ヘルペス脳炎
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ヘルペス脳炎専門医として、緊急を要する対応はむずかしいと思いますが、ヘルペス脳炎の患者さん、ご家族への2nd opinionなど必要な場合、お役に立てばと思います。ヘルペス脳炎の概要を添えます。

2006.5.1

庄司紘史(しょうじ ひろし)
国際医療福祉大学リハビリテーション学部教授
831-8501 福岡県大川市榎津137−1
e-mail : hshoji@iuhw.ac.jp


  ヘルペス脳炎の概要

 単純ヘルペスウイルス(HSV)には1,2型の亜型があり、成人・老人の単純ヘルペス脳炎(ヘルペス脳炎)は主としてHSV 1型による。一方、HSV 2型による神経感染は新生児の急性脳炎を除いて急性の脊髄炎・髄膜炎がよく知られている。HSV 1型による急性脳炎は側頭葉・大脳辺縁系を好発部位とするが、polymerase chain reaction(PCR)、MRIの導入によって脳幹脳炎型、あるいは再発・慢性型など多様な臨床像が捉えられている。早期診断・早期治療の普及により、我が国における本症の致命率は約10%になり、約30%に社会復帰例がみられる。しかしながら、生存例の多くで健忘、記銘力障害、人格障害などの後遺症が残り、家庭あるいは社会復帰の困難な例も少なからず存在する。

 一方、非ヘルペス性辺縁系脳炎は、ヘルペス脳炎,傍腫瘍性辺縁系脳炎とスペクトルムを組む新しい亜型と考えられており、非ヘルペス性急性辺縁系脳炎,非ヘルペス性辺縁系脳炎などの名称で報告されている。両側側頭葉内側(海馬等)のMRI異常が特徴的であり、主たる病態、原因は同定されていないが、種々のウイルス感染、傍腫瘍性、膠原病などを引き金とした免疫学的機序が有力である。グルタミン酸受容体(GluR)抗体の関与が注目されている。

 

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