全文検索キーワード

寸劇シナリオ(遺言書の書き方)

 

 

  登場人物
   
金 田(悩み多き資産家。5人の息子がいる)
   
小 倉(金田の友人。何でも相談できる唯一の友)
   
日間名(小倉の知合いの司法書士。親切丁寧)
  =======================

照明暗し
ナレーション:資産家である
金田(かねだ)は、資産持ちの常であろうか、かねてから人間不信に陥っていたが、近頃健康状態が良くないため、自分が死亡した後の相続問題で悩んでいた。そこで 何か良い方法はないかと、旧知の友人の小倉(おぐら)に相談することにした。

照明フェードイン

場面@ ある晴れた日に、郊外の歩道にて路傍に咲く名も知れぬ花を愛でながら。

金田(資産家らしい、きんきらきんの服装):やあ、こんにちは。
小倉(普通の服装):こんにちは、ごぶさたしてます。お元気でしたか?
金田:それが最近体調が思わしくなくてね。
小倉やや、それは大変だ。何か悩み事でもあるのかい?
金田:実は最近いやな噂を耳にしてね。見てのとおり、私は資産家なんだが、私の5人の息子たちがお父さんが死んだら財産は自分の物だといって喧嘩していたらしいんだ。私としては子供たちには仲良くして欲しいし、私の身に万が一のことがあったらと思うと気が気じゃなくって。なんとか遺産分けでもめないように、私の思いどおりの分け方をしたいと思うんだ。
小倉そりゃー遺言書を作るのが一番だよ。
金田:あ、そうか、なるほど。それで、どう作ればいいのだろう?
小倉私はあまり詳しいことは知らないけれど、司法書士さんのところへ行けば教えてくれるらしいよ。私の知合いの司法書士さんで、登記所のそばの角の日間名(ひまな)先生を紹介するから、一度相談してみたら?
金田:じゃあ、さっそく明日にでも行ってみよう。


場面A 休み明け、休み気分の抜け切らない日間名事務所にて。

金田:こんにちは。小倉さんの紹介なんですが、ちょっとご相談にのって頂きたいんですけど。
日間名どうぞ、どうぞ。昨日小倉さんから金田さんのことについて大体のことはお聞きしていますよ。
金田:実は先生、妻に全財産を残そうと思うのですが。息子たちは 私の財産をめぐって喧嘩ばかりしてて、そんな子供たちにはビタ一文たりとも残したくありません。遠縁の者まで財産をねらっているらしくて、もう、ホトホト疲れ果ててしまいました。
日間名なるほど。
金田:で、今日は先生に遺言書を作って頂きたくて参りました。先生、一つ素晴らしい遺言書を作って下さいよ。
日間名それが、遺言には2通りありましてね。まず自筆証書遺言といってこれは遺言をする人が自分自身で書かないといけません。司法書士が代りにお作りすることはできないのですよ。あと公正証書遺言といって、公証役場で公証人さんに作って頂くものもあります。費用は若干かかりますが、公証役場で遺言書を預ってもらうため、紛失する心配がありません。
金田:自分で書く分はタダなんですね?
日間名そうです。ただし、少し面倒ですが、あなたが亡くなったあとで、家庭裁判所で検認の手続をしないといけません。
金田:うーん(少し考えて)よし、ここは一つ自分で書いてみましょう。先生、ご指導よろしくお願いします。私は最近わーぷろの勉強を始めましてね。わーぷろで遺言を作ってみようと思うんですよ。わっはっはっは。
日間名あっと、金田さん。自筆証書遺言はあくまでも自分の手で、つまりは直筆でないといけないのですよ。
金田:えっ、どうしてです?
日間名直筆で自分の筆跡を残すことによって、大切な遺言書を他人から勝手に偽造されたり改竄(かいざん)されたりするのを防ぐためです。
金田:わかりました。それでは家に帰ってからじっくりと自分で書いて持ってきますので間違いないかどうか点検をお願いします。
日間名どうぞ、どうぞ。いつでも持ってきて下さい。


場面B 数日後、仕事がノリにノッている日間名事務所にて。

金田:先生、書いてきました。ごほごほ。失礼、カゼぎみなもので。ちょっと見ていただけますか?
日間名どれどれ。大体いいようですが、日付が6月吉日付けになっていますね。日付は吉日付けでは本当はいつ書いたのかわからないから、具体的に何日としないといけないのですよ。
金田:えっ、日付は具体的に何日でないといけないというのは、なぜです?
日間名実は遺言書は生きている間は、何べんでも作れるのです。後で、前と違う矛盾する遺言をした場合、一番最後にした遺言が 有効だからです。日付がはっきりしていないと、どれが一番新しい遺言か判りませんからね。まあ、遺言をした方の最後の意思を尊重するという意味ですので、そこんとこ、ご理解ください。
金田:あっ、ということは妻に全財産をやるという遺言をした後で、それを取り消して、妻だけでなく子供にも半分やるという遺言もできるのですね。
日間名そのとおりです。
金田:最初は妻に全財産を残すつもりでしたが、やはり子供はかわいいので、本当は少しは残してやりたいのです。それに子供たちが私の財産がもとで醜い争いをするなんて、死んでも死にきれないですからね。女房子供には仲良くして欲しいのです
日間名ぜひそうされて下さい。ちゃんとした遺言をすることによって残された家族の方のゴタゴタがなくなれば、それが一番ですからね。
金田:先生、ご指導いただきまして、どうもありがとうございました。(正面を向いて、笑顔でしみじみと)私は今まで人を信じることができませんでしたが、これでようやく人を信じることができるようになれそうです。

照明フェードアウト

ナレーション:金田が帰ったあと、日間名は自分のアドバイスにより、これでまた一人の市民が無用な紛争から救われたと思ったのであった。と同時に、えもいわれぬ充実感を覚えたのであった。自分が市民のために少しでも役に立ったと実感したからであろうか。さて、明日はどのような依頼者が来るのであろうか?明日も人様のお役に立ちたいと思うとワクワクするのであった。と、日記には書いておこう。


←クリックして下さい。解説があります。

解説の主な内容

 遺言の種類について
 
遺言執行者について
 
遺言内容を変更する方法について
 
遺贈について



参考にして下さい

福岡県司法書士会のページ

 


トップページ司法書士業務案内司法書士とはローカルトピック自己紹介寸劇シナリオ職務体験談資 料 室私の独り言リンク集アンケート