定である。 種目演技をどう行ったかではなく、検定員にどう見えたかが一番大切。
今後、SAJ中央研修会や各種研修会を経過して少しニュアンスが変わってくることもあるが根本的なものは変わらない。

【本日のテーマ】

  1. 指導種目の理論的理解(教程教本に沿って)
  2. 指導種目の演技について
  3. 指導種目−どこをどうしたら点数が出るか
【1. 指導種目の理論的理解】
(1)教程・教本改定の背景
@ 用具の進化
  ズラして方向を変える→力を加えるだけで曲がる
A 斜面状況の変化
  平滑かつ均一な斜面
B スピード指向
以上改定の骨子

プルークボーゲンからダイレクトにパラレルターンに結び付ける
旧教程は積み上げ式、技術の完成が次のステップへの入り口となっている。
新教程はスキー技術は螺旋階段状であるとしている。

(2)スタンスとポジションという言葉の使分けをしている。
スキーの形状に注意して教程・教本を再読してみると視点が変わる。
(3)師範(示範)

  • どう見えるか。
  • どう演技できるか
 演技内容例)プルークボーゲン
準指導員教本のカリキュラムに示された演技緩斜面プルークボーゲンからパラレルターンへの移行を指導する。
正指導員教程に示された演技中斜面確実なスピードコントロール
検定員はどう考えているか?。
  • 種目としてとらわれすぎ。苦手克服とか70,70の点数の積上げとか。
  • ベースとなる技術の向上を目指してほしい。
  • 指導種目ばかりの練習では急斜面、スピードに対して練習が少なく、5,6年後がもったいない。
  • 【指導種目の演技について】

    準指導員 種目別のポイントについて
    (1) 共通事項
    • ズレの少ないプルークのポジション(スキーのトップの開きが少し広い物)
    • 滑走性が良い→両スキーの同調性が生まれやすい
    • 発展してパラレルポジションの導入をしやすいもの
    • オープンスタンス(広いスタンス)もつ意味→すぐに雪面への働きかけが可能となる
    • 早い時期からの外スキーへの働きかけ

    (2) プルークボーゲン
    パラレルターンの運動要領を習得しやすいプルークボーゲン
    • トップを少し開いて
    • 滑走性の良いポジション・重心
    • スペースの考え方→縦に長い、浅いターン弧
    • 10度に近い物はきつい緩斜面、ゆるい緩斜面では上下動を使う
    • 自然な上下動でおこなう






    • スキーの外への押し出し(押し付け)を行っていくと、ターン内側に重心が入ってくるが自分で感じてしまうほどの 動作は検定員から内スキーも使用しているように見える。
    • 外スキーに外腰を乗せているような感覚
    • 斜面に合わせたライン取りが一番大切→自分で最初に思うより縦長な弧

    (3) プルークターン レベル4のステージ4
    • 緩斜面または中斜面でおこなう
    • ニュアンスが微妙で難しい
    • 上達の家庭でプルークターンの時期は短い、しかしながら示範はしっかりと表現できなければならない。
    • プルークポジションでの舵取り、パラレルポジションでの切換え
    • ターン前半のプルークポジションでのスキー全体のズレを意識するとターン後半のプルークポジションを維持しやすい。

    • 深いターン弧でターンするとパラレルポジションが狭くなりやすい。
    • 内スキーの同調は自分から造らない。自分から造っていくと後半プルークポジションを維持するのが困難
    • プルークボーゲンより大きなスキートップの開き

    (4)基礎パラレルターン大回り
    • ごく初歩的な運動要領で行う
    • クロスオーバはストレッチングターンのような滑らかなクロスオーバではなく、舵取り期と切換え期がはっきりと分かれた操作になる。
    • スタンスは広く
    • 伸ばし回しにならない様、谷脚で立ち上る。
    • 必ず繋ぎのスペースをとる。
    • 上下動を伴う。足首からの前運動を使う。
    • 浅めの方が楽に演技できる。(パラレルポジションとそのスタンス故)

    (5)基礎パラレルターン小回り
    • 基礎パラレルターンはストレッチングターンへいく過程としてとらえる。
    • 大回りは初歩的な種目、小回りはストレッチングターンの味付け。
    • ストレッチングターンの味付けとは、スキーで雪面を捉えての弾みを利用すること。
    • オープンスタンス(広い):本人はワイドスタンスのつもりで。
    • 早い時期からの外スキーへの働きかけ。
    • 回転弧の深い物を練習する(菅平)。
    • 伸ばし回しは行わない。
    • 滑らせるスペースの大きな滑り――→習熟による弾みの利用――→滑らせるスペースの小さな滑り



    (6)パラレル規制
    • 基礎パラレル大回り――→基礎パラレル小回り となる パラレルの初歩 ストレッチングの味付け(滑らかな重心の切換、クロスオーバ)
    • ターン弧の配分が難しい 検定バーンを1/3づつ大回り、中回り、小回りとわけると検定員からは下半分を 小回りで滑っているように見える。小回りは短めに。
    • 中回りで自分が小回りが最も安定するスピードの状態に調整する。

    【96−97,97−98準指導員養成講習会のデモンストレーションのビデオを見る】
    検定員の目線から、スタンス,ポジションがどう見えていたか。

    【正指導員指導種目】
    検定員が全国から集まり、採点の幅が広い。
    他の受験生と同じ要領で演技(技術要素、動く量)する。

    (1) プルークボーゲン:プルークポジションが困難な斜面でどうポジションを維持できるか
    上下動は使用せずにズレに乗っていくだけというのも手段である。
    (2) パラレル大回り:ストレッチングターンそのもの
    (3) パラレル小回りB:準指導員基礎パラ小回りを滑らかに
    (4) パラレル小回りA:会場によってニュアンスが違う。ジャンピング系の短いエッジング。

    【20数年間の検定員歴での雑感】

    • 検定の構成要員 受験生、検定員、ギャラリー
    • 検定員にはどう見えたか。
    • 指導する際にはどう演技できるか。

    • 自分がやったときに、下ではどう見えたか?。

    • 真剣にやりすぎない。サラッと滑る。しつこくやりすぎない。

    • 自信のない滑り、不安感,苦手意識は検定員に伝わる。
    • 検定員も悩みながら採点している。
      ゴール直後に失敗した表情、態度は69,70で悩んでいるときに検定員の助け(採点の材料)となる。
    • ゴールしたときのスキーの形状は気にしない(渡辺検定員として)
      ただし、練習時は停止まで意識した練習をする
    • 最初の1ターンで採点の9割は決まっている。
    • 技術、演技要領のほかに(スタート→1ターンの間で)見ているもの
      • ポジション
      • スタンス 広くする練習:緩い斜面を長い距離で
      • 回転弧の作り方

    種目練習でポジションやスタンスを直していくのは困難です。

    症例検討希望の方はDr.コオニまで